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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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オーナーへメッセージ

2017年12月11日

瓶の中に紙切れを入れ、封をして海に流すことだけ

「暗やみ本屋ハックツ」の
2017年度振り返り+忘年会でした。

サンクチュアリ出版副社長の金子さんと
ブックスタマの社長の加藤さんと
トーハンの水井さんと僕の
おじさん4人ではじまったプロジェクト。

上石神井の本屋「ブックスタマ」(現在は閉店)
の会議室を拠点に、2015年3月に活動を開始。

4月にクラウドファンディング。
6月から工事を行い、9月にオープンした。



代表は宮本明里さん。
新潟・ツルハシブックスの地下にあった
「地下古本コーナーHAKKUTSU」の東京版。

プロジェクト名(店名)を
「暗やみ本屋ハックツ」とした。
月に1度だけオープンする古本屋さん。

いちばん議論したのは、
20代までにするか、思い切って10代限定にするか。

もともと、
ハックツには、
「10代(特に中高生)に本を読んでほしい」という思いが詰まっていた。

だから、
価格設定は20代300円、10代200円、中高生は100円だった
(つまり、小学生は200円)

思い切って10代に絞った。
コンセプトは、「10代に本を通じて、手紙を届ける」

手紙とは、手書きのメッセージと本そのもの。
10代に読んでほしい本をメッセージと共に、
暗やみ本屋に託す。

10代がやってきて、
懐中電灯を頼りに、1冊の本を探す。
目の前に飛び込んでくる手書きのメッセージ。

ピンと来た本を買う。
そういう仕組みだ。

そして、もうひとつ、
本の集め方。

通称「10代に贈りたい本」寄贈本読書会
っていうのを毎回営業後の空間で行い、
商店街で買い出ししてきたごはんをみんなで食べた。


この「10代に向けて」っていうのが、
普通の読書会(あまり出たことないけど)

オープンマインドを作るために
有効なツールであることを知った。

僕は、知らない本を説明されても、
あまり心が動かないのだけど
(特にファンタジーやSFはイメージが湧かない)

なぜ10代に贈りたいのか?

っていうテーマだと、
その人自身のストーリーが語られるので、
聞いていて面白いのだ。

そして昨日、
2017年のふりかえりと今後の展望ミーティング


2017年は「暗やみ本屋ハックツ」にとっては
大きな動きの年となった。

ブックスタマ上石神井店の閉店に伴い、
場所そのものが使えなくなったのだ。

移転先を探していた時に、
ハックツのチラシを置かせてもらっていた
cafe30の店主さんが、
「月に1度、使っていいですよ。」と言ってくれ、
春からそちらを会場に開催していた。

そして、代表の宮本さんが転勤となり、
2015年当初は大学生だった原さんにバトンタッチ。

そして、この秋、
cafe30がビルの建て替えのため、
使えなくなり。

先月は雑司ヶ谷イベントに出店、
来年3月には、関町図書館とコラボイベントをすることになっている。

そこで、
特に練馬区近郊に地縁のある方に、おたずねします。

・月に1度、「暗やみ本屋ハックツ」を開催させてくれる場所
(1回限りの開催でもありがたいです)
・ハックツ用の本やノボリなどを保管させてくれる場所

を探しています。

現在、中学生高校生スタッフが活躍しているので、
上石神井近辺より自転車でいける場所を探しています。

もし、心当たりのある方は、西田までご一報ください。

2017年度振り返りでは、

「固定の活動する場所がほしい」

っていう声が出た。
たしかにそうだ。

そこに行けば、という場所があることは、
活動にとってとても大切だ。

一方で、場所がないことで、
いろんな場に出ていくことができる。

スタッフにとっては、
ミーティングなどをしたりする場所が
心のよりどころになったりする。

また、寄贈本を集める時も、
その場所で読書会を開催できれば
その場所に置いておけるが、違う場所であれば
保管場所まで運ばなければならない。

一方お客である10代にとってはどうだろうか。

固定の場所に集まってくる中高生がいる。

同じ場所で開催することで
徐々に心を開き、中高生がスタッフと談笑する姿を
何度も見てきた。

しかし、本質的には、
「暗やみ本屋ハックツ」の活動は、
「機会提供」である。

その日、偶然にも、
暗やみで、本を見つけ、購入して、読んでみた。

その日、偶然にも、
店番をしていたスタッフのお兄さんと話をしてみた。

そんな機会の提供であり、
その結果、10代がどうなるか?は
第一義ではない。

「機会提供」そのものに価値があると僕は思っている。

だからいつも、取材のときは困った。
「ハックツした若者にどうなって欲しいですか?」

別にどうなってもほしくない。

ただ、本との出会い、人との出会いを提供したい。
それがすべてだ。
そんなことをミーティングで確認した。

話はその8時間前にさかのぼる。



僕はハックツの荷物の運び出し向かっている電車の中で、
1冊の本を読み終えようとしていた。


「断片的なものの社会学」(岸政彦 朝日出版社)

この一節がとっても素晴らしくタイムリーだったので、
少し引用したい。

~~~ここから引用

何も特別な価値のない自分というものと、
ずっと付き合って生きていかなければならないのである。

かけがえのない自分、というきれいごとを歌った歌よりも、
くだらない自分というものと何とか折り合いをつけなければならないよ、
それが人生だよ、という歌がもしあれば、ぜひ聞いてみたい。

ただ、私たちの人生がくだらないからこそ、できることがある

賭けに勝ったとき手に入れるのは、「何ものかになれた人生」である。
そして負けたときに差し出すのは、「何ものにもなれなかった人生」そのものである。

もしこのとき、人生そのものが、とてつもなく素晴らしい、
このうえなく価値のある、ほんとうにかけがえのないものだったら、どうなるだろう。
誰もそれを、自ら捨てようとはしないだろう。

さて、「天才」がたくさん生まれる社会とは、どのような社会だろうか。
それは、自らの人生を差し出すものがとてつもなく多い社会である。

神ではない私たちは、それぞれ、
狭く不完全な自分という檻に閉じ込められた
断片的な存在でしかない。

そして、私たちは小さな断片だからこそ、
自分が思う正しさを述べる「権利」がある。
それはどこか「祈り」にも似ている。

その正しさが届くかどうかは自分で決めることができない。

私たちにできることは、
瓶の中に紙切れをいれ、
封をして海に流すことだけだ。

それがどこの誰に届くか、
そもそも誰にも届かないのかを
自分ではどうすることもできない。

~~~ここまで引用

いいな、この本。

ハックツの活動に無理無理キレイにつなげようと
するならば、

「10代の誰かのために」
差し出された1冊の本は、

その人の人生の一端であり、
その人の祈りであり、「正しさ」でもある。
(僕は「正しさ」よりは「美しさ」っていう言葉を使いたいけど)

私たちにできることは、
瓶の中に紙切れをいれ、
封をして海に流すことだけだ。

そうそう。
ハックツっていうのは、そういう活動だし、
そこに共感した人たちが集まってきている。

実は、世の中という大海原には、
たくさんの紙切れの入った瓶が漂っている。

それにどう気づくか、
それをどのように拾うか。
どうやって開けるのか。

そんなことをデザインしていくこと。
ハックツに課せられた問いは、きっと、そういうことなのだろう。

暗やみ本屋ハックツのみなさん、
1年間、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。



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Posted by ニシダタクジ at 08:33│Comments(0)思い
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