プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



新潟市西区内野町431-2
TEL 025-261-3188

平日12:00~19:00
土曜 7:00~21:00
日祝10:00~19:00
*火・水曜定休





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オーナーへメッセージ

2018年01月15日

「ベクトル感」を感じる

福島・白河
コミュニティ・カフェ EMANON

NO NAME
「名もなき」
を逆にして、EMANON
エマノン。

素敵なセンスだなあ。

昨日は
オーナーの青砥和希さんと
青砥さんの妹でシェフの青砥侑紀さんに
ロングインタビューをしてきました。



青砥兄妹と。


青砥侑紀さん。

おもしろい。
11月に初めて会った時から、
この人、すごいなって直感して、
「インタビューに来ます」って言ったので
それを果たしに来ました。

侑紀さんは大学を休学中で
2年前のエマノンのオープンした直後から参画。

子どもの頃は絵を描いていて、
マンガ家やイラストレーターに
なりたかったのだという。

ところが、中2の時に
妹が同じように絵を描くようになって
そのほうが上手に見えたので、
やめようと。
で、料理の方向へ。

子どものころから、
母の仕事の帰りが遅いことが多かったので
家族の食事を小学校6年生の頃からつくっていたという。

そんな侑紀さんがお菓子作りをしようと思ったのは、
妹がつくるクッキーがあまりにも
おいしくなかったので、
「そんなわけねーだろ。ちょっと作らせろ。」
ってレシピを見ながら作ったのが最初だった。

人に食べてもらうなら
クオリティの高いものをつくる。

これはきっと侑紀さんの美学なのだろう。

バレンタインデーのいわゆる「友チョコ」として、
チョコを溶かして固めただけのお菓子を配っている
学校の友達の感覚が理解できなかったという。

そう言えば、和希さんも、似たようなところがある。

カフェをできるだけDIYでつくる、
ということにしたけど、
ベースになるようなところは、
プロにお願いした。

和希さんが言うには、
「みんなでやる」っていってよくないものが
出来上がるくらいなら、プロフェッショナルに頼んだほうがいい。

「みんなでやる」ことそのものに
重きを置きすぎない。

兄妹の美学が少し似ているなと思った。

高校に進学した侑紀さんが、
部活代わりにやっていたこと。

それは
「女子高生×白河ラーメン 制服食べ歩きスタンプラリー」
だった。(仮 笑)

バスと徒歩を駆使して、
ラーメンマップに掲載されている全ての
ラーメン店に行くという謎の行動。

もうひとつが「プリン研究家」
お菓子屋やコンビニで発売されている
プリンを全種類食べつくす、というもの。
毎週火曜日の新商品の発売時には、
すべてのコンビニをハシゴする日々だった。

すごい。
徹底的にやる人だったのだ。

そんな日々侑紀さんが手に入れたもの。
それはなんと「家」だった。

白河で住む場所を探していたとき、
行きつけの蕎麦屋(女子高生が行きつけってすごい)
のマスターが、ココの3F、使っていいよ
って言ってくれた。

いまもその場所に住みながら、
エマノンに通っている。

高校3年のとき、料理の道に進むことを決意し、
料理の専門学校へ進学。

ところが、思っていたのと違い、つまらなかったのだという。
4月にはもう、何しに来たんだろうって思っていたのだという。
そんな侑紀さんに天気が訪れる。

フラッと目に入った
世田谷の家の近くのフランス料理店。
店に掲げられた青いユリの紋章にも惹かれた。

料理も見た目も味も素晴らしくよかった。
思わず、会計の時に言ってしまった。

「あの、ここでバイトしたいんですけど」
コワモテのシェフが答えた。
「わかった。明日から来い」
そこから始まる血のにじむような日々。

10年以上、店をひとりで切り盛りするシェフは
厳しかった。毎日のように怒鳴られていた。
黙っていると怖いので、毎日、
話すことを考え、メモしていったのだという。

3月、侑紀さんは専門学校をやめ、
店に集中することになる。
学校よりも店での日々を選んだのだった。

朝7時に来て、併設のパン屋さんのパンをつくり、
昼の仕込みをして、ランチ、
夜の仕込みをして、夜の営業。
家に帰るのは深夜1時くらいだった。

でも、やめなかった。
ひたすら続けた。
何かがあると思ったからだった。

侑紀さんは言った
「1度も同じまかないを食べたことがない。」

すごいな。
それ。やめるまで、
600日くらいは食べてるはずなのに、
一度も同じものを食べていない。

意外にシェフはツンデレで、
「お前にしかこの肉は食べさせないんだから」
とか言ってくるんだって。不器用だなあ。笑。

やめてから、受験勉強をして、大学生になったが、
1年目でどうも暮らしが合わずに、もやもやしていたところに、
兄に声をかけられ、2年間エマノンのシェフをしている。

エマノンにいると
本当に面白い人たちに会えるのだという。

エマノンは、2015年11月に動き出した。
最初は単なる空き家があるだけだった。

白河駅前に高校生も立ち寄れるような拠点を
つくりたいと考えた青砥和希さんは、
1枚のチラシをつくった。
それを高校の正門前で手配りした。

「はじめまして。これからはじめます」
的なチラシ。

第1回目のミーティングは
予定地を見せたあとに、市役所でミーティング。
15名くらいの高校生が集まった。

「困っていることを教えてほしい」と
高校生に聞いた。

クリップボードを使って、こういう感じで、遊び心をくすぐる。


そのときは、内装について、ではなく、
運営方針について、この方向性でいいのか、
を確認するための調査的な意味合いが強かった。

「工事手伝ってくれる人募集」で
高校生がやってきた。
「なんか面白そう」が動機だった。

2015年12月26日のオープニングパーティーにはたくさんの人が来たけど、
まだ全然工事は終わってなかった。

2016年3月4日に正式オープン。

高校生は会員登録すると
「自習室」的に使うことができる。

これは、無料で来てほしいという和希さんの思いと、
ある程度の緊張感を保つためにした仕組みだった。

登録のときに、
名前、連絡先などを記載してもらうし、
カードにも名前が書いてあり、
カードを毎回確認することで、
お店側は名前がわかるし、迷惑行為の防止になる。

靴を脱いで上がるスタイルは、
オイルを塗ったら、靴で上がるのが
もったいなくなったのと、
2Fも使ってもらいたかったので、
その流れをよくするためだった。


高校生向けのライター講座を行い、
フリーペーパーを発行した。

その時にはもう、初期のメンバーは、
誰かしらイベントにいるようになっていたので、
人を集めるのが楽になっていたという。

そっか。
もはや部活みたいになっていたんだな。

とまあ、エマノン兄妹のストーリーはこんな感じ。

今回、僕が聞いていて、出てきたキーワードは、
「ベクトル感」だった。

みんなでテーブルをつくるときは、
若手だが本物の家具職人を呼んだ。

まだ20代なので、
会社の中で自分の好きなようにはやれないが、
こういう場所での経験が生きてくる。

侑紀さんだってそうだ
「自分の店」という意味では初めてのことだ。
「やったことがない」
それが始める理由なんだ。

そして、ここからは僕の仮説なのだけど、
高校生にとって大切なのは、

「ベクトル感を感じること」
なのではないかと思う。

「ベクトル感」とは、
この人は、この方向に向かっているんだな
と感じること。

家具職人の若手職人にも
侑紀さんにも、それがあった。
もちろん、和希さんにも。

エマノンとは、
そういう「名もなき」若者が、
それぞれの方向へのベクトルを持ちながら、
実験的に何かをやってみる、という場所なのだ。

そしてそれが高校生にとって心地よい学びがあるのではないか。

あらためて、
「目標」の意義について考えさせられた。

学校で行われているキャリア教育は、
「到達点」を見せようとしていないだろうか?
「目標」を持たせるために。

「目標」は本当に必要なのだろうか?
方向性、つまり「ベクトル感」だけがあればいいのではないか。

「ようこそ先輩」に出てくるような
超一流のプロフェッショナルは、
到達点としてのスキルと、
これから進んでいくベクトル感を
両方持っている人なんじゃないか。
だから子どもは惹きつけられるのではないか。

目標より、
到達点より、
方向性、
ベクトル感を共感し、場を共有すること。

そういう場が高校生に必要なんじゃないのか?

そんな熱い問いをもらったインタビューになりました。

ひとまず、現場からは以上です。

最後に、侑紀さんがつくった自然薯のティラミスを。






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