2022年06月04日
「個別暫定解」しかない時代を生きる
「クリエイティブ・ラーニング~創造社会の学びと教育」(井庭崇 編著 慶応義塾大学出版会)
第1章にようやく突入しました。いきなり、面白いですね。読書って楽しいなあと思います。
これ、僕ゼミやります。シリーズ「クリエイティブ・ラーニングを読む」やります。
今日は「コミュニティ・ソリューション」から。
「ガバメント・ソリューション(政治による解決)」「マーケット・ソリューション(市場による解決)」に対比される言葉ですね。
同名の本を古本屋で見つけて、買っただけで読んでませんでした。
「コミュニティ・スクール」もまさにコミュニティ・ソリューションの方法論ですよね。
~~~以下メモ
「マニュアルを覚えろ」「正確に再現しろ」「ミスをするな」
工業社会、産業社会とは、結局のところ、スペックどおり、仕様書どおりにどれだけ正確に、不良品を最小化できるかを競っていたわけです。
それが全部デジタルテクノロジーに入れ替わってしまったという悲劇というか喜劇。
インターネットでとても重要なポイントは「ベスト・エフォート best effort」なことです。「ミスを恐れずに最善を尽くす」か。
パターンランゲージはベストエフォート的なメディア
「一般普遍解」を求める力ではなく、「個別暫定解」を求める力がとても重要になります。なるほど、パターンランゲージとは、状況に対処できる層をつくり、その層を組み合わせて対処すること、か。
~~~ここまでメモ
ここからです。
今日書きたかったこと。
~~~
今までは、世の中に一般普遍解があると思われてきました。しかし、「卒近代」においては個別暫定解しかないんです。機械は同じものを二つつくれますが、生命はこの世に同じものは二つはない。
今までの社会は、コモディティ化し、何か一つの価値観に合わせて動く仕組みで動いてきました。本当は小さな差異がたくさんあって、それらが複雑に絡み合っているのだけれど、その複雑性をネグリジブル・スモールだと無視して唯一の一般普遍解を求めようとしてきたのです。それが、ガバメント・ソリューションとマーケット・ソリューションの特徴です。
しかし、実はその無視してきた小さな差異と複雑性こそが重要であることがわかってきた。統計的に処理して無視してきた小さなパーツや差異、そこから生まれる複雑性こそが、実はコミュニケーションや社会の秩序を形成する上で重要だったのです。それは複雑性を残したまま、そのなかで暫定解を求めることが重要だということです。
~~~
「一般普遍解」の呪縛を脱し、「個別暫定解」を求めること。
それが「コミュニティ・ソリューション」なのだと。
「コミュニティ・スクール」とはその一つの方法論なのだと。
これは、小さく言えば、「場のチカラ」でしょうね。
差異を活かし、複雑性を活かし、目の前の課題、あるいは「創る」に取り組む。
たぶん、探究の方向性としてはそういう感じです。
これ、図解したいな。
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