2020年09月11日
もう出港しているんじゃけえ
「教育の島発! 高校魅力化&島の仕事図鑑」(大崎海星高校魅力化プロジェクト 学事出版)
やっと読み始めました。
最初から激アツな文章が続いて、朝からドキドキしています。
仕入れたいなあ、この本。
昨日の山形・新庄・最上ジモト大学を運営するとらいあさんが
主催する「学びの土壌づくり」のゲストにも登場していた
大崎海星高校魅力化推進コーディネーターの取釜さん。
取釜さんの一言一言に実践者としての重みを感じる。
ポイントは1~3年で取り組み「時代の航界士」となる「大崎上島学」と
島の大人たちを取材して冊子をつくる「島の仕事図鑑」だと。
~~~以下、イベントメモ
「地域と学校の連携」と、言葉で語るのはたやすいが、
それは1日1日の積み重ねの結果、ようやく実現するものだ。
「組織や行政はあとから付いてくる」
まずひとりが動き、そして地域が動く。
それから学校が変わり、行政が後追いしてくる。
「学校にとっての魅力化」と「地域にとっての魅力化」は
「生徒」「学校」「自分」「地域」の重要度が異なるが、重なる部分があり、
そこをやっていくこと。そのひとつが「島の仕事図鑑」だ、と。
そして、地域の人に対しては、
「(ゆくゆくは)地域にとってもプラスですよ」と語り続ける。
そして、目に見える成果物(印刷物など)を残していく。
始めるのはひとりの人だが、
続けていくには仕組みとかシステムにしていく必要がある。
⇒一般社団法人「まなびのみなと」設立
★どういう子を育てたいか?
⇒年々更新していってもいい。その更新システムがあることが大切。
高校生がプロジェクトに参加した時の
その日のリアルな声を積み重ねていく。
「協議会」⇔「分科会」
偉い人が入っている承認システムと役割ごとに動きが速い行動システムとの分業
★地域との接点:授業だけではなく授業外でも
・授業「大崎上島学」
・単発の「地域プロジェクト」(1~数か月)
・部活動「みりょくゆうびんきょく」
3パターンの地域との接点。
~~~ここまでメモ
取釜さんの話の後の参加者同士の対話の時間。
僕のキーワードは3つ
「講座」の終わり⇒誰かが何かを一方向的に教える「まなび方」は終わりに近づいている。
育てたい人物像⇒アップデートされ続ける。
「手段としての学び」から「機会としての学び」へ。
最後のはいつも言っていることだけども。
基本的には「対話」なんだなと。
ただひたすらに「対話」を積み重ねて、
今の大崎海星高校魅力化プロジェクトがある。
「対話」をするから、
異質な他者との協働の入り口が見えてくる。
「対話」によって「関係性の質」が高まり、「学びの質」も高まる。
だから、「ギャップ」は乗り越えるものではなく、活かすものなんだなと。
そのための対話。
話を聞いていて、
大崎海星高校のプロジェクトはよくデザインされているなと思った。
授業や授業外プロジェクト、部活動等との組み合わせによる
生徒たちの地域への「参画のハシゴ」のデザイン。
協議会と分科会といった「企画の実行」のデザイン。
島の仕事図鑑づくりという双方の「当事者意識の向上」のデザイン。
最後にそれを質問したのだけど、
取釜さんはそれを「結果」だという。
仕組み化のポイントは、
「目の前のことを大切にしながら先の話をすること」だと。
シンプルだなあと思った。
実は原則ってシンプルなのかもしれない。
目の前のこと、目の前の仲間(生徒やパートナー)を大切にして、
振り返りながら、先を見据えること。
「もう出港しているんじゃけえ」
(実際はこういう風には言ってない。笑)
そう。
船はもう、出港しているんだ。
いまいる乗組員と対話し、違いを楽しみ活かし、
目の前に来る自然条件に対応しながら、船を進めていく以外にない。
ラストは、取釜さんのモットーである「圧倒的勝手な使命感」で締められた。
「圧倒的勝手な使命感」を持ち、まだ、できることがあるんじゃないか?とひたすら考える。
そんなひとりひとりと船に乗り、船を進めていくこと。
そしてプロジェクトという船旅は続いていく。
※ 写真は昨年11月、大崎上島を訪れた際の行きの船から撮影したもの
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