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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2017年01月24日

何を考えているか分からないと、もう一度会いたくなる

何を考えているか分からないと、もう一度会いたくなる
「ビジネスに『戦略』なんていらない」(平川克美 洋泉社)
10年前の本(2008年初版)。

冒頭から
「現在」の絶えざる手段化こそビジネスの本来の面白さを殺ぐ原因。
と始まる1冊。

よくぞこのタイミングで。
と思ってしまった。
ツルハシブックスが劇場である理由。

いやあ、読書って面白いですね。
シビれるフレーズだらけで
倒れそうになりました。

ビジネスとは、高度な非言語的コミュニケーション。
つまり、「恋愛」に似ているなあと。

これを読んだ上で、
川上徹也さんの「モテる会社」とかを
読むと、なおそう思うのかもしれませんね。

そしてお店とは、
やっぱり劇場なんだと。

そうなると本屋とは、
顧客とお店が「恋愛」劇を演じる
空間なのだなあと。

そんな風に実感しました。
もうちょっとちゃんと時間をとって、
考えたいのだけど、ひとまず読み終えたので、
何か書いておきたい。

最後に内田樹さんとの対話が収録されているのだけど
特にそこのところから非常にインスパイアされました。

~~~ここから一部引用

人間がビジネスを選ぶのではなく、ビジネスする動物が人間である。

言葉を持つ、火を使う、墓を持つということと同様に、
人間を他の動物と隔てる条件のひとつが交換するということであり、
それこそがビジネスの起源的な場所であるということです。

外部インセンティブ論がかえって根源的、本質的な面白さを
隠蔽するように機能していると言えるのではないでしょうか。
本来、人は意味や目的のために働くのではないのに、
意味や目的によって働いているように見えるわけです。

ビジネスは面白いわけでもつらいわけでもなく、
わたしたちとともにそこにあるもの。

もしビジネスに面白さを見出すとすれば、
それは自己の現実と自己の欲望との関係の中にあるのではなく、
そういった欲望の劇や商品に値づけをして
販売するという社会的な行動プロセスの背後に
非言語コミュニケーションが行われているところから来るのだろうと思います。

つまり、ビジネスが提供する
人と人との関係性の面白さに起因しているということなのです。

個人はここでは業務遂行的な課題と
自己確認的な課題に引き裂かれたような関係にあります。
この引き裂かれた関係こそが仕事の面白さの源泉であり、
エネルギーを生み出す源泉であると言えるのです。

自分の演じているキャラと自分の個性との落差の不断の交換プロセスが、
ひとりの個人のあいだで生起しており、同時に他者との間においても行われている。

コミュニケーションが発生する最初の条件は、最初の贈与であると考えています。

今、ここで行われているコミュニケーションはうまくいっているのか、
を問うべきだろうと思います。

ビジネスとはモノやサービスを媒介とした高度な非言語的なコミュニケーション。

会社が蓄積するのはお金ですが、そのお金が含意しているものが
顧客の満足や信用である限り、会社は持続的成長というものを保証されるのです。

要するに、僕たちがいるのは暫定的な場にすぎない。

ああ、私はこういう氷山の一部だったのか。

ぼくたちはひとりひとりが大きな流れ、
巨大なシステムの中の一部分であり、その中で限定的な役割を期待されています。

サーリンズは、人々は適切な等価交換が行われたように思われないときに、
「もう一度であわなければならないと感じてしまう」と書いています。
そして、それが沈黙交易の原動力である、と。

ユニクロがフリースを二千万着売ったのは、割安感ではなく、
どうしてこんなに安いのか、その合理的理由がわからないという、
考量不可能性がもう一度ユニクロに行かねば、
という消費者サイドの焦燥感に点火したのではなかったか。

何を考えているかわからない、とどうなるでしょう?
正解はサーリンズが教えてくれたとおりです。
もう一度会わずにはいられないと思うようになるのです。

信用とは、繰り返しのことである。

些末な理由ではその定期的訪問をやめないということが老舗の信用ということ

そして、その繰り返される訪問を動機づけるのは、
何度訪れても、そこでなされていることの意味や、
そこが提供する商品価格の積算根拠がよくわからない。
という不可知性だと思うんです。

値段だけじゃなくて、どうしてこんな商品を作り続けているのか、
どうしてそんな会社をやっているのか、
その動機が功利的な計算だけではどうしても考量しきれない。

ぼくたちは常に世界に絶対的に遅れて到来します。

~~~ここまで一部引用

いや、またすごく引用しちゃった。
読んだ人買ってください。(笑)

一番のところはタイトルにも書いたけど
何を考えているか分からないともう一度会いたくなる。

やっぱり「恋愛」と「ビジネス」は似ています。
というか、恋愛のようにビジネスしなくちゃね。

さてと。
不可思議な劇場を、もうひとつ、つくりましょうかね。

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Posted by ニシダタクジ at 09:33│Comments(0)
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