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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2017年05月03日

何かをつくることが建築ではないのかもしれない

言葉にすることで、失われるものがあると思う。

言葉がさらに「常識」という共通言語になることで、
失われる選択肢が、可能性があると思う。

坂口恭平「0円ハウス0円生活」(大和書房 河出文庫で文庫化)


読み直してみると、
いろんな常識に問いを投げかける
「アート」な1冊。
ラストが熱くてシビれた。

まずは、「秘密基地」について。

~~~ここから引用

以前、ある子供に、
「秘密基地に連れていって」
とお願いしたところ、その小学校1年生の男の子は、
「酒屋さんの裏庭」を指差して、
「あそこが秘密基地」と教えてくれた。

しかし、どこからどう見てもお酒を入れるプラスティックケースが
積み重ねられたものしか見えなかった。

「どこが秘密基地なの?」
と聞くと、「あそこだよ」と言って、
お酒のケースが重なっているところを指差している。
そこで隠れたりするのだそうだ。

つまり、ぼくにはただケースが重なっている
酒屋さんの裏庭にしか見えないものが、
子供たちにとっては秘密基地になっているのである。

何かをつくることが建築ではないのかもしれない。
そこを自分の場所と感じられたら、
それはもう、まぎれもない「建築」なのではないかと思った。

この大阪の暖炉付きの路上の部屋も
その考えと一緒である。

そして、これは未来の家、建築の考え方を
示唆しているのかもしれない。
実際の建築がない生活。

しかし、そこにはたくさんのことを感じられる空間が
転がっており、僕たちはそれを利用することで、
世界中ほとんどを自分の家のような感覚で捉えて
生活することが可能になる。

そんな夢のようなことができるかもしれない。
と、僕は考える。

~~~ここまで引用

なるほど。
これは以前のイベントで感じた
「サードプレイス」論に近い。

中高生にサードプレイスを提供することはできない。
「サードプレイス」とは、彼らの主観だからだ。

そして、スターバックスコーヒーが
「私たちは、サードプレイスを提供している」
と言った瞬間に、

私たちはカフェのようなものが
「サードプレイス」ではないかと
考えてしまう。

アマゾン河流域に住む少数民族「ピダハン」は
言語がものすごく少ないことで知られている。

驚くべきことに左右も、数も、色の概念もない。
それはひとえに、
「今を生きている」からであるという。

左はたとえば、
「川の水が流れてくるほう」であり、
右は
「川の水が流れていくほう」になる。

いま、この瞬間、目の前の人とのためにしか、
言葉は存在しない。

そう考えると、
僕たちは、言葉にすることで失っているものがあるのではないか、
という気がする。

「東京0円ハウス0円生活」のラスト、
坂口さんが取材をした鈴木さんとの出会いを語る。

▽▽▽ここから引用

これまでの僕は、現在の建築というものに対しての
アンチテーゼとして、0円ハウスや鈴木さんの生活、
様々な非専門家による建築物や作品を捉えてきたところもあった。

しかし、今はもう全く違う。
鈴木さんと話しながら僕は彼の生活が
あまりにも本質的で正直だと思ったのだ。

それはアンチテーゼでも一風変わった生活でも
なかったのだ。
鈴木さんにしかできない、鈴木さんによる1つの確かな生活である。
そこを僕はきちんと考えていきたいと思った。

すべての人の生活はそれぞれに違い、
それぞれに面白さがあり、
それぞれに等しく素晴らしいのである。
その考え方には僕自身も大いに励まされることがあった。

「自分で考え、自分で作る」

生活、家、仕事、人間関係・・・。
鈴木さんの身の回りのあらゆることにこの思考が詰め込まれている。
そしてこれが、小学生の時に僕がなりたいと思っていた
建築家の姿でもあった。

△△△ここまで引用

建築家とは、何を設計・建築するのだろうか?
「自分で考え、自分で作る」
それは単に家という構造物だけではないのかもしれない。

そして引用した小学生のように、
今ある世の中を、秘密基地に変えてしまうこともできる。

坂口恭平さんがこの本で示したようなマインド
これこそが必要なのではないかと僕は思う。

言葉にすることを急がず、
目の前に向き合い、感性を発動させて、
つくっていくこと。
それを繰り返すこと。

そうやって、「自分の暮らし」や
西村佳哲さんのいうような「自分の仕事」が
できていく。

何かをつくることが建築ではないのかもしれない。

そんな出発点から、
暮らしや仕事や人生を
考えてみるゴールデンウィークも悪くない。

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Posted by ニシダタクジ at 07:19│Comments(0)
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