2015年03月27日
「働くこと」=「自己実現」ではない
「キャリアポルノは人生の無駄だ」(谷本真由美 朝日新書)
いわゆる「自己啓発本」ブームについて
断じた1冊。
この中で著者は
日本人は集団内競争や
集団間競争が好きな人種であり、
そのため自己啓発本がよく売れるのだという。
特にそれは
「働くこと」=「自己実現」と考えてしまうから、
苦しくなるのだという。
2004年の調査によると、
仕事に生きがいを求める高校生は
男子41.9%女子43.1%なのだが
同じ調査で高校生の保護者にとったアンケートだと
62.3%が「生きがい」を仕事に求めてほしいと
答えており、「将来の安定」や「収入」を
上回ったのだという。
親は、「仕事は生きがいでなければならない」
と言っているのです。
本来は自己実現は
仕事に限らず幅広い生活活動
(子育てや趣味を含む)によって
実現されていくのが当たり前です。
しかし、それを「仕事」に限定してしまうと、
仕事=生きがい
働くこと=自己実現
ではない場合は
満たされない気持ちになってしまいます。
この思想こそが、
高い離職率やニートと呼ばれる働かない若者の
引き金となっているのではないかと思います。
働くことで自己実現しなくてもいい。
お金のために働くことでいい。
そんな感覚がもっと広まれば
若者はもっと楽になるのではないかと思います。
Posted by ニシダタクジ at 10:03│Comments(0)
│本
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