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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2016年12月10日

外でも上でもない、第3の道

外でも上でもない、第3の道
「そして、暮らしは共同体になる。」(佐々木俊尚 アノニマ・スタジオ)

アノニマ・スタジオ、いい本出すなあ。

最後に書いてある
「アノニマ・スタジオは」
っていう文章が素敵すぎた。

遠くに住む友人から届いた手紙のように、
何度も手に取って読み返したくなるような本。

いいなあ。
そういう本。

この本も新しい時代への変化のエッセンスが詰まった1冊でした。

いま、第3章を終えたところですが、
これは面白いなあと。

戦後、というか明治維新以来の劇的な変化が
起こっているように感じる現在。
人と人の「関係性」も大きく変化している。

この本を象徴するようなことが第3章の終わりに書いてあったので引用します。

~~~ここから引用

カウンターカルチャーでは、
たがいにつながることよりも、
反逆し、アウトサイドへ逃げることのほうがクールだと
考えられてきました。「外へ、外へ」

そういう願望が多くの人々のこころをくすぐったのです。
それはマスカルチャーの「お金持ちになりたい」「成功したい」
という「上へ、上へ」という願望とセットになって、
われわれの戦後社会を構成してきたといえるでしょう。

中央へ向かう中央集権的な引力と、
外部に向かう反逆クール的な引力があって、
社会はそこにとどまっていたのです。

しかし、近代が終わったいまとなっては、
「上へ、上へ」はほとんど実現不可能な幻想の
アメリカンドリームとなってきている。
もはや可用性は低いのです。

「内部の堅固さ」が崩壊していけば、
「外へ、外へ」の有効性も失われていきます。

つまりは、
「上へ、上へ」という中央集権志向と、
「外へ、外へ」という反逆クール志向は、
一見して真逆の方向に見えながら、
実は戦後社会という安定的なシステムに基づいていた
表裏一体の存在だったといえるでしょう。

しかし、これらはいずれももう有効ではありません。

新しい21世紀の時代状況の中で、
新しいネットワークの重要性が増し、
いってみれば「横へ、横へ」と
網の目のように人間関係を広げていく方向性が
求められているのだと思います。

これからの街や家には、
ふたたび共同体感覚が戻ってくる。
家というものが拡張子、街へとつながっていく。
そしてそこに、内と外を隔てないオープンな共同体が立ち上がってこようとしている。
私たちの社会は、そういうとば口に立っているのかもしれません。

~~~ここまで引用

なるほどな~、って。
これまで感じてきた「違和感」を言語化してくる本。
オーガニック原理主義とかそういうやつ。

「でなければならない」
とする人たちが苦手でした。

それは、「外へ」と向かうベクトルだったからなのかもしれません。

既存のシステムに
NOというのはいいのだけど、
いつの間にか、手段と目的が逆転して
NOと言うことが目的化してしまう危険。

これからは外へ、でも上へ、でもない
第3の道があるのだと思う。

それを佐々木さんは、
「横へ」と表現しているけど、
いろいろな方法があるのだろうな。

それこそ、無数に方法があるのだと思う。

コメタクも、
畑のある本屋も、

きっとそういうところに、向かっているのだなあと
ぼんやりとした自信が湧いてくる1冊でした。

12月24日(土)のツルハシブックスin飯塚商店にはこの本を売ります。
予約を受け付けています。

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Posted by ニシダタクジ at 08:13│Comments(0)
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