2016年06月26日
しんがりのリーダーシップ
「下り坂をそろそろと下る」(平田オリザ 講談社現代新書)
1章ずつ全部面白い。
ゆっくりとかみしめながら読み進めたい1冊。
第4章 復興への道
宮澤賢治の雨ニモ負ケズを引用して
日照リノ時ハ涙ヲ流シ、寒サノ夏ハオロオロ歩キ
のほうが大切なのではないか、と説く。
あれだけの事故が起こった以上、
オロオロするというのが大切なのではないかと。
そして、
鷲田清一さんの言葉を借りて、
「しんがりのリーダーシップ」を説明する。
~~~ここから一部引用
これからの日本と日本社会は、下り坂を、
心を引き締めながら下りていかなければならない。
そのときに必要なのは、
人をぐいぐいと引っ張っていくリーダーシップだけではなく、
「けが人はいないか」
「逃げ遅れたものはいないか」
あるいは
「忘れ物はないか」と見て回ってくれる、
そのようなリーダーも求められるのではあるまいか。
滑りやすい下り坂を下りて行くのに
絶対的な安心はない。
オロオロと、不安の時を共に過ごしてくれるリーダーシップが
必要なのではないか。
~~~ここまで一部引用
なるほどなあ。
もしかしたら、コーディネーターって
そういう人のことなのかもしれないなと思った。
「しんがりのリーダーシップ」をとれる人。
リーダーに万が一のときは、
リーダーに代わって、指揮を執る。
鷲田さんは震災後の大阪大学卒業式で
以下のように述べた
請われれば 一差し舞える 人物になれ
Posted by ニシダタクジ at 07:37│Comments(0)
│本
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