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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2023年07月02日

変化のプロセスをともにつくる

福島・楢葉町「結のはじまり」を舞台にした
余白をデザインする新スナック学講座のメモです。

1日目
13:00
〇昼ごはんを食べながらチューニングの時間
・呼ばれたい名前
・出身/住んでいるところ
・昨日の晩御飯
・スナック学でやりたいこと

参加動機はさまざまで、
スナックを開業(副業)したい人や
高校生向けの場づくりをしたい人など。

13:50
〇インタビューワーク
ワークシート「思いの源泉」⇒「やりたいスナック」

この導入ワーク:
「人生の転機」のふせん出しがよかった。
ランダムに転機を出していくっていうの。

「ライフチャート」への違和感の正体が見えた。
・時系列で振り返ることで、毎回同じようなエピソードを書いてしまう。
・エピソードにプラスとマイナスの評価を伴って記載するので、過去の出来事が固定されてしまう。

コネクティング・ドットってそういうことかな、と。
「転機」を編集することで、大切にしたいことが見えてくる気がします。

17:00
〇インタビューワークを終えた後は交代でスナックママ体験。
1ターム25分×2
中間ターム:お客さんからのアドバイス
・自分の定番の自己紹介があるとよい
・話せる人が安心感。そのために来てる
・ここはこういう場所(スタイル)というのを出す
・ハブとなるお客様をいかにひきこめるのか
後半25分×2
終了⇒お風呂⇒飲み会

2日目
8:30
〇昨日のふりかえり⇒ホームチームシェア
「印象に残ったこと、言葉、シーン」

ここで出てきたのが
「スナックママ」という役割と「自分らしさ」のグラデーションについて

~~~以下メモ
・自分ブランディング=わかりやすいキャラ設定・自己紹介ができたらいい
・お客さんが自己紹介するなど「自己開示をする瞬間」があった。
⇒「心に飛び込む自己紹介」を持つこと

・キャラクター設定(衣装でも工夫できる:エプロンの個性&バンダナ巻くとか)
⇒衣装によるキャラクター設定:視覚情報による自己開示=情報量が多いので安心する

一方で
・枠にあてはめちゃう自分でいいのか

・カウンターに入ると別の人になる(外から見ていた感想)

・「結のはじまり」は、20㎝ほどカウンター内が低くなっているので、お客さんと目線が合う
・カウンター内から全体が見渡せるサイズ感
・ライティングの影響もあるかも

・中が見えない重い扉を開ける=中は別世界だし、守られている空間。
⇒社会のルールではないルールの適用
~~~

なるほど。スナックという空間と「自分らしさ」まさに、僕もそういうのを考えたかったのです。

・「役を演じる」と「自分(らしさ)を出す」のグラデーション、というかそういう感じ。
・パブリックとプライベートを行き来するというか。

・スナック=ママがつくる空間=場に合わせる必要がある。
⇒「結のはじまり」という店の名前に込められている空間への祈り

「こういう感じ」みたいな作法がある。
⇒初々しさを失う=今日みたいな素人が入ることで空気が変わる=アマチュアリズム

スナック=誰でもできるビジネス:「素人」と「プロ」の境目があいまい。
⇒参加できる

・自分が不安定になれる場所:「場」「お客」「ママ(マスター)」という3要素を揺さぶること。
・自分から出していく「キャラクター」と周りから求められる「役割」の違いというかあいだというか。
⇒「役割」をいったんリセットできる空間としての「スナック」的空間

~~~
「個」と「場」の往還というか。参加のデザインというか。
「キャラクター」というアウトプット。場から与えられる「役割」の心地よさとリセット
それを揺さぶる不安定さ。

9:20
〇企画書作成タイム
・フォーマットに基づいてあらたに記入

10:00
〇企画書発表とふりかえり(印象に残ったこと)
・ゆらぐこと、不完全さを大切にしたい
・お客さんを見送るシーンが印象に残った。
・変わることと変わらないことのゆらぎを楽しめる場所
・変わり続ける=ゆらぎ(不安・孤独)⇔安心を行き来する「場」
・ありのままの自分とこうありたいと思う自分を場とお客の力を借りて行き来すること=スナックママ
・食材の生産者を含めて、ひとりひとりの人生にスポットライトが当たる「いま」をつくる場所
・安心感とアップデートの瞬間をつくる場、この場でしか話せないけど自分が変化していることを話せる場

10:40
〇終了、写真撮影
11:00
・完全撤収

~~~
なかなかすごい講座を作っちゃったなと。
コミュニケーションを重視した「場づくり」の講座、
っていうのが「余白をデザインする新スナック学講座」だったんですね。

スケジュールもゆったり目でよかったなあと。

コンテンツとしては
・「思いの源泉」を探るインタビューワーク
・スナックママ体験
・ふりかえりと企画書作成
の3つ。
それぞれに細かい進行上の改善点はあるけど、ひとまずは参加者満足度の高いものができた気がします。

僕自身の発見として、僕がつくりたい「場」は、「変化のプロセスをともにつくる」場なんだなあと。変化のプロセスを楽しみたいし、それがあれば、「場」は、常連さんの空気感に飲み込まれずに、変化し続けるのかもしれないなと。

そして、さらに言うと。最大の発見はスティーブジョブズの「コネクティング・ドット」(人生に打った点と点がつながる)というワークショップ手法を手に入れたこと。

「思いの源泉」探し
1 心理的な安全が確保された上で、「人生の転機」をランダムにふせんに記載する
2 そのうちのひとつを全体の場で読み上げる
3 2人ペアになり、メモの解像度を上げ、「思いの源泉」を探るインタビューワークを行う
4 インタビューワークを元に力を合わせて「思いの源泉」を言語化する
これは、チューニングの方法としてもかなり有効だなあと。

時系列で人生をチャート化すると、「評価(プラスとマイナス)」を前提に点を打たないといけない。そして、その評価は、何度やってもマイナスな出来事はマイナスになってしまう。それにどんな効果が、いや意味があるのだろうか。ふせんを出すタイミングによって、打った点の価値や意味は当然変わってくるはずだ。

人生という物語を編集し、今、自分はここに立っているし、たとえばスナックという舞台に合わせ、自分が演じたいキャラクターと求められる役割のグラデーションを演じている。

「場」も「人」も変化し続ける。たぶん、その連続性がありながらも一回性の高い空間。
そういうのが「場」のチカラなのだろうとあらためて思った。

それを1回1回のワークショップや授業で応用したら、「気づいたこと、学んだこと」という結果や目的達成度を測るのではなく。「印象に残ったこと、言葉、シーン」という点をまずは打ち、それを感情と共に編集して言語化し、振り返ることなのだろうと。

それをひとりではなく場のチカラを借りながらやる、というのが僕のワークショップ手法なんだなと。、

なので、僕がつくりたい場(スナック)は、「変化のプロセスをともにつくる」、そんな場なのだなあと言語化された、私にとっても貴重な講座となりました。

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Posted by ニシダタクジ at 07:22│Comments(0)日記学び
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