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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2021年10月11日

変化しない「語義」と変化し続ける「意味」

変化しない「語義」と変化し続ける「意味」
「教えから学びへ~教育にとって一番大切なこと」(汐見稔幸 河出新書)

界隈で話題になっていたので読みました。
考えさせられるキーワードがたくさんありました。

~~~
・エージェンシー(当事者性)
・文科系と理科系は分けられない
・MITでは音楽を重視している
・「わかる」の3つのレベル(言葉・名前を知る⇒対象の属性を知る⇒現象の背景にある法則を知る)
・3つの教養
  1 分化した知識をつなぎ直す
  2 関心の発展的システムを持っている
  3 全体との関係で自分を位置づける
・本来の学びは「師弟モデル」
・「受動の中に能動を見る」パッシブ=受け止める
・全ては仮説にすぎない(1+1=2ではない)
~~~

とこんなところでしょうか。
詳しくは本書を読んでください。

今日は、僕にとってもっとも大きかった「語義」と「意味」のところから。

~~~
ロシアの心理学者、レフ・セミョノヴィチ・ヴィゴツキーは「思想と言語」の中で、「一人ひとりが"これが面白い!”と感じるものは、社会が与えている意味とは異なる。しかし、そのような個人的な意味を与えていくところにその人の個性が現れる。」というのです。

「私が自分で意味を与えていく心の働き」と「世間で言われている意味を取り入れる働き」の兼ね合いに、精神活動の面白さがある。

自分が何かを感じたものに意味を与えていくのことは、感覚に深く関わっているからsense(感覚、センス)、
社会が与えた意味を理解し、そういうものだとして取り入れていくことはmeaning(意味・目的)なのだと。

ヴィゴツキーの本の中では、senseは意味、meaningは語義と訳されていました。

たとえば宇宙人に「母親とはどういう意味か」とたずねられたらどう答えますか?
「子どもを産んだり育てたりする女の人」と答えるのは語義meaningです。

「あなたにとって母親とは?」とたずねられたらどうでしょう?その答えは人によって千差万別です。
「愛の象徴」「憎むべき存在」など、それぞれ自分の経験から価値づけしているのが意味senseです。l

語義meaningの上に、意味senseが重なって、発酵していくのです。
そして「母親は嫌いだったけど、自分が母親になったら理解できるようになった」など、意味senseは時間や経験の影響を受けながら深まり、変化していきます。

本来、私たち人間は、生きる「意味」を求めて生きているのですが、その意味は世間でつくられるものではなく、私が私の経験に基づいてつくる「意味sense」です。しかしそこが大切にされず、「語義」の世界に合わせて振る舞うように望まれるのがいまの社会です。

人間にとって「学ぶ」ということは、「意味」の世界が経験によって深まり重層化し発酵していくことによって、「語義」の世界も深まって進むことだと私は考えています。別の言い方をすれば、人間は「語義」を学ぶことで社会性を身につけます。しかし、社会の中で皆が使う「語義」に、その人なりの「意味」が乗ることで、その人の個性が出てくるわけです。その人らしく生きていくためには、私にとっての「意味」の世界を豊かにしていく必要があるのです。

学校で身につける認識は三人称的な認識で、それだけでは認識が行動をコントロールするレベルにまで進化しない。その三人称的な観念を、「自己一身上」の問題として認識し直さなければならない。つまり「一人称化する」ということです。

「一人称化する」とは、「語義」の世界だけではなく「意味」の世界を豊かにしていくこと

「一人称化」するプロセスは「問いと答えの間」だと言えます。その「間」をどれだけ充実させるかという問題。
~~~

これがきっと「地域を舞台にした学び」「プロジェクト型学習」の価値なのだろうな、と。(という仮説)
「語義」だけではなく、自分なりの「意味」を載せていく。

それは体験・経験に基づく感情の揺れを言語化することだし、さらにそれを振りかえって意味に落とし込んでいくこと。ひたすら、その繰り返し。

その中から「問い」が生まれ、問いに向かって進んでいく中で「プロジェクト」が生まれる。

「プロジェクト」とは1「期限」があり、2「独自のプロダクトや価値」を生み出す、3「段階的な」活動のことであり、「プロジェクト型学習」は「活動」と「自分」を行き来することによって、活動の成否だけではなく、自分を知るために「語義」に「意味」をまぶしていく活動だと言えるだろう。

「こんなこと(勉強)をやっても意味ないよ」というときの「意味」は、たぶん自分にとっての「意味sense」ではなくて、共通理解としての「語義meaning」なのだろう。

キーワードはやはり「時間軸」のような気がする。本書でも、「一人称化する:当事者性を上げる」ためには、問いと答えの往還が必要だとしているけど、そのあいだ、つまり長い時間軸が必要になる。

ひとりひとりの「人生の意味」に唯一の定まった答えは存在しない。
鎌倉幕府でさえ1192(イイクニ)が1185(イイハコ)つくろうに変わっているのだ。

問いと答えの往還を活動と言語化を繰り返しながらするのがプロジェクトだ。

1 誰と 2 いつ 3 どこで
という「場」をチューニングしながら高め

4 なぜ 5 誰のために
という「ベクトル感」と「解像度」を上げ

6 何を 7 どのように
具体的な活動へと展開していくこと。

・印象に残ったこと・疑問に思ったこと・面白いと思ったことフォーマットで振り返りことで、好奇心を育みながら言語化を促し、語義meaningを身につけるだけではなく意味senseを発見し、磨いていく。

「何かが(スキル的に)できるようになる」よりも、「何かをやる意味を自分で(事後的にも)探せるようになる」

「人生の意味」はそうやって見つかっていく、という仮説に向けて、プロジェクトというのは、それを見つける、探すための箱(手段)なのだろう。

イイハコつくろう、高校生。

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Posted by ニシダタクジ at 07:42│Comments(0)日記学び
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