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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2016年11月10日

「何をやるか?」ではなく、「なぜやるのか?」

「何をやるか?」ではなく、「なぜやるのか?」
「まだ会社にいるの?」(山口揚平 大和書房)

山口さんの本って読みやすい。
文章が平易だし、
なによりも、世の中の切れ味が素敵。

他の本についてはこちらから
http://hero.niiblo.jp/e277800.html
(2013.8.17)

http://hero.niiblo.jp/e284920.html
(2013.9.23)

http://hero.niiblo.jp/e471864.html
(2015.8.19)

一番下の本にも書いてあるのだけど、
重要なことなので、ここでも引用する。

~~~ここから引用

今の会社は、一言で言えば、
「事業を土台とした共同体」です。

戦後に現在の日本を代表する企業が
生まれはじめたときは、会社は純粋に利潤を
追求する経済体でした。

しかし、高度経済成長のなかで、
事業を拡大し、国を豊かにしようとする過程で、
会社の内側にある種の一体感や「文化」が
生まれていきました。

その結果、社会に価値を提供して生まれる
「利潤」の追求ではなく、会社という「共同体」の
維持が目的となってしまうのです。

会社という組織は常に、
社会に向けた「遠心力(価値の提供)」と
会社内部への「求心力(組織の維持)」のバランスで
成り立っているのです。

そして、社会に対する遠心力を失った組織は、
外側への力を失い、必然的に内側へと縮こまって、
保身に走るのです。

企業は、近い将来
「価値観を共有する経済体」へと進化していく

「何をやるか?」が問題ではなく、
「どうあるべきか?」が会社のアイデンティティになる。

やっている内容(事業)はどんどん変化させていきつつ、
企業内での規律的な文化と価値観だけは一貫性を
維持することが求められているのです。

価値観という、一見曖昧で言語化しにくいものが
会社の中心的な軸になるのです。

この背景には、
産業の大きなパラダイムシフトがあります。

工業社会では、
「何をやるか?」が先に決められ、つぎに
「どうやるか?」に集中し、効率を高めていきます。

成熟した国の人が次に求めているものは、
「つながり」といった社会的欲求や、
心を満たす「物語」などの精神的充足、
そしてそれを叶えるサービスやシステムです。

もちろん、これからもモノは生産されます。
ですが、その多くは、機能として求められるのではなく、
これら社会的・精神的価値を満たすための「媒介物」
としての役割に過ぎません。

たとえば、野菜の有機栽培などは、
消費者に「安心」という感情を売っているという意味においては、
農業よりは保険業に近いのです。

「何をするか?(事業・製品)」や
「どうやるか?(効率)」よりも、
「なぜやるのか?」「どうあるべきか?」
といった意味や価値観が、企業という組織の軸の中心となるのです。

10年度、僕たちは会社を選ぶときに、
ますます、「何をやっているか?」ではなく、
「何を考え、何を本当に大事にしているのか?」
をベースに決めるようになるでしょう。

また、そのような組織に進化できなかった会社は淘汰される運命にあるでしょう

「独立」とは、ひとりで食べていくことやその状態を指し、
「起業」とは、新しいビジネスを創ることです。

「今から20年後あるいは25年後に、組織のために働く者の半数は、
フルタイムどころか、いかなる雇用関係にもない人たちとなる。
特に高年者がそうなる」(P・F・ドラッカー 歴史の哲学)

総務省統計局によれば、
1960年、50年前には、約60%が
自営業者か家族従業者、つまり独立事業者、
つまり半数以上の人が独立して食べていた、ということです。

今では独立や起業というと、
選ばれた人や何か特殊なスキルが
ないとできないように思われていますが、
約50年前は、独立していることは極めて普通のことだったということです。

ここからわかることは、
独立とは、「向き・不向き」の問題ではなく、
誰でもできる単なるスキル・技術、そして姿勢の問題にすぎない
ということです。

~~~ここまで引用

前半部分は、「会社」を「個人」に置き換えてもいいなあと。

すべての会社は、
「価値観を共有する経営体」になっていく。

いや、そうでなければ、支持されない。

これはホントにその通りだと思う。

そして後半は、
まさに、大学生や20代が心に留めておく
必要がある「独立」のこと。

「会社員」という生き方が
スタンダードになったのは、
わずかこの50年に過ぎない。

そしてそもそも、自らを「会社=経営体」として
経営していくという精神をもって、人生を歩んでいくことが
求められている。

「就職」とは、
「経営体」(企業)と「経営体」(個人)
との一時的な契約関係に過ぎない。

そんな風に思った。

これを読んであらためて
大学時代に、経営の本を読んでおくって大切だなと。

田坂広志さんの
仕事の5つの報酬とか。

1 マネーリターン:働いた対価としてお金をもらう。
2 ナレッジリターン:業界の知識、働くときの知恵、経験を得る。
3 リレーションリターン:間関係、人脈が将来役立つ可能性がある。
4 ブランドリターン:個人がひとつのブランドとして、どんな仕事をしてきたか?のひとつになる。
5 グロースリターン:人間としての成長が得られる。

こういう視点を持って、
プロジェクトやその他の活動を
考えてみるのもとても大切だなあと。

「独立」するということ、
そして組織は、価値観を共有する共同体
になっていくということ。

これを大学時代から始めないとね。

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Posted by ニシダタクジ at 08:08│Comments(0)
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