2016年01月01日
やったことがないことをやりたがる人
「好奇心を“天職”に変える空想教室」(植松努 サンクチュアリ出版)
元日に読もうと決めていた1冊。
10月発売だったので2か月も過ぎてしまいました。
でも、新年の読書スタートを飾るにふさわしい1冊。
いや、僕のいまにぴったりの1冊。
1年前のサンクチュアリ出版送別会で
市川さんが楽しそうに話していたのがこの本。
いやあ、やっぱりいい会社です、サンクチュアリ出版。
大好きです。
空想教室。
そうそう、こういう本を売りたいんです。
売れる本ではなく、売りたい本を。
売りたい本より、売らなければいけない本を。
そうそう。
ツルハシブックスでは、こんな本を売っていきたいです。
人生の「成人式期間」を迎えている若者たちへ心から届けたい1冊です。
そういえば、クリスマスハックツの時には、
平出さんから寄贈されていたそうで、
誰かの手に渡っていますね。
と前振りが長くなりましたが、とても素敵な本です。
ツルハシブックスで高校生大学生20代と話していて、
「自分に自信がない」や「就職活動が自分に合わない」問題が
かなり深刻であることを感じていました。
そして、
「自信がない」とは、後天的に獲得した資質である、
と結論しました。
参考:
「自信がない、は後天的に獲得した資質である。」
http://hero.niiblo.jp/e459844.html
(2014.12.29 「20代の宿題」)
つまり、子どものころはみんな自信があったのに、
さまざまな経験をすることによって、
失敗を恐れたり、自分に能力がないと思い込んだりすることで
「自信がない」という状態になっている、ということです。
本書では、それをこのように表現しています。
~~~ここから本文より引用
戦争でなにもかも焼けてしまった日本では、
誰かが発明した1のものを10にしたり100にしたりする、
そういう「大量生産」をすることがみんなにとって
とても大事なことになりました。
日本人はひたすらコピーしてきたのです。
やがてうまくコピーしたこれらの会社は、
たくさんの人を雇ってくれるようになりました。
だから多くの人がこれらの会社のことを、
「一流企業」や「大企業」と呼ぶようになります。
そして「自分の子どもをここへ入れたい」と思うようになります。
なぜならば安定して、楽をして、お金をもらえることを期待するからです。
(中略)
日本のメーカーはコピー商品ばかり作っていますが、
アップルやダイソンという会社は「わけのわからんこと」
をやります。
でもだから、彼らは一番なんです。なにか違うと思いませんか。
世界がこの事実に気がつきました。
だから世界は今、考える人を探してます。
では、「考える人」とはどんな人でしょうか。
よっぽど偏差値の高い大学を出ているというのでしょうか。
全然関係ないですね。
実は今、世界が真剣に探しもとめているのは、
「やったことがないことをやりたがる人」です。
あきらめずに工夫をする人。
これだけでオッケーです。ぼくもそういう人と一緒に仕事がしたいです。
そういう人はいったいどこにいるんでしょうか。
それは、みなさんですね。
誰だって、必ず「子どもの頃」を経験するからです。
子どもの頃は、とにかく「やったことがないこと」をやりたかった。
ボタンがあったら押してみたい。ハンドルがあったら回してみたい。
ドアあったらあけてみたい。そして「余計なことすんな」って
怒られていたはずなんです。
誰もが同じです。
生まれたときからあきらめ方を知っている人間なんて、
この世にひとりもいません。
~~~ここまで本文から引用
とても平易な言葉で、
日本の産業の昭和史と今の現状と
これからどうしていくのか?
が語られています。
そして、本文では、何度も、
「本を読むこと」の大切さが説かれています。
本を読むことで、あきらめない方法を学ぶと。
いいですね。
20歳のための本屋をスタートさせる僕には、
最高の1冊となりました。
「空想教室」のような、
「売らなければならない1冊」を
20歳に、そして人生の成人式を迎えている多くの人に
届けたいと思います。
2016年、20歳のための本屋をつくります。
コンセプトは、「成人式期間」(仮)。
20歳になっただけで、成人するはずがありません。
問いを持ち、考えること、そしてやってみて、ふりかえるを繰り返し、
人は成人していくのではないでしょうか。
・アイデンティティ(自分観)
・世界観(歴史観を含む)
・仕事観
をひとりひとりが構築していけるような本屋をつくります。
そのための根本的な問いが、
「豊かさとは何か?」「幸せとは何か?」
を誰かの定義ではなく、自分なりに見つけ出すこと。
その問いの入り口を
本屋がつくっていきたいと思っています。
「人に会う」「本を読む」「旅に出る」
そして、これらを踏まえて、
「やってみる」「ふりかえる」そして「仲間を得る」
そんなプラットフォームに、本屋はなれるのではないかと思うのです。
2016年もよろしくお願いいたします。
Posted by ニシダタクジ at 07:16│Comments(0)
│本
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