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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2020年11月01日

「達成」と「発見」のあいだと余白のデザイン

「達成」と「発見」のあいだと余白のデザイン

「達成」と「発見」のあいだと余白のデザイン

島根県益田市「ユタラボ」。
益田市に今年度オープンした拠点。
https://www.yutalab.com/

週3回は高校生にも開放しているので
今日も何人かの高校生が、
勉強したり、料理したり
探究活動のことで地域の人と話をしたり、ボードゲームで遊んだりしていました。

やっぱりこういう立体的な「場」っていいなと改めて。

今回の企画は「エデュトリップ」っていう「教育」をテーマにした
半分研修っぱい感じの3泊4日。

1日目プログラム
0 自己紹介⇒バス移動
1 チェックイン:質問カードを使用した4人・5人1組ワーク(男女バランス)
2 人生グラフを「教育観」軸で書き出した1人ワーク⇒ペアで紹介
3 ツアーの目的を2人1組でインタビューし合う(目標確認シート)
4 スタッフ馬場さんから説明
5 中学生高校生とボードゲームを活用したコミュニケーション
6 代表檜垣さんから説明
という感じでした。
ペアワークで目標を考えるのいいなと思いました。


~~~ということでメモ

一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
・家族を大切にする・誇りをもって仕事をする・趣味に没頭する・伝統芸能を継承する・地域を盛り上げる・益田=「過疎」発祥の地・田舎には何もない⇒仕事と家だけじゃない。・ライフキャリアをデザインできるまち・あなたはどう生きるか?

「日本のフィンランド」:仕事、学校だけじゃない豊かな(余白)時間がある町、益田

ゆたラボ:
「対話」という手法を使い、自分自身のことを考えてもらう
学校教育と社会教育のグレーゾーンをつくっている

ポイント
1 ユタラボが授業設計に関わっている:学校と協議
2 リアルに触れる機会を増やす:PTAとも連携
3 授業時間外でもトライできる:ユタラボオフィスで

益田版カタリ場:
1対1の対話を通して「これまでの人生と、これからどうありたいか」自分自身の生き方について考えることで
自分の「心に火を灯す」授業です

キーワードその1
「本音」で話ができる時間
●1対1の対話:友達に聞かれない環境づくり
●ナナメの関係:友達でも親でもない利害関係のない人との対話
キーワードその2
語り合うテーマは「これまでの人生と、これからどうありたいか」
1 自己紹介
2 これまでの人生を紹介し合う
3 今の自分やこれからの自分について語り合う
4 これから頑張ることを言葉にする

自己紹介(小沢さん)⇒学び合い(上越教育大・西川研)
ちょっと分かる子に教えてもらったほうが分かる
⇒教師は場をつくる⇒1人も見捨てない(全員達成)

馬場さん:
生まれ育った環境で将来の可能性が変わるのはおかしくないか?
先生ではない立場で「教育」と「福祉」のあいだを。

1 みんなで子育てをする
学校・地域・ゆたラボ・行政・企業で子どもたちを育てる

2 あいだをつくる
「社会や地域への参画」(やりすぎと「使われる」)
「安心安全な居場所」(やりすぎると未来に向かえない)
「21世紀を生きる力」(やりすぎると苦しくなる人もいる)
偏りすぎない、手段にこだわらない、依存しないように

手段は大事じゃない:大事なのは自分がどういうスタンスで子どもの環境づくりを行っているか。

【ユタラボのライフキャリア教育】
1 ミライツクルプログラム
体験⇒対話⇒探究
地域の大人を講師に迎える体験プログラム
大人のトライを生んでいく

2 サードプレイスづくり
益田版b-lab
高校生がチャレンジできる場。

3 益田版カタリ場
高校生-地域の大人(ナナメの関係)
20代~40代を集めた

【檜垣さん】
「豊かな暮らしをすべての人に」
教育委員会の限界:大人も満足していない
子どもからシニア世代まで元気になるようなことを
スキル⇒気持ち
何もない⇒だからつくれる
自分が人生をあきらめないで気持ちを変えれば豊かになれる。

「学びに向かう力」を育てる
1 居場所づくり:サードプレイス(秘密基地)

2 ひとづくり
BtoB戦略(学校教育/企業活動)でやる
子ども・社会人・関係人口対象
⇒ゆたラボオフィス・公民館
⇒マイプロ・自治組織

1 「学校教育に入っている」:全員にアウトリーチできる状態
2 肩書き抜きに来れる場所=ユタラボオフィス
3 お金だけじゃない社会教育のフィールド

益田版カタリ場:すべての小中高でやっている。
・心に火を灯す・本音を知る・生き様に触れる・対話を通して・どんな大人になりたいのか?

大人×高校生⇒高校生×小学生⇒中学生×小学生
校長×地域の大人:世代を超えて本音の対話を。

1対1の対話=聞かれると発見がある
語られるだけでなく語りに行く連鎖
ワークキャリア⇒ライフキャリア
★「学校教育」と「社会教育」の境界を溶かす
★「モノサシがたくさんあるんだ」と知ってもらう

東京(消費社会):お金がないと幸せになれない
東京⇒益田へ「過疎」発祥の地

東京:インフルエンザかかったら孤独
益田:何人もうどんつくって持ってきた
★ないならつくるワクワク

人とのつながりの中で生きていける幸せ
お金では買えない幸せがある。

~~~ここまでメモ

人生グラフを書いてみて、僕があらためて思ったのは、
2008年のNHK合唱コンクール課題曲であるアンジェラアキの「手紙~拝啓15の君へ」だった。

あの歌を聞いた時の悲しみ。

テレビの画面上から、あるいはCDの音源から15歳に対して
「ひとりでつらいかもしれないけど、がんばれよ」としか言えない社会はおかしいと強く思った。
そんな地域に、国に、誰がしたんだと。

今思うと、それはいまだ個人戦を強いられている15歳に対する感情だったのかもしれない。
だから、「個人」から「場」へと僕は言っているのかも。

ユタラボの話を聞いていて、
昨年12月にお邪魔した福島県立ふたば未来学園中学校高等学校の長谷川さんの話を思い出していた。

学校教育と社会教育の潮目に浮かぶ船
http://hero.niiblo.jp/e490112.html

学校教育と社会教育のあいだ
檜垣さんは「グレーゾーン」と言っていて、長谷川さんは「潮目」と言っているような。
そして、境界を溶かしていくことだ、と。

そうそう。
30日の津和野高校でも、事務長がやっているのは、
「境界をあいまいにするコミュニケーションのデザイン」だと思う。

あと印象に残ったのは
馬場さんが言っていた

「社会や地域への参画」(やりすぎと「使われる」)
「安心安全な居場所」(やりすぎると未来に向かえない)
「21世紀を生きる力」(やりすぎると苦しくなる人もいる)
偏りすぎない、手段にこだわらない、依存しないように

このあいだに作っていくっていうスタンスを大事にしていること。

静的な「場」(居場所)と動的な「場」(プロジェクト)を複数個持つこと。
それぞれの「場」で「演じ分ける自分」を肯定できること。
特に動的な場=プロジェクトにおいては、
場と一体化できるまでチューニングすること。

たぶんぜんぶつながっているな。

「個」が「達成」して「成長」することに価値を置く「達成」パラダイムと
「場」が「発見」して「変化」することを楽しむ「発見」パラダイム。

「教科(学習)」の視点で言えば、学びの目的は「成長」であるのかもしれないけど、
「探究(学習)」の視点で言えば、学びは個々の「変化」を前提としている。

学びの主体を「場」に移行していくことで、
個人戦から「場」の一員としての自分になり、
アイデンティティの危機を超えていけるのではないか、と思っている。

最後におまけ。
夕食のとき、大阪のエノさんが隣の大学生に
「そんなんおもんない(面白くない)じゃないですか」
って言っていたのが印象的で。

昨日の最後のメモは卒論の題材に迷う大学生にエノさんが言った、
「おもろい」が大事よ。

だった。

「おもろい」が大事だ。

負けないこと投げ出さないこと逃げださないこと信じ抜くこと
よりもずっとずっとはるかに「おもろい」が大事だ。

その「おもろい」っていう要素のひとつに、
「予測不可能性」があるような気がする。

そしてその予測不可能性は、
「達成」のパラダイムと
「発見」のパラダイムのあいだと余白に
生まれてくる「何か」なのだと思っている。

「おもろい」おじさんにならなくちゃな。

「達成」と「発見」のあいだと余白のデザイン

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Posted by ニシダタクジ at 07:29│Comments(0)日記学び
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