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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2023年03月26日

「自分たち」のプロジェクトをつくる

高校生が自らの活動を発表する全国大会がこの3日間行われている。
友人から、なんとも言えない違和感が送られてきて、いろいろ考えたのでメモ。

~~~
「なぜ、いま、あなたがそれをやらなければならないのか?」
高校生のやるプレゼンにはこれは必須だと思う。

そこに社会的な課題があるとは思うのだけど、
行政または、しかるべき機関がやったほうが
より早く多くの人を救うことができるのかもしれない場合、そのプロジェクトはどうなのか。

そのプロジェクトに意味がないとは言わないけど、ドライに言えば、
「あなたが今それをやらなくてもいいのではないか?」と思う。

ドラッカーが「経営者に必要な5つの質問」で聞いた
2顧客は誰か?3顧客にとっての価値は何か?
の2つの質問は自分の人生を考える上で何度も考えながら行動しながら
自分なりに設定し直して1ミッションは何か?へとたどり着ければいいと思う。

かつて、オンラインツルハシでハックツを一緒に立ち上げた宮本明里は、手触り感と違和感だと言った。
http://hero.niiblo.jp/e490894.html
(参考:「わたしたち」として歩む~「学び合い」から「見つけ合い」へ 20.7.21)

~~~
「発見」⇒「問いを見つける力」
「発見」するために「手触り(感)」と「異物(違和感)」に出会うこと。

「手触り」っていうのは、システム化された大きな世界よりも小さな世界のほうが感じられやすいから。
ミッション(思い込み、勘違い)って「手触り」のあるところにしか生まれない。
「手触り」から紡ぎだされるリアルな言葉を他者との対話で行き来させる。それでようやく「自分」がわかる。
~~~

たぶんこれが探究プロジェクトのキーワードになるのだろうと。
「手触り感」のあるところで「違和感」を感じて、それを解き明かしていく過程の中で
「自分」と「自分たち」が形成されていくのだろうと思う。

達成と成長「1人で学ぶ」モデルではなく発見と変容「場(のみんな)で見つける」モデルへ。そうして、顧客に出会った瞬間(のふりかえり・言語化)を積み重ねて「自分」が「自分たち」に変わるとき、ミッションが生まれ、プロジェクトが立ち上がり、同時にアイデンティティ形成の入り口に立つのではないかという仮説。

自分のためでも、地域や社会のためでもなく「自分たち」のためのプロジェクトをつくること。

その「自分たち」には、「顧客」がいて、主に過去から発見されるのだけど、高校生にはその「過去」が少ないから想像上の誰かを想定して良くて、活動で積み重ねる経験が「自分たち」を形成していく

たぶんそれって、「経済圏」の考え方にも似ていて。

http://hero.niiblo.jp/e492927.html
(参考:発見と変容と小さな経済圏 23.3.4)

自分たちの範囲(課題意識の責任圏)と経済圏の範囲を重ね合わせたところにプロジェクトをつくっていければいいし、それが仕事になったらもっと最高だろうなと思う。  

Posted by ニシダタクジ at 09:54Comments(0)学び日記

2023年03月21日

今日から「デザイナー」を名乗り「問いなおせ」


「新潟版デザイン経営の実装を考える」っていうハイスペックな場に出てきました。

登壇している花城泰夢さんがサンクチュアリ出版時代の同僚でして、
新潟に来るっていうことで麒麟山を渡してきました。


ちなみにタイムがサンクチュアリ出版時代に関わった本はこちら

「ホスピタルクラウン」(大棟耕介)

僕が本屋さんになった理由のひとつです。
http://hero.niiblo.jp/e269505.html
参考:僕が本屋さんになった3つの理由(13.6.11)

今日はデザイン経営について、世界の第一線で活躍する花城先生から学んできたメモを公開。

~~~ここからメモ
参考:特許庁はデザイン経営を推進しています
https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei.html

「デザイン」
ブランド構築に資するデザイン/イノベーションに資するデザイン
※イノベーションに資するデザインが求められている

デザイン・デザイナーは何をすべきなのか?
・人のニーズを捉えること(制約起点⇒人間中心)
・思考を具現化して前進させる
・仮説を探し、検証する

限界
・すべてを知る/証明することはできない
・やってみないとわからない
・プロセスは線形ではない

Fit&Refineで解像度を上げて整合させ、CORE⇒WHY⇒WHAT⇒HOWを一気通貫させる
参考:プロダクトの4階層
https://logmi.jp/tech/articles/327265
※上から落としていく、または下から積み上げていく、だけじゃない。

デザインをデザイナーだけに任せない

新潟の特徴:
奥ゆかしさと地元プライド
歴史ある企業が多い:ストーリーが詰まってる。

MGNET
「まちづくり」「ものづくり」「ことづくり」
環境⇒ヒト⇒資源⇒価値⇒機会⇒環境のループ
サービスデザインの順序
リサーチ(誰にどこまで?)⇒プランニング(何をいつまで?)⇒コーディネート(誰とどうやって?)⇒マネジメント(実施しつづける)

デザインのジャンルの変遷
グラフィック⇒インダストリアル⇒インタラクション⇒サービス⇒システム
2010年代から組織をデザインする時代に。

従来のマーケティング⇒デジタル時代の顧客の購入体験
マス広告と商品⇒タッチポイントが増えた
・デジタル接点を中心に一貫した体験設計が重要になった
・顧客体験を点ではなく線で考える「カスタマージャーニー」が必要
・ブランディングは広告・マーケの仕事だけではなく顧客と関わるステークホルダー全員が意識し行動しなければならない

そもそもデザインとは「再定義」「再設計」

スティーブ・ジョブズ
Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.
デザインとは、単なる視覚や感覚のことではない。デザインとは、どうやって機能させるかだ。

デザインとは、「問いなおす」こと。全ての人はデザイナーたれ。

ハーバード・ム・サイモン
現在の状態をより好ましいものに変えるべく行為の道筋を考案するものは、誰でもデザイン活動をしている

デザイン経営におけるポイント
1 デザイン×カルチャー:越境のマインドセットを持つ、チームの心理的安全性をつくる
従来の組織(リニアな工程) 企画⇒リサーチ⇒要件定義⇒デザイン⇒完成
※サンクコストを気にして前工程へ戻れない。
越境型のデザイン組織 テクノロジー⇔クリエイティブ⇔ビジネスがグルグルしている

※チームキャンバスの作成
Goals
Values
Purpose(真ん中)
Roles&Skills
Rule&Activities

をチームで付箋で作成し、見えるところに掲示すること
スラックでスタンプを押しまくる。⇒やる気に薪をくべるコミュニケーション
振り返り(KPT)を高速で回していくこと
~~~

こんな感じ。
なんか久しぶりにリアル社会の空気を吸ったなあって思いました。(笑)
世界の最前線はこんな感じか、と。

MGNETの武田さんが地域教育事業に力を入れているって言っていて、
そこに文明的大義「ヒトはモノをつくることにより文明を発展させてきた」
っていうミッションを掲げているのがカッコいいなと思ったし、

高校生の探究の授業って、たぶんそういう「仮説」をたくさんつくって、
地域の大人たちと一緒にデザインプロセスを積み重ねていくことなんだろうって感じた。

面白かったのは、僕がかつて作った現代美術家の名刺


のテーマが「アート」と「デザイン」と「ビジネス」のあいだっていうコンセプトだったんだけど、それ、なかなかデザイン経営してるじゃんって思った。(笑)

そして、昨日の最大の発見は。デザインという課題解決とアートという偶然性をベースにした創造性っていう2つを、高校の探究の授業でも行き来してやれるのではないか、ということ。

学習(デザイン)は手段として学ぶのと探究(アート)は機会として学ぶのだけど、学習にとって探究は手段だし、探究にとって学習は機会なんだよね。

僕はどちらかと言うとアート側の人間なので、手段じゃなくて、機会として学ぶほうが性に合っている、というだけで、学びっていうのはそれらのグラデーションなのではないかな、と。

問いのアップデートは、どちらかというと感じることを大切にするアート的な営みで、課題解決はメタ的に認知するデザイン的な営みなのだけど、そういう風に見れたら、もっと楽しくなるのかもしれない。

学問的に言えば、人類学的アプローチと経営学的アプローチの両方が必要なのだろうなと。

まあ、そんな感じ。
誰もが今日からデザイナーを名乗り、問いなおすこと。
そんな社会の到来は面白いでしょうね。
まあ、みんなじゃなくていいけど。  

Posted by ニシダタクジ at 08:02Comments(0)学び日記

2023年03月04日

「発見と変容」と小さな経済圏

月刊「先端教育」2023年4月号(先端教育機構出版部)
の新潟特集にうまいこと便乗して掲載されました。





しかし。8割くらいプロフィールになってます。。。
ツルハシブックスとかまきどき村とか過去の話多い・・・

唯一言っているのはタイトルにもなっている「発見と変容」ですね。
~~~
学校では、目標達成に向けて、成長のための学びが提供されています。それはとても大切なことですが、今の時代、そもそも設定された目標が正しいとは限らず、達成への努力を続けるだけでは無理が出てくる。そのため、学校教育の周辺に「発見と変容」の場や機会が欠かせません。

一方で「発見と変容」は偶発性が高く、それだけでは迷うことになりますから、何らかの軸や指針を持つためには「達成と成長」が必要です。「達成と成長」と「発見と変容」の教育は、それぞれに意味があります。
~~~

本文を通して、主張として載っているのはこれだけです。
ここ5年くらいのキーワードである「発見と変容」が掲載されたのは素直にうれしかったのです。

http://hero.niiblo.jp/e492764.html
参考:発見と変容の物語を語れ(22.11.11)

目標達成とか課題解決とか「その先に未来がある」と信じられなくなってきた社会や時代になったはずなのに。
それでもまだ「あなたの夢は?」「今年の目標は?」と問われ続ける日々を過ごしていて。

「その先に未来はあるんですか?」と叫んで逃げ出したい日々の中。
なんとか会社や学校に行っている、そんな現実があるんじゃないかと。

http://hero.niiblo.jp/e492597.html
参考:「文明の時間」と「自然の時間」(22.8.23)

~~~
山尾三省さん「アミニズムという希望」(野草社)の言葉から

「文明の時間」:進歩し続ける。それは必ず前に進み、後戻りすることはありません。
必ず昨日よりも今日、今日よりも明日には進歩するのであって、後退したりしません。世の中の主流の価値観と親和性の高い時間です。

「自然の時間」:循環し回帰する時間です。
地球は1日1回自転をしながら、1年に1回、太陽の周りを回ります。そのサイクルは太陽系が生まれて48億年前から変わらず、まったく進歩していません。地球の回転により季節は春から冬への変化しますが冬の次はまた春に戻ります。くるくると回転しているだけで前には進まないのです。

生き物としての人間の身体や心も、この循環する時間に属します。人間は誰しも生まれ、成長し、老いて、死んでいきますが、このサイクルもやはり進歩しないからです。
~~~

「文明の時間」と「自然の時間」、その両方をヒトは必要としている。
「社会的な動物」として、そして「自然的な動物」として。

「文明の時間」という直線する時間軸の中では「達成と成長」が重要である。そして、それは価値を測定することができる。

「自然の時間」という循環する時間軸の中ではふとしたときに「発見と変容」が起こる(し、起こらないかもしれない)。そして、それは予測できず、もっと言えば振り返りをしなければ認識さえできないかもしれない。

その両方を必要としているのだと思う。

そんな時にヒントになるのが「小さな経済圏」の話なのかもしれない、と。
http://hero.niiblo.jp/e492922.html
参考:「小さな経済圏」という学びの場(23.3.2)

3月1日に新潟駅NINNOで開催された「めぐるめ倶楽部」のイベント。

ひとりの参加者が放った質問に「おっ!」って思った。
「そのプロジェクトはどのくらいの経済圏を想定していますか?」

現場で聞いたときは、「なんでそんなこと聞くんだろう。さすがコンサル」って、すごい違和感だったけど、後から考えるとすごくいい問いだな、と。

経済圏の大きさの美学っていうのがあると思った。
グローバル経済圏で戦うのでも、ローカルでボランタリーな経済圏で戦うのでもなく。

このプロジェクトはどのくらいの経済圏を想定しているか?という問い。

坂口恭平さんは「経済とは流れである」と言い切る。
http://hero.niiblo.jp/e491998.html
参考:誤読して行動し、冗談で企画書を書く(21.8.30)

自分はどれくらいの経済圏を想定しているのだろうか?
そして、その「経済」で起こしていくお金以外の「流れ」とは何か?

そんな問い。

そういう意味では、一定の経済圏を想定して何かを動かしていくこと。
関係人口ではなく、「経済圏人口」を増やしていくこと。
そこに新たな「共同体」(のようなもの)を構築していくこと。
「共同体」を維持する必然性としての「人を育てる(教育的試み)」をやっていくこと。

その最大の魅力は「参加できる」ってことにあるのではないか。

昨日、麒麟山酒造の齋藤社長に聞いた、奥阿賀酒米研究会の話。
農家はひとり社長みたいなもので孤独なんだけど、
酒米研究会で肥料や栽培技術の勉強をみんなでして、
毎回酒を飲むことでだんだんと仲良くなって、面積も増えていったんだと。

それ、コーディネーターですよ、って思った。
そして、それこそが「小さな経済圏」の始まりだと。
ひとりひとりの農家は「酒米研究会」へ参加した。
それは地元産米100%を掲げた麒麟山酒造のベクトルに乗ったからだ。
その「参加」のデザインと熱意が素晴らしかったのだろう。

多様なステークホルダーがたくさんいる小さな経済圏の方が「参加できる」に価値を置くにはいいのかもしれない。多様な関わり方がある、っていう魅力。

高校生もその経済圏への「参加」は可能だし、そこにこそ、まちの経済と高校生の将来に向けた学びがクロスしてくる現場があるのかもしれない。

経済圏とは、経済の循環する範囲のことだ。
その中で、学びも循環し、振り返ると発見と変容が起こっていた、そんな場をつくりたいなあ。  

Posted by ニシダタクジ at 08:00Comments(0)学び日記

2023年03月02日

「小さな経済圏」という学びの場

めぐるめくプロジェクトのイベント@NINNOにお邪魔してきました。
参考:https://note.com/megourmake/


デザイン会社U-STYLEが手掛ける上越・安塚で行われている里山ボタニカル
https://u-style-niigata.com/works/2020_satoyamabotanical/
そこで生まれる新しい日本酒についてのプレゼン。

キーワードが素敵だったのでメモ。
・人と自然がよりよくかかわっていく
・土地の営みを伝える
・小さな経済圏を回していくこと
・農家もストーリーの中に入れる
・選択寄付的クラファン⇒どこに投資したいのか?
・日本酒についてくる体験・情緒的価値
・お酒にまつわるすべてを体験できる
・「芽出」「田休」「出穂」「刈上」「越冬」
・お酒を通して地域を知ってもらう
・関わる人を増やす⇒自然と共生し続ける人を増やす
・宿泊も含めて考えると滞在時間が延びる

デザインで素敵だったのは、
ランチョンマットの下にヒントの紙が裏になって置いてあったこと。
こういう仕掛け、好きだなあ。


・問い:日本酒を起点に、里山に人・自然・経済の幸せな循環をどうつくれるだろうか?
・ヒント1:このプロジェクトは誰をどのように幸せにできるだろうか?(誰に届ける?)
・ヒント2:プロジェクトを加速させる次の一人とは?(どんな仲間を?)
・ヒント3:このお酒における最高の体験とは?(体験価値)

このカードもいいですね。
風舟の本棚でやりたい。

ということで、今日は「小さな経済圏」について。

参考:その「問い」であってます?(17.11.13)
http://hero.niiblo.jp/e486273.html

次の作品の話をしよう(17.11.14)
http://hero.niiblo.jp/e486281.html

「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」(家入一真 ディスカヴァー・トゥエンティワン)

~~~
働き方論はテクニックにすぎない。
大切なのはどんな生き方をしたいかであり、
それは自分にとっての幸せはどこにあるのかを探るということだ。

地域活性化の本質とは、その土地での暮らしの集積であるべきで、
それを大切に育てて、発信して、人を魅了していくことにあると思う。

ここでしか食べられないもの
ここでしか見られない景色
ここでしか出会えない人たち
ここでしか味わえない時間の流れ方
~~~

いいですね。
もう一度読み直そう。

~~~
次のお店。

それは
Local
Liberal Arts
Laboratory

「地域資源」を活用した
「自由になるための学び」を提供する
「実験室」
としての本屋

「自由」っていうのは、
・精神的自由のための本・地域活動・インターンシップ
・経済的自由のための小商い・クラウドファンディング
・食糧的自由のための八百屋や米屋・加工品販売

そんな感じ。それらを通して、「学び合う」空間。
地域の人、企業、産業などをベースに、学び合う空間。
~~~

うんうん。
「風舟」とか「麒麟山米づくり大学」ってきっとそういう感じ。
2017年にもう予言してるんだ。

「小さな経済圏」の僕にとっての付加価値は、学び合う空間。
学びというベクトルが人と人をフラットにし、新しいアイデアを創出させる。
その一部がビジネスとなって、小さな経済圏は回っていく。
その一部はいわゆる「教育」的価値を生み、次世代を育て、引き寄せる。

そういうプラットフォームをつくりたいな、と。  

Posted by ニシダタクジ at 06:45Comments(0)学び日記