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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年08月31日

人間であるということは環境を変えられるということ

帰りは上田まで長野チームの車に同乗。
公開審査の振り返り。
長期インターンの価値について、
チーム上田の松浦さん、吉澤さんと
改めて話をする機会。
あの車の中も熱かった。

今回のプロジェクトは、
ヒアリング調査や顧客との対話の機会など
「足で稼ぐ」プロジェクトが多かった。

僕自身は
地域や企業に入る大学生の価値として
もっとも大きいのが「行動力」と「イノセンス」(いい意味での無知)
だと思っているので、素晴らしいプロジェクトばかりだと思った。

そしてその「足で稼ぐ」プロセスの中で、
フィットネスガレージななおの富樫さんは
「60代以上の女性は、季節の草花の話をするのが好き」
ということに気づき、
ウォーキングのコースをそれらが多く見えるコースに変えた。

東郷堂の前川さんは、
子育てママさんたちの話を聞いていたら、
自分たちが取材しに行って、
ペーパーを作るほうがいいものができる、と思い、
ママ記者のアイデアにたどりついた。

こういう事例を目の前にして、社員が、そして企業が変わっていく。
そこにインターンの価値があるのではないか、と。

そして、
大学生が何より体感するべきは、
「環境は、変えられる」ということではないか?
と松浦さんは言う。

社会に出て行ったとき、
厳しい環境に自分が置かれることがある。

そのときに、
環境のせいにして、モチベーションを下げるのではなく、
かといって、環境に適応しすぎてと自分と未来を失ってしまうのでもなく、

適応しながらも、「環境は変えられる」と思って、
富樫くんの言葉を借りれば、
「自分にできることはなんだろう?」とひたすら問いかけ、
それを実践していくこと。

気がつくと環境が変わっている。
そんな体感がインターンシップで得られることが大切だと。

農家民宿こずえの事例もそう。
もう、この集落に未来はない、「こんな田舎に帰ってこなくていい」
と子どもたちに言っていた周りの人たちが、
ひとり、またひとりと動き出すようになること。

「環境は変えられる」
という体感。

これを大学時代に持っているかどうか。
これはその後の人生に大きく左右すると思った。

「環境は変えられる」
それは、人間が人間である理由だと、
この春の茨城大学の公開講座で学んだ。

生物は、環境に適応したものだけが生き残ってきた。
しかし、人間は自分たちが生き延びるために、
自分ではなく環境のほうを変えようとした唯一の生物である。

環境は変えられる。
その実感を持って社会に出ていくこと。
これはとても大切なことだと思った。

人間であるということは環境を変えられるということ

そしてまたここから公開審査についての振り返りを少しする。

公開審査はなんのためにやるのか?
審査員審査と何が違うのか?
ここから出発しなければならないだろうと思う。

・プレゼンターおよびコーディネーターの学び・気づきを深めるため。
・参加者(審査への参加者)の当事者性を高めるため。
・コンテンツとして「北信越ブロック予選」の魅力(エンターテイメント性)を高めるため。
以上のようになるのかなと思う。

今回のプログラムの反省でいえば、
各プロジェクトの多面的な魅力・価値が
十分に引き出されなかったこと。

審査基準の提示があいまい過ぎたので、
参加者の当事者性が十分に高まらなかったこと。

質疑応答というか、コーディネーター談義の方向感が定まらなかったことと
グループワークが少なく、参加者同士の対話の場が不十分だったことで
エンターテイメント性に欠けたこと。

以上のような反省を踏まえて、
改善プログラム案を作成してみる。

プロジェクトサマリー(要約)の配布から
評価ポイントについてグループワークで議論する。
ただそれがすべての評価ポイントではないことを示す。

プレゼンテーションを聞く。
投票する。
グループで感想・質問をシェアする。

休憩後にポスターセッションで別れる。
2タームくらいポスターセッションを行い、
多面的にプロジェクトの価値や今後の展開を考える。

ポスターセッション参加者による応援プレゼンを行う。
2回目の投票をする。

結果が出る。
全体で視点をシェアする。
感想シェア

このような流れでやったらどうだろうか?

もっとも違うのは、ポスターセッション。
そのときに参加者はそれぞれの視点で
質問し、そのプロジェクトの価値を語る。
それによって、プレゼンターやコーディネーターの学びが深まる。

結果。
参加者の当事者性も高まり、
公開審査というコンテンツ自体のエンターテイメント性も上がるのではないか。

内容の振り返りは以上。

そして、
今回やってみて一番感じたのは、
僕としてはやはり「コミュニケーション・デザイン」の視点
になってしまうのだけど、

「公開審査」をする最大の価値は、
若者のプロジェクトへの投票という
コミュニケーション・ツールを通して、
それぞれの価値観がぶつかり合う、ということ。

「あなたはどんな視点でこのプロジェクトを評価しますか?」
という問いは、
「地域づくり、まちづくりにとって大切なことはなんですか?」
と問われているのと同じだということ。

その問いに、答えはないだろう。
だからこそ、このような場で、実践者たちが、
価値とは何か?について真剣に向き合う場をつくるというのは、
実は最高の学びの機会になるのではないか。

学びという最強のエンターテイメントが
そこに生まれるのではないか。

いやあ、考えれば考えるほど、不完全燃焼です。
審査委員長の力量不足です。
もう一回やらせてください。

というか、
全国の舞台で、
「北信越ブロック予選」をもう一度やってもいいのではないか?
と本気で思っています。

5事例がすべて素晴らしい事例であり、
その価値を、多面的に考える機会は、
北信越の人ではなくても大きな学びがあると思うからです。
もう一度やらせてください。

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Posted by ニシダタクジ at 06:46│Comments(0)日記
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