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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年08月25日

健全なる負債感が行動を起こさせる

「ゆっくり、いそげ」(影山知明 大和書房)
は数多くの示唆を与えてくれた。

「健全なる負債感」

きっとこれがキーワードになっていく。
あまりにも世の中が消費社会になってしまった。

田舎の煩わしい人間関係を
脱し、都会に出てきた人たちにとって、
それは当然の帰結だったのかもしれない。

影山さんはこの本の中で、
田舎を「共生しているが不自由な」場所だったと言い。
自由を求めて都会に旅立っていった。

そのとき。
「共生」を失いたくはなかった。

ところが実際は、企業体が機能していたころは、
「拡大家族」とも呼ぶべき関係性が企業の中であったが
次第にそれは失われ、気がつくと一人ひとりは孤立していた。
つまり「自由であるが孤立している」状態である。
本来は自由でかつ共生している状態を望んでいたはずだ。

「孤立」は、人々を「消費者化」した。
お金という言語でいろいろなものをやりとりするようになった。
1回だけの関係で精算するようになった。

内田樹さんが「下流志向」の中で、
子どもが学ばなくなったのは、「消費者化」したからだ
と言っていたがそこには非常に共感する。

「なんのために勉強するのか?」という問いは、
僕が差し出す苦痛(45分間椅子に黙って座っていること)
と得られる幸せ(経済的メリット)は等価なのか?
というところから発せられている。

そう。
そうやって、子どもの時から「消費者化」してしまっているのだ。
最小の努力で最大の価値を得る。
これが消費者としてもっとも賢い振る舞いであるから。

これを繰り返していると、
結果、行動しないほうがトクになる。
その都度、行動を精算するのはすごく大変なことだからだ。

きっとそうやって行動しない人は
完成していくのかもしれないな。

それを打破していくのは、
田舎のチカラなのではないかと僕は考える。
共生の中にあった「健全なる負債感」

まきどき村がある福井集落に存在しているのは、
まさにそれ。
子どもたちに「健全なる負債感」が(おそらく無意識に)ある。

祭りになれば、若い衆が体を動かし、
年寄りはただ酒を飲んでいる。
しかしそれは、かつて若いときに村に貸した借りがあるからだ。

しかし年寄も、
地域の子どものために魚を放流して、
つかみどりを企画したりしている。

それはきっと村に借りがあるからだ。
育ててもらった自然に借りがあるからだ。

きっと地域社会はそういう健全なる負債感で成り立っている。

まきどき村に行って、地域の人から無償の愛を受け、
何か元気になって帰ってくるのは、
きっとそこにある「健全なる負債感」なのだろうと思った。

人生で初めて味わう負債感なのかもしれない。

「行動できない」と思っている大学生は、
もしかしたらそういうプログラムを
必要としているのかもしれない。

「健全なる負債感」
素敵なキーワードをいただきました。

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Posted by ニシダタクジ at 05:55│Comments(0)日記
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