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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2018年03月29日

地域に風を吹かせる男

地域に風を吹かせる男

鳥取砂丘。

高校3年の夏、鳥取大学農学部の遠山先生の本を
読んで、僕も砂漠を緑化したいと思って、
鳥取大学農学部を第一志望にして
受験勉強を開始しました。

地域に風を吹かせる男

地域に風を吹かせる男

憧れの鳥取大学農学部へ。

ランチは学生人材バンクの事務所から徒歩10分くらいの「更科」
の塩サバ重

地域に風を吹かせる男

地域に風を吹かせる男

未体験ゾーンに突入する味でした。

地域に風を吹かせる男

夜は惜しまれつつ閉店した「ホンバコ」でトークイベント。
タイトルは、僕らが学生を街に巻き込み続ける理由

中川玄洋さん(NPO法人学生人材バンク代表理事)が
15年ほど前に学生を農村部に送り込む的な活動から
始まった取り組みについて、話を聞いた。

出発点は、自分自身が
鳥取大学農学部時代にやっていた地域活動だった。

学生時代にバリバリ活動していた玄洋さんは、
地域のおっちゃんから、こんなことを言われる。

「ゲンちゃん卒業したら、こういうのって終わるよね?」

そう。
学生団体というのは、そんなふうになっている。

初代代表が卒業すると急速に衰退する。
2代目まで元気、3代目は初代代表を知らなかったり、
接点がなかったりするので、
急速に目的を失い、失速して4代目で消える。

ゲンちゃんは、そこに問題意識をもった。

地域の情報を学生に出し続けてはどうか。
ネット時代には、地域の学生も
タイムロス無しに情報を手に入れることができる。

その情報が信頼できるか否か。
自分自身がその毒見役になる。
そんな思いでスタートした。

それが、
2002年に始動し、学生を地域に送り続けている「農村16きっぷ」だ
http://nouson.wixsite.com/nouson16kippu

そんな事業を足掛かりに、
現在では、長期実践型インターンなど、
鳥取県内でさまざまなプロジェクトを仕掛けている。

参考」「NPO法人学生人材バンク」
https://www.jinzaibank.net/

すでに16年も活動している玄洋さんの活動の秘密に迫ってみることにする。

げんよーさんの学生団体マネジメントのコツ1「自然消滅を許さない」

ミーティングでは参加者、遅刻者を明記する。
「いい別れ方をしないと、その団体に戻ってこられないし、
ほかのところであった時に、気まずくなるから」
これ、すごく学生団体にとって大事だ。

大学生のモチベーションを保っていくこと。
活動するほうも活動をやめるほうも、
きっちりと参画し、きっちりとやめる。
途中でやめること自体は悪いことではない。

「決めた」ということだ。

今回、玄洋さんが鳥取でイベントやろうって
言ってくれたのは、僕のブログのこのところだった。

http://hero.niiblo.jp/e487085.html
「世の中には二種類のおじさんがいる」(18.3.6)

活動に始めるのもやめるのも、
「自分で決める」ということ。
そしてそれを表明すること。
「自然消滅」は許さない。

そうやって、「自分で考えて、自分で決める」
っていう人を育てているんだなと。

僕が思うに、
活動する学生のモチベーションは、
究極的には「学びがある」っていうことだと思う。
「学びたい」に応えてくれるプロジェクトを、「問い」を、必要としている。
その問いは答えがある問いより、ない問いのほうがいいのかもしれない。
そういう「問い」を設定することって大事だなと。

そして、もうひとつ。
げんよーさんの学生団体マネジメントのコツ2「居場所化させない」
学生にとってその団体、プロジェクトが「居場所」化してしまうと、新しいことが起こりにくくなる。
すると、「場」や「プロジェクト」を「消費する」存在となってしまう。
その反対側には「消費させられちゃう」学生がいる。

うわ。
これ、すごく共感だわ。
ツルハシブックス閉店のときに学んだこと。
「消費させられちゃう」のはやっぱりつらいもんね。

そういう現象を目にしたら、
玄洋さんは個別に対応して、
活動を離れさせたりするのだという。

さっきの「自然消滅」の話もそうだけど、
ミーティングの議事録をチェックして、
活動に参加していないな、っていう学生がいたら、
「最近どう?」って話を聞いてみるのだそう。

おいおい。
大学よりよっぽど学生をフォローしてるな、と。
玄洋さんには愛があるな、とすごく感じた。
後輩だからね、みんな。

さらに3つ目
げんよーさんの学生団体マネジメントのコツ3「学生の入れ替わりをデザインする」
大学生は、3,4年で入れ替わる。
そこをどう引き継いでいくか。

これはよく言われる「活動の継続性」という点では、
マイナスだが、プロジェクト的視点からすれば、
同じプロジェクトを違うメンバーで動かせるということなので、
そこに新鮮さと緊張感が生まれ、
地域にとってはプラスに作用することもある。

メンバーが入れ替わるということ。

それは、活動の目的、プロジェクトの目的を
問い直すいい機会となる。

「プロジェクト」の定義は
新たな価値を創出する有期性の業務のこと。
つまり、プロジェクトを設定するとは、
「顧客」「価値」「期限」を決めること。

おそらくはこれを少なくとも毎年、
可能なら半年、または3か月に1度、
メンバーで考えることが大切なのだろうと思った。
そういえば、ツルハシブックスの「店員サムライ」制度は
半年に1度、それをやっていたっけ。

最後に、質疑応答で出た質問への答えに、
僕は玄洋さんの魅力を見た。

Q「たとえば「泥団子づくり」のような、世間的には「価値がない」
と思われていることに熱中している子には、どう声をかけますか?

それに対して、玄洋さんは言った。

「なぜ、それが好きなのか?」と問いかける、と。
そして、その価値をメタ的に見ること。
すると、次のステップが見えてくるかもしれない、と。

玄洋さんの好奇心がその一言に集約されていた。
みんな、「可能性を引き出す」って難しく言うけど、
そんな大したことじゃないな、と。

「なぜ、それが好きなのか?」と問うことができる好奇心を持つこと。
意外に、それだけかも、と。

好奇心と愛にあふれた玄洋さんに触れて、
僕もなんだかとてもうれしい気持ちになった。

「地域に風を吹かせる男」

げんよーさんがネイティブアメリカンのホーリーネームを授かるとしたら、きっとこんな感じだ。
大学生が入り込む地域プロジェクトをデザインしてゆるくマネジメントしていく。
大学生そのものが「風」だ。

そして鳥取には、今日も風が吹いているし、明日も違う風が吹く。

またきますね、玄洋さん。

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Posted by ニシダタクジ at 07:48│Comments(0)
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