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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年08月21日

アブダクション

アブダクション
「これからの思考の教科書」(酒井譲 ビジネス社)=現在は文庫化

いい本ですね。
思考を科学する。

考えるとは何か?
ここから出発しないといけないよなあと。

・ロジカルシンキング(論理的思考=垂直思考)
・ラテラルシンキング(水平思考)
の両方が必要になる。

そのうえで
・インテグレーティブシンキング(統合思考)
に高めていかないといけない。

そもそも、ロジカルシンキングとは、
誰がやっても同じ結論になるように、
事実から理論を組み立てていくこと。

有名な
空(事実)⇒雨(分析)⇒傘(対応策)
ってやつ。
その効用はだれがやっても同じ対応策になるということ。

きっとこれは、
工業時代には機能したんだろうと思う。
唯一絶対の神「効率化」がそこにいたから。

今は、神を失い、次々に新しいものを生み出していかなくてはならない。
その方法論のひとつがラテラルシンキングであり、
ラテラルシンキングの1つの発想法が「アブダクション」である。

~~~ここから一部引用

私たちが科学的に物事を考える(推論する)とき、
普通は「帰納法」と「演繹法」を使います。

帰納法とはデータから普遍的な法則を推測することで
演繹法とは普遍的な法則から個別のことを推測することです。
それぞれ、データ、あるいは法則が間違っている場合、
結論も自動的に間違ってしまうという弱点があります。

僕たちは2つの方法しか習いませんでしたが、
実は第3の方法というのが存在するのです。

それが「アブダクション」です。
アメリカの論理学者パースは、
「アブダクションこそ科学の諸概念や理論を生み出す唯一の
論理的操作であり、もっともすぐれた科学的発見の方法である。」
と述べています。

「アブダクション」は次のような形式をとります。

驚くべき事実Cが観察された。
しかし、もし説明仮説Hが真であれば、Cは当然の事柄であろう。
よって、説明仮説Hが真であると考えるべき理由がある。

まずは「驚くべき事実C」に出会うこと。

たとえば、海から遠く離れた内陸で
魚の化石が見つかったとき、この驚くべき事実Cには
かつてここは海だったのではないかという説明仮説Hが
あれば当然のことであり、あとはHが真であることを証明するというものです。

しかし、アブダクションには2つの大きな壁があります。
1 驚くべき事実を見つけるための十分な知識
驚けるということは、異常を察知できるということです。
そのためには何が正常かというのを知識として持っている必要があります。

2 説明仮説Hを立てる「ひらめき」力
異常に気がついてもその理由を考えることはロジカルなプロセスではありません。
これをどうつけていくか?は難しいことです。

パースは、人間には本来
「正しく推測する能力」が備わっていると唱えました。

人間には、異常を察知する能力と
その異常を正しく推察する能力が備わっているのだというのです。

~~~ここまで一部引用

著者自身、この「正しく推察する能力」という仮説に
鳥肌が立ったと本文中に書いています。

異常を察知し、
それに説明仮説を立てていく。
きっとこれからのビジネスのでき方はそうなっていくのではないかなと思う。

よくあるビジネスの話が
とある商品に大量注文が入って、
よく聞けば、それはもともと想定していたのと違う用途で使われていることが判明し、
それはもしかしたらそっちのほうに特化したら売れるのではないか?
と直感することもそれに近いなあと思う。

アブダクションを生んでいくこと、なんだなあ。
そのためには十分な知識と異常を察知する感性が必要。

僕自身の経験から行くと、
大学生を粟島に連れていったときの、あの変化かな。

みんな3日4日で
驚くほど成長するとの、
精神的に安定してくるのだよね。

あそこに「異常」を察知して、
説明仮説をつくった。

・田舎に行くと承認欲求が満たされることで精神的に安定する
・おじいちゃんおばあちゃんに愛されることによりモチベーションが上がる

そんなことをこれから実証していこうと思う。

アブダクションを生み出せる人になる。
きっとこれが社会で必要とされる人の条件なのかもしれない。

必要とされる人になるために、
異常を察知するために学び、街を歩き、人と話すべし。

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Posted by ニシダタクジ at 06:43│Comments(0)
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