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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年11月06日

第3の顧客

NPO業界には、「第2の顧客」
という考え方がある。

支援対象者である「顧客」が
対価を払ってくれない場合、
そこに価値を感じる誰かに
払ってもらう仕組みだ。

たとえば、プラン・ジャパン
https://www.plan-japan.org/

月額3,000円の寄付で、
途上国にいる子どもの写真が
送られてきたり、手紙のやりとりができる。

このような支払いを行う人のことを
「第2の顧客」という。

経済社会は、
受益者負担(利益を享受している人が対価を払う)
の原則から成り立っている。

しかし。

「顧客は誰か?」という問いに向き合った時に、
その顧客が支払い能力のない人たちだった場合、
事業を継続していくために、
「第2の顧客」を創造する必要があるということだ。

これは、日本国内の場合は、
特に子どもたち対象の教育サービス
を行う場合に多くあてはまる。

日本には、
受益者負担で成り立っている教育サービスはほとんどない。
学習塾やピアノや習字などのお稽古ごとがあるかもしれないが、
その支払者は多くの場合、親であることが多い。

したがって、仮に民間のNPOが
子どもの教育サービスに参入したい場合、
受益者負担の原則が通用しない世界がそこには広がっている。

そこで「第2の顧客」が必要になる。
その第2の顧客に親以外の大人を設定するとどうなるのか?

暗やみ本屋「ハックツ」は、
構造的にそのような仕組みになっている。

寄贈された古本を100円で中高生に売る。
ここに、収益性はほとんどない。

どうやって事業を継続するのか?
そこに、「第2の顧客」が必要になる。

ハックツの場合は、
本を寄贈してくれる大人
スタッフをやってくれる大学生や若手社会人の人たちになる。
彼らはお金ではなくて本や労力を出して、協力をしてくれる。

しかし、これではまだ運営はできない。
運営資金が足りない。

そこで、「第2の顧客」に対して、
彼らを応援する「第3の顧客」を設定すること。
そこに行くしかない。

ツルハシブックスで言えば、
サムライたちを応援する地域の大人。
いつも差し入れをくれる隣のおじちゃんや大口さん。
そんな人たちだ。
第3の顧客

おとといのブログで書いた、
サービス対象者である3人の顧客。

それは詳しく言えば、
1番目の中学生高校生
2番目の大学生社会人

3番目の店員サムライ
とは、構造的には異なる層(レイヤー)にいる。

つまり中学生から若手社会人までが「第1の顧客」で
店員サムライは「第2の顧客」ということになる。

そして、「第3の顧客」である、地域の大人たちは、
彼らすべてを支える存在になるのだけど、
構造的には、「第2の顧客」である
店員サムライを支援する役割にある。

「居場所」とは、
それぞれの顧客同士と、そのあいだにできていく。

ツルハシブックスのお客である
中学生から若手社会人という共演者。
店員サムライという劇団員(コーディネーター)

彼らを支える
照明・音声・大道具小道具係の役割を
果たす地域の大人たち。

「居場所」(コミュニティ・コミュニケーション)とは、

「第1の顧客」「第2の顧客」「第3の顧客」同士
もしくは、
「第1の顧客」と「第2の顧客」のあいだ、
「第2の顧客」と「第3の顧客」のあいだ
にできていく。

もちろんすべて含めてのコミュニティではあるのだけど。

だから第3の顧客である地域の大人たちが支援するのは、
第2の顧客である店員サムライやハックツのスタッフたち。
そんな構造をつくっていくことが大切なのではないか。

居場所のジレンマという言葉がある。
居場所の居心地が良すぎると、
そこに常連さんが溜まるようになり、
その空気は常連さんに支配されるようになる。

すると、その空間は、初めての人にとっては、
居心地の悪い場所になるというものだ。

なじみの飲み屋さんに突然やってきた
旅人がジロリと睨まれちゃう、ああいうやつだ。

現代社会において、
その「居場所のジレンマ」を構造的に超えやすいのが、
ゲストハウスと新刊書店だと思う。

それは、「新しい風」が常に入ってくるから。

ゲストハウスなら旅人が
新刊書店なら新しい本が
常に入ってくるという環境にある。

ツルハシブックスも暗やみ本屋ハックツも、
そんな場所を目指していきたい。

第3の顧客である地域の大人たちの役割は、
第2の顧客を支援すること。
具体的には、差し入れをしたり、資金を提供すること。

そのような「役」を演じられるプラットフォームを
作っていきたい。

※NPO法人ツルハシブックスは、本で寄付する「チャリボン」に参画しています。
5冊以上の古本がそろいましたら、自宅まで取りに来てくれますので、「チャリボン」にご連絡ください。

自宅にある不要な古本でツルハシブックスを応援できます。
職場での参加もお待ちしています。
「チャリボン~トップページ」※現在トップページに掲載されています。
http://www.charibon.jp/

「チャリボン~ツルハシブックスのページ」
http://www.charibon.jp/partner/tsuruhashi/

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Posted by ニシダタクジ at 07:09│Comments(0)思い
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