2016年09月30日
ビジョン以外は全てアウトソースできる
「リーダーシップでいちばん大切なこと」(酒井譲 日本能率マネジメントセンター)
「リーダーシップ」に迷える大学生の
参考になればと思って読んでみました。
いいですね。
冒頭から「リーダーシップとはなにか?」ですよ。
こういうそもそも論は好き。
リーダーシップとは、一般に、
「価値観を示し、人を巻き込む力」のこと。
著者は、
経営学の文脈の中では、特に後者が重要視され、
組織の効率的な運用(つまるところ利益のあげかた)
のための業績にこだわるリーダーシップが研究されてきた。
しかし、重要なのは、本来前者であり、
人間である以上は、価値観を示すことが重要であると、
そしてその価値観とは、4段階に分けられ、
(価値観のピラミッド)
それは上位から
1 美醜
2 善悪
3 損得
4 快・不快
となり、下の2つは動物の価値観で、
上の2つこそが人間らしい価値観である。
そして私たちが誰かのリーダーシップを強く感じるのは、
決まって上位の価値観(善悪と美醜)が下位の価値観(損得と快・不快)
に優先されるときなのだと。
なるほどな~。
たしかに、いま、問われているのは、
個人の美学、つまり美しいとは何か?
だと思う。
そして、表題のこのドラッカーの言葉。
「ビジョン以外は全てアウトソースできる」
~~~ここから一部引用
戦後の日本人は、
本来はアウトソースしてはいけない自らのビジョン(=価値観)
を企業や官庁という「自分ではないもの」にアウトソースしてきました。
日本における戦後の驚異的な復興は、
こうした「人間ハック(裏ワザ)」が
あればこそ成立したのですから、
一概にこれを否定することはできません。
ですがそこに功罪があったのは明らかだと思います。
~~~ここまで一部引用
このあと、学習とはなにか?
と定義されて、
「学習(Learning)とは、人や組織が、様々な経験をとおして、自らの行動の基準や、行動の前提となる「理論」を変更したり修正したりすること」です。
なるほど。
その際に、シングル・ループ学習とダブル・ループ学習があり、
ダブル・ループ学習とは、問題解決、改善だけではなく、
問題が発生する背景=そもそも論から考える、という学習がある
とのことだった。
なるほど。
地域で学ぶ「学習」とは、きっとそういうことの
繰り返しなのだろうな、と。
僕が大学時代にテーマにしていた
環境問題もまさに掘っていくとそういうことだったのかもしれない。
結論から言えば、
自分で考えて行動する起業家型人材を増やすこと
が環境問題の解決になるというか、
そもそも、環境問題の解決よりも、人が幸せに生きるほうが
大切なのだからそのためにこそ、
ひとりひとりが考えるということが大切なのだなあと。
うんうん。
学びの多い1冊でした。
もうちょっと読もう。
Posted by ニシダタクジ at 04:56│Comments(0)
│本
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