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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2019年01月17日

「本屋のオヤジ」のおせっかい


「奇跡の本屋をつくりたい」(久住邦晴・ミシマ社)

「くすみ書房」という伝説の本屋が札幌にあるって
いうのは知っていたんですが。。。

売れない文庫フェアや
「本屋のオヤジのおせっかい」フェア
のことも知っていたのですが。
2015年に閉店し、2017年に亡くなっていたとは。。。

昨日の夕方、ウチノ食堂藤蔵内の
APARTMENT BOOKSに
「かえるライブラリー」の隣で
出店している新刊書店の「BooKs 風見鶏」さんから
購入した「奇跡の本屋をつくりたい」

大人のホットチョコレート(名前変わった?)
を飲みながら読み始めたら止まらなくなって、
今朝、読み終わりました。

なんだろう。
このジーンと胸の奥が熱い感じ。
受け取ったタスキがてのひらの上に載っかってる感じ。

「本」キーワードにする者にとって、
「駅伝のタスキ」みたいな1冊だった。

久住さん、おれ、奇跡の本屋をつくります!
って宣言したくなるような、
そんな1冊。

「かえるライブラリー」を始める人、
「本」をキーワードに何かやりたい人は
手に取って読んでいただきたい1冊だ。

本書の中で、
久住さんの人柄を表す一節がある。
(中島孝志さんの解説の中に収録)

~~~ここから引用

「苦しくて、袋小路に入り込んだとき、
本を読むことで心の間口が広がったことが、
人生には何度もあった。
大きな海に出るような本との出会いを、
地域の大人として何とか応援したい」

~~~ここまで引用

2006年11月20日付の北海道新聞(札幌市内版)に取り上げられた
当時はいじめ自殺が頻発したことを受けて、久住さんが考えた
「本屋のオヤジのおせっかい 君たちを守りたい」という企画の記事。

久住さんは「本屋のオヤジ」だ。
「本屋のオヤジ」でしかない。
そして、できることは、
本を並べるという小さな「おせっかい」でしかない。

あまりにも無力だ。

でも、無力というのは、何もしないということではない。
本屋のオヤジというポジションで、小さな「おせっかい」をする。
それが久住さんの美しさだと思った。

「かえるライブラリー」や
「暗やみ本屋ハックツ」に本を託す。

その行為は本当に無力だ。
届くか届かないか分からない。
紙切れにメッセージを書いて、
ビンに入れて、海に流すようなものだ。

それを僕は、
「本屋のオヤジじゃなくても、できるような仕組みをつくりたい」
そう思っている。

暗やみ本屋ハックツの前身である
ツルハシブックスの地下古本コーナーHAKKUTSUのきっかけは、
2002年に不登校の中学3年生の男の子との出会いだった。

お母さんに家庭教師を頼まれたのだが、
ずいぶんとおとなしく、話をしない子で、
コミュニケーションが取れるか不安だった。

勉強は遅れに遅れていて、受験が迫っていたので、
毎日、家に来てもらうようになった。
(当時僕は一軒家にひとりで住んでいた)

すると、だんだんと彼の表情がやわらかくなり、
話をするようになってきたのだった。

不思議だった。
僕は当時、勤めていた地ビール屋さんを退職して、無職だった。

「どうして無職の兄ちゃんに、この子は心を開くんだ。
もっと立派な大人が周りにたくさんいるだろう」
そんな問いが生まれた。
いまでもその問いを考えている。

ハックツの仕組みは、その9年後の2011年に思いついた。
しかし、それを思い出したのは、ハックツがオープンして1年が過ぎ、
さまざまなメディアに取り上げられるようになってからだった。

「なぜ、このハックツをやろうと思ったのか?」

メディアは「なぜ?」が好きだ。ストーリーを知りたいから。

地下室があって、ドラクエ世代だった僕は、
地下には宝物があるって思っていたので、
宝探しをするような本屋ができないか、と思って。

と答えていたのだけど、あるとき、気が付いた。

「そういえば、僕、10年前に家庭教師していたとき、
地域のいろんな大人と中学生が出会える仕組みがあったらいいのにって思ってました」

つながった瞬間だった。

まあでも、それも、平たく言えば、
「本屋のオヤジのおせっかい」なんだなと思う。

「おせっかい」にあふれた本棚、素敵じゃないか。
そんな本棚をつくりたいと今も思う。

本屋は無力だ。

しかし、僕らはそこに思いを込めることができる。
手紙を託すことができる。

無力だけど美しいと僕は思う。

そんな行為に美しさを感じられる人たちと、
一緒に本棚をつくれたら、と強く思う。

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