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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2017年05月25日

チームという生命体

チームという生命体
「わたしのはたらき」(西村佳哲 弘文堂)

年明けからつづく、
西村さんキャンペーン、ついに6冊目。
「自分の仕事を考える3日間」シリーズのラスト。

皆川明さんのところでシビれまくった。

ミナ ペルホネンという洋服ブランドを展開する皆川さん。
もともとは陸上競技ひとすじで体育大に行くはずだったのが
インターハイで大きな骨折をして選手生命を絶たれる。

体育と美術しか能がないと思っていた皆川さんは、
高校を卒業して、何か月かアルバイトして、
そのお金でヨーロッパに行ってみた。

最後にパリについたら、ちょうどパリコレを
やっていて、たまたま出会った日本の某ブランドの人に
「手伝わないか?」と言われて仕事をはじめる。

すごい。
そんなふうに始まるのだね、仕事って。

ということで
~~~以下メモ~~~

不器用だと飽きずにその仕事ができるんじゃないかなと。
できる感覚がすぐ芽生えてしまわないことで、
逆に一生できるかもしれないと。
それで、「この仕事に決めた!」と思ってしまったんです。

最初の生地のところから一貫して洋服をつくることを
ひとりでやってみようと思ったのがミナの始まりでした。

アルバイトをしながら洋服づくりの仕事もできるんじゃないか。
で「お金はいいので教えてください」と染屋さんや機屋さんにお願いして。

魚市場で冷凍マグロをさばく仕事を始めたんです。
ミナの仕事の基本的な考え方はその魚市場で形成された
と思っています。

あと大事にしたいと思ってやってきたのは、
経済効率を優先させないことです。
ファッション業界全体は良くも悪くも合理化されていて、
モノの完成度より物流と経済性の方が優先されている。

でも洋服を換金して利益を生もうと思ったわけでもなくて、
洋服そのものをつくってみたいという気持ちで始めたわけです。
そこがブレてしまうと、この職業を自分が選んでいる意味がなくなる。

目上のクリエイターが「自己満足じゃだめなんだよ、君」と言う。
若い頃それを聞いて、「自己満足がなかったらダメじゃん」と思ったんですよね。
「自己満足のないものを世の中に発表するのは、不誠実なんじゃないの?」と。

「“やめない”ことだけ決めて、始めてみよう」

鈴木大地という水泳選手を覚えていますか?
あの人が金メダル獲った時のバサロスタートが
僕は目に焼き付いていて。
自分もバサロだと。

貨幣価値とともに、働いている人の精神的な満足も生み出したい。

つづいていくなら、自分がやぅていなくてもいいんです。
始めた時は自分自身に近かったものが、
いまは一つのフィロソフィー(哲学)を軸にした生命体のようになっていて、
そこに僕も属して役割としてデザインや経営的な判断を担っている。
そんな状態なんです。

間違えて、「ミナに入った頃は」と言っちゃう時があって。
「別の方が始めたんですか?」と訊かれたり。(笑)

服は考えが社会と接した結果です。
だから一つのモノや一人のクリエイターの素晴らしさより、
それを生み続けるベクトルというか、生命体の方にすごく興味があるんですね。

ブランドの個性は各時代のチームごとに違っていい。
社会と連動しながらやっていけばいいと思うんです。
けど、つくる姿勢や考え方。

モノはこのようにつくり、互いに満足感のある働きをして、
形にした価値が人の生活の中できちんと機能して、それが社会の潤いにもなる。
そういうものをデザインしていこうという姿勢は、
変えずに積み重ねてゆけるものだと思う。

「100年間つづくブランドの最初の30年を受け持つんだ」、
と考えれば、やることは明確です。
「準備が仕事なんだ」と思えれば、役割がハッキリするし、腰も据わる。

100年近く経つと、それがようやくフィロソフィーとして
揺るがない形になる気がする。
それは、「リレーしてみたいな」と思うんです。

バトンゾーンってわかりますか?
そこでは渡す側も、もらう側もトップスピードで走る。
僕もあと数年すると、そんなバトンゾーンに入ると思っています。
トップスピードに入って、次のクリエイターも加速し始めて。

そしてバトンを渡すときには、「もう楽勝」みたいな表情で
次の人に感情もタッチしないといけない。「もうヘトヘトです」じゃなくて。
姿が見えるくらいの頃から、「ノリノリです。あなたもイケます!」みたいな感じで渡す。
それがどんどん継続していくようにしたい、と思っているんです。

~~~以上メモ~~~

うわあ、いいなあ。
チームという生命体。
それは人が変わっても続いていく。

この前「資本主義を語る」(岩井克人 ちくま学芸文庫)で
読んだ、日本的な「法人」の考え方に近い。

そしてなにより、ココ
「でも洋服を換金して利益を生もうと思ったわけでもなくて、
洋服そのものをつくってみたいという気持ちで始めたわけです。
そこがブレてしまうと、この職業を自分が選んでいる意味がなくなる。」

ツルハシブックスを経営的に成り立たせようと思って、
試算をしたことがある。

ジュンク堂並みに売れればいい。
と。

ジュンク堂の売り上げを坪数で割って、
さらに営業時間で割って、
それに自分の店の営業時間と坪数をかける。

そうすると、坪・時間あたりの
目指すべき売上の数値が出る。

試算してみたら、ツルハシブックスは、
1000円の本を10秒に1冊売らなければならなかった。

それはツルハシブックスじゃない。
って思った。

僕がやりたかった本屋じゃない。
10秒に1冊本を売るような店では、
人と話をすることができない。

ツルハシブックスやハックツという何か。
それが生命体として続いていくような、
あるいはコメタクもきっとそんな感じだ。

ああ、こういう話、吉野さくらちゃんと話したい。

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Posted by ニシダタクジ at 08:54│Comments(0)
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