プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2017年07月31日

「場」に委ねる

金沢文庫駅の近くの住宅街で
立ち上がりつつある
シェアキッチンのある本屋(仮)プロジェクト
のコミュニケーションデザインチーム
のキックオフミーティングでした。







結論から言うと、
いい感じで終わりました。

なんていうか。
場のチカラを再認識した1日となりました。
コミュニケーション・デザインというか。
1日というか、この3日はずっとそうだな。

終わってから代表のえひめちゃんとのふりかえりが
できてよかったなと。

まちあるき

カレー作り

自己紹介(チューニング)

カレーを食べる

ミーティング

ハイライトは、ミーティング中の停滞ですね。
停滞すると、不安になる。
「これでどうやって、落とし込むんだろう」って
「ゴールにたどり着けるのだろうか」って

今日のゴールは最初に確認したけど、
完成、その先のビジョンのすり合わせと、
そのためのコミュニケーションデザインのイメージと
直近動いていくことの具体的なものが決まること。

この最初のゴール確認が
よかったのだなあと振り返って思う。

そして停滞。
そのときに、えひめちゃんはすごく不安に思っていたのだという。

ちなみに僕は、長時間移動とカレー食べ過ぎのため、
一時的に眠かった。(笑)

目覚めたのは、
この日初参加のならみさちゃんの一言

「シェアキッチンでは伝わらないのではないか?」
みんな家にキッチンあるし、
シェアキッチンだから行くっていうのはなかなかないんじゃないか。

そこで僕は!!!ってなった。

うわっ。
そうか!!!って。

当たり前だと思っていたことを覆す、
素人の発言。(笑)
訴求するのは、キッチンじゃないんだ。

そっから話は展開していき、
次回はきくらげ農家のおじさんのところに取材にいくことになりました。

そうやって取材した子が
シェアキッチンできくらげを売りながら、
試食を食べる、みたいな。

キュレーターたちのマーケット
その場所でやれたらいいなと思いました。

そして、
そもそもそのマーケットやそのシェアキッチンという
場自体がひとつのメディアのなっていくような
そんな予感がしました。

なんていうか、
見えたんですよね。

何かが、見えた。

何かっていうのは、ぼんやりしているけど、
何かが見えたんです。
その先に。

それは、カレー作りを含めた長い長いチューニングの結果であり、
発言しやすい「安心空間」をその場に作り上げたからであり、
不安になった「停滞」の結果なんだと思うんだよね。

だから、えひめちゃんの「不安」さえも、
場のチカラとなっているのかもしれないなと。

これで結論出なかったらどうしよう?
っていう不安さえも、場にはプラスに影響する(したかもしれない)
こともあるってことかもなと。

ミーティングにおいて、
良いアイデアやアウトプットを出すのは、

個人の知識や能力ではなくて、
ファシリテーターのスキルでもなくて、
場のチカラなんだなと改めて思った。

だから、場に委ねること
良いアイデアが出なかったら、
その責任はファシリテーターに直接的にあるのではなくて、

場の設計や
参加メンバーの心の開き方や
プログラムの順番にあるのだっていうことだと思う。

もっともっと場に委ねていいと思ったミーティングだった。
素敵な機会と学びをありがとう。  

Posted by ニシダタクジ at 08:25Comments(0)チーム

2017年07月25日

「本屋」という方法

松岡正剛さんが言っていた。
「日本という方法」
http://hero.niiblo.jp/e146329.html
(2011.12.15)

本屋という方法。

地下古本コーナーHAKKUTSU
暗やみ本屋ハックツ

っていうのは、
中学生高校生に本を読んでもらいたい
というのと、

地域の大人と中学生高校生を
つなぎたいっていうのと、

リアル本屋価値は「偶然性」にあるのではないかと
そういうのを全部ひっくるめた方法なのだろう。

そして何より、
「仕事は手紙」という価値観を体現したものなのだろうと思う。

そういう意味では、
OB訪問が付いた本を売る就活応援古本屋さん。

現役大学生の解説がついた参考書だったり。

もしくは大学の先輩の解説(テストの過去問)付きの
大学の教科書だったり。

「本の処方箋」みたいに、
リアルに相談できる1対1の関係をつくる
っていうのは面白いかもしれないなと。

そしてそれこそが
リアル店舗が必要な理由なのだろうと思う。

そういう場をつくる、
というのをミッションにしていけば、

全部並列でやるっていうのも、
需要者と供給者が重なっていって
面白いかもしれないね。
委託販売にすれば可能かも。

ひとりひとりへフォーカスする。
その人に預かった「手紙」を届ける。

それを
「本屋」という方法で実現すること。

たぶん、それかも。  

Posted by ニシダタクジ at 09:08Comments(0)思い

2017年07月24日

地域活動とキャリア形成と「場」づくり

地域活動とキャリア形成を接続する。
というか一体化する。
これがこの3年間のテーマだった。

ちょっとずつアウトプットが見えてきた。

これまでのキーワードをつなげていくと、
何かできるのかもしれないと。

「農」「食」「本」「本屋」「ハックツ」「場」
「キャリア」「インターン」「クラウドファンディング」

ひとつは、
クラウドファンディングというメディアをつかって、
地域の生産者の販売と広報を行うようなプロジェクトを
生んでいくこと。

もうひとつは、
地域の企業と学生を「本」でつなぐ、というもの。
なづけて、OB訪問付き古本屋(仮)。

これらは、
拠点となる「場」があって初めて機能するのだろうなと。

そしてその「場」は「住みたい」街づくりの実験場として
コミュニケーションと学びの機会を提供していくのだろうと。

ふるさと納税よりもリアルに、
ひとりひとりとつながる、役立てるメディアを
つくること。

それかもね。  

Posted by ニシダタクジ at 08:09Comments(0)アイデア

2017年07月22日

本との出会いかた

1冊の本との出会いが人生を変える。
本屋には新しい人生が転がっている。

2009年。
ホスピタルクラウン1点、64冊から
スタートした僕の本屋さんのテーマ。

でも。
それって、本屋サイドからの考え方かもしれないな。

この本を待っている人に届けたい。

そのとき。

その「この本を待っている」人
は、どうやってその本に出会うのだろうか。

友達と待ち合わせをしていたルミネのブックファーストか、
それとも本はここで買うと決めているお気に入りの本屋さんで、か。

もしかしたら、普段は本屋にはいかなくて、
友達がツイッターでつぶやいたのを見て、
ほしくなるかもしれない。

まずは友達から借りるのかもしれない。
それでよかったら買ってみるのかもしれない。

そこまで想像して、
本をつくるところから始めるっていいかも。

どの店に、どんなふうに並んでいたら
手に取るだろうか。

どんな表紙、どんな背表紙で
惹かれるのだろうか。

本屋でその本を手に取ったとして、
どこから読み始めるだろうか。

まえがきからかあとがきからか。
まずはじっくりと全体をパラパラするのだろうか。

そんな本との出会いかたそのものが
価値になっていく、そんな気がする。

そのひとつが本の処方箋なんだよね、きっと。

あなたの悩みを聞いて、本を処方します。
そうやってコミュニケーションしながら、本と出会っていく。

7月29日(土)
アルプスブックキャンプ@信州木崎湖で、「本の処方箋」やります。

  

Posted by ニシダタクジ at 05:20Comments(0)

2017年07月20日

政治空間と貨幣空間のあいだ


「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」(橘玲 幻冬舎文庫)

前から気にはなっていたのだけど。
やっぱり面白いっす。

第2章 自分は変えられるか

これは大学生は読んどいたほうがいいかも。

引き寄せの法則の法則とか。

元祖自己啓発の
ナポレオン・ヒルの本を出した田中さんの話とか。

20世紀少年や木更津キャッツアイの背景とか。

ここで
面白いのは、
愛情空間‐友情空間(この2つを合わせた「政治空間」)‐貨幣空間

の図解。

世界は、貨幣空間に覆われているが、
ひとりひとりの人生的には
愛情空間と友情空間の割合は大きい。

そして
政治空間と貨幣空間ではルールが違う。

~~~ここから引用

政治空間の基本は、
敵を殺して権力を獲得する冷酷なパワーゲームだ。
それに対して、貨幣空間では、競争しつつも契約を尊重し、
相手を信頼するまったく別のゲームが行われている。

人間社会に異なるゲームがあるのは、富を獲得する手段に、
①相手から奪う(権力ゲーム)
②交易する(お金儲けゲーム)という二つの方法があるからだ。

政治空間の権力ゲームは複雑で、
貨幣空間のお金持ちゲームはシンプルだ。
誰だって難しいより簡単なほうがいいから、
必然的に貨幣空間が政治空間を侵食していく。

~~~ここまで引用

これらを
社会心理学者ロバート・アクセルドットの行った
「囚人のジレンマ」実験から、
「しっぺ返し戦略」が有効であることを実証した。

つまり、
まずは相手を信頼し、行動し、結果が出たら、
その後は相手の信頼度に合わせて、
自分もふるまうということである。

なるほど。

さらに社会心理学者の山岸俊男のいうように、
市場の倫理と統治の倫理の違いを語り、

それが日本社会にどのような影響を及ぼしているか、
を示している。

学校社会は統治の倫理が作用し、
しかし、グローバル化されたビジネス社会は市場の倫理で
動いている。

その狭間にいるのが僕たちである。

そっか~。

そこに生きづらさや働きづらさ、
学校や企業の息苦しさのヒントがあるような気がします。

政治空間と貨幣空間のあいだ。

それを揺れ動いているのですね、大学生は。  

Posted by ニシダタクジ at 08:23Comments(0)

2017年07月19日

小さなゆうびんせん

小さなゆうびんせん

人はみな、ひとり乗りの小さなゆうびんせんとして、生まれてくる。
少しの手紙を携えて。

でもその手紙には、あて名が無い。
差出人の名前もこすれて消えかかっている。

学校や会社という大きな船。
たくさんの手紙を預かって、どこかに届ける。

大きな船に、小さな舟ごと、乗り込むこともできる。

そこでは、目的地に早く着くために、
船長の指示に従い、効率が求められる。

大きな船は安定していて、揺れることがあまりない。
いつのまにか、船に乗っていることも忘れてしまいそうになる。
効率を求めすぎて、目の前のことをやるのに精いっぱいになる。

その船を途中で降りることもできる。
またひとり乗りの小さな舟でこぎ出したり、
20人乗りの船に乗り換えたり、
仲間と一緒に3人乗りの船をつくってもいい。

小さい舟は不安定だ。よく揺れる。
ひとりひとりが考え、判断しなきゃいけない。

大切なのは、
このふねは、どこに向かっているのか?
誰に手紙を届けるのか?

この船旅を誰と一緒にしたいのか?
のんびり行きたいのか、はやく行きたいのか?

そんな話し合いをすることだ。

時には、港町に立ち寄り、酒を酌み交わし、
次の行先を決めるんだ。

ひとりひとりが預かっている手紙。

その手紙を待っている人がどこかにいるはずだから、
今日も、その船を漕ぎ出していこう。  

Posted by ニシダタクジ at 08:03Comments(0)言葉

2017年07月14日

いつのまにか「目的」が分からなくなる


「日本の覚醒のために」(内田樹 晶文社)

模様替えしてしまった
スタンダードブックストアあべので購入
模様替え残念。
何があるかわからない感じが好きだった。

この本は、講演集なのだけど、
テーマが多岐にわたっていて、
ひとつひとつ読んでいく感じ。

読み終わった余韻で、
じわじわ来るのが、やっぱり
「目的」って忘れられやすいんだな、って。

何か「目的」があって
それを始めたはずなのに、
それをどんな「指標」で評価するか?

っていうようになってくると、
「手段」が目的化する。

あるいは、
大学のサークルとかでもあるのは、
時が経ち、代替わりをして、
最初の人がなんのために始めたのか
わからなくなったとき。

そういう点では、
この本にも書いてあるのだけど、

武道っていうのは、
創始者の像が飾ってある。

あれって、どこを目指しているか、
見失わないように。

そしてそれが「達成される」ことは決してない。
そういうのが大切なのだなあと。

そうしないと、
「目的」があって、「目標」があって、
そのための「指標」(数字)
あったはずなのに、

いつのまにか、
「指標」(数字)が目標になり、目的になっていく。
何件達成しました。

僕たちの社会はそういう危うさを
常に抱えているのだ。

だからやっぱり
PDCAだけじゃなくて、

ミッションは誰で
顧客は誰で
顧客価値は何かって
問いかけ続けなきゃいけないのだろうね。

ほかにも紹介したいところがあるのだけど、
今日はこのへんで。  

Posted by ニシダタクジ at 08:19Comments(0)

2017年07月13日

盛岡の「楽園」


「書店員X」(長江貴士 中公新書ラクレ)

大ヒットした「文庫X」を
生み出したさわや書店フェザン店の
長江さんの本。

文庫Xっていうのは
「本を読むとは何か?」
っていう根源的な問いを与えてくれる1冊
だったんだな、と。

「未知のもの」
とどう出合い、どう生かすか。
そんなことが書いてある。

これ、よかったなあ。

この本のサブタイトルは
「常識」に殺されない生き方。

私たちがいかに
「先入観」を脱していくか、
が書いてある。

~~~以下メモ

共感を求めれば求めるほど、
「今の自分」を超えたものに出合う機会が狭まる、ということでもあるのだ。

すべての人には、「まだわからないでいる」権利がある。
そして国語教科書の詩の単元は、この権利をわたしからうばうものだった。
「わからない状態のたいせつさ」という考えは、
このころに芽ばえ、いつのまにかわたしの生涯のテーマになったように思う。

「わからない状態」で出合うからこそ、
「自分にとっての魅力」に気づくことができるのだ。
そんなふうに世の中のいろんなものと出合うことで、
僕たちは「今の自分」を超え、「先入観」を乗り越えることができる。

「未知のもの」に「わからない状態」で出合う。
情報が氾濫している世の中では
ますます難しくなってしまったこんなやり方が、
僕たちを少しずつ押し広げていくのだ。

本はそんなふうに、ネットと比べて遥かに簡単に
「未知のもの」と出合う可能性を与えてくれる存在だ。

書店の存在意義というのは、
「読者(お客さん)が本を選ぶ力を高めることにある」と思っているんです。

「未知のもの」との出合いすべてに「失敗」はない。

「未知のもの」との出合いやすさを売り場づくりのベースにしながら、
その中にどれだけ探しやすさという要素を組み込むことができるのか。
今書店に求められている発想はこういうものなのではないかと思う。

~~~ここまで引用

そうそう。
本屋の役割ってきっと、そういうことだと。

文庫本Xっていうのは
長江さんからの、強烈な、
本とは何か?
本屋とは何か?
っていう問いなんだなと。

そして、この本の僕的なクライマックスは、
証言3:さわや書店フェザン店の田口店長のコラムだ

「北に楽園があるよ。来てみない?」

そう言って田口さんは、
川崎にいた長江さんを盛岡に誘った。
3年越しのアプローチ。
すげーなって。

☆☆☆

「『文庫X』についてどう思われますか?」
同じ質問を何度もされた。
「たまたまです」といつも僕は答えている。

その間、彼が本の魅力を伝えようとした
熱意と努力の積み重ねの日々を傍らで見てきたから、
そう断言できる。「文庫X」はあくまでその一部なのだ。

★★★

ホントはこの後の「さわや書店という場とは?」の部分を書きたいのだけど、
文庫Xにならって、ここは伏せておくことにする。

楽園は南の国にあるのではなく、
日本の岩手、盛岡にたしかにあった。

くやしい。
やっぱり、くやしい。

「本屋」はどこまで「本屋」に、
そして「楽園」になれるのか?

そんな大いなる問いをもらった1冊となりました。

田口店長の
「まちの本屋」とも合わせてどうぞ。

「ひとりひとりに使命があるように、本屋にも使命がある。」
http://hero.niiblo.jp/e475548.html
(15.12.21)  

Posted by ニシダタクジ at 07:52Comments(0)

2017年07月11日

本屋とは、世界に放たれた手紙

なぜ本屋なのか?
とよく聞かれる。




さわや書店フェザン店。
大好きな本屋さん。
本屋はどこまで本屋になれるのか。

どうやら「文庫X」という企画が
書店界隈では話題となっていたようだ。

表紙を伏せて、
メッセージを載せて、
すべてを隠して文庫本を売るというもの。

それにどんな思いを込めたのか。
なにがどうつながると、そうなるのか。


「書店員X」(長江貴士 中公新書ラクレ)

それがこの本に書いてあって、
いま読み途中。
文庫Xは、あっという間に読み終えた。

たしかに、普段なら手に取らないだろうな
と思う本。

しかし、グイグイ引き込まれていく。
そして熱い。

生きるとは?
働くとは?
仕事とは?
価値とは?

そんな根源的な問いにあふれている1冊だった。

そんな本に出会ったからこそ
文庫Xという企画が生まれた。

その売り方には、
小阪裕司さんの方法論も
取り入れられていて、とっても楽しかった。

そう。
一緒につくりたいんだよね、何かを。

そんなことが本屋さんでできるんだって
そんな風に思った。

誰かに届けたい
そんな思いが連鎖していく。

本1冊1冊も手紙であるのだけど、
本屋そのものが、手紙なんだって。

そんな本屋さんをつくろうと思う。
コアなお客は、コミュニティ難民な女子たちかもな、と思っている。
うまくコミュニティと同調できない人。

そこに感性の高い男子(イケトとか唐澤くんとか)が入ってきて、
学びあいながら、新しい仕事というかプロジェクトというか、
そういうのを作っていけるような
本屋さんをつくりたいと思う。

やっぱり本屋なんだよね。
そう思った。

さわや書店さん、田口さん、長江さん、
ありがとう。  

Posted by ニシダタクジ at 08:54Comments(0)学び

2017年07月07日

パスと敬意と委ねること


「呪いの時代」(内田樹 新潮社)

またしてもいい本に当たってしまった。
熱い。

教育とは?
学ぶとは?

そんな問いをたくさんもらえる本。

~~~キーワードを以下に

贈与経済のいうのは、要するに自分のところに来たものは
退蔵しないで、次に「パス」するといことです。それだけ。

贈り物を受け取ったときに、目にも止まらぬ速さで次の贈り先に
それがパスされるような人のところにしか、贈り物は届かない。
そういうものなのです。

私はあなたに贈り物をする。
それがどのような価値をもつものであるかを
贈与者である私は言うことができない。
そこに価値を見出すのは受け取り手であるあなたである。
この世に価値をもたらすのはあなたである。
あなたが価値の創造主である。そう告げるのが贈与の構造です。

人間が持つ能力は、能力それ自体によってではなく、
ましてやそこ能力が所有者にもたらした利益によってではなく、
その天賦の贈り物に対してどのような返礼をなしたかによって査定される。

最終的に人間がその言葉に聴き従うのは、
その言葉のうちに聴き手に対する深い敬意が含まれている場合だけだ。

人はどれほどわかりにくいメッセージであっても、
そこに自分に対する敬意が含まれているならば、
最大限の注意をそこに向け、聴き取り、理解しようと努める。

だから、もしあなたが飲み込むことの
むずかしいメッセージを誰かに届けようと願うなら、
深い敬意を込めてそれを発信しなさい。
それがコミュニケーションにかかわる
ユダヤ=キリスト教の太古的な叡智の一つではないかと僕は思います。

~~~ここまでキーワード

そっか~。

暗やみ本屋ハックツを構造的に説明すると
そういうことなのかもしれないな、と。

まず、誰かから、
影響を与えられた「本」という贈り物をもらう。

それを誰かにパスしないと
いけないという気持ちが芽生える。

そして、
受け取り手に敬意を込めて、
メッセージを書く。

しかし、最終的に、それが価値あるものか
判断するのは、ハックツした若者次第で
あって、そこには手が及ばない。

また、それを「贈り物だ」と思ったとして、
それを本人にお返しすることはなかなかできないので、
違う人に贈ることになる。

そうやって本と気持ちの贈り物の連鎖を生んでいくこと。

きっとそれがハックツに仕組みなのだろうなと
この本を読んでいて思いました。

「ハックツ」ってすげーな。
って思いました。

そこに「教育とは?」や「学びとは?」、大げさに言えば、「生きるとは?」
という問いに対しての原点的な何かがあるのではないかなと思いました。

パスと敬意と委ねること。
そんな贈与経済的なアートですよ、ハックツは。  

Posted by ニシダタクジ at 08:11Comments(0)

2017年07月05日

「正解しなければいけない」は敗北への一歩


「呪いの時代」(内田樹 新潮社)

第3章 後手に回る日本

面白かった。

アメリカの「設計図神話」の話。
理想国家をつくる、というコンセプトで
できたアメリカでは、

システムに不具合が起きた時、
アメリカでは、システムの設計そのものを
見直すのではなく、バグや人為的ミス
のせいであるとする。

「ありあわせのものでしのぐ」という発想をせずに
「最初の設計図通りに作り直す」というかたちで処理する。

へ~。
なるほど。

~~~ここから一部引用

だからアメリカ合衆国の大統領は
建国の「物語」を力強く語ることができる。

いっぽう、日本の政治家は、「物語」を語れない。
統治原理の根幹が何であるか、
本人たちも分かっていない。

アメリカに従属しなければ生き残れない。
という「やむをえない実証性」に基づいて
その場の最適解で応じている。

相手がこう来たらこう返す、
こうされたらこう逃げるという受け身の姿勢でいること。

つねに状況に対して「後手」に回るという
日本の政治文化は受験生に似ています。
受験生はつねに「試験問題に遅れている」。

そもそも何のために受験勉強をしているのか?
などということは問わない。

この「受験生マインド」は、
政治家のみならず、官僚にもビジネスマンにも
日本人全体に蔓延しています。

まず「問題」が出る。
その問題に対してどう解答するかを
必死で考える。

そしてそれなりのよい解答を思いつく。
そういう能力は日本人はけっこう高いのです。

白紙にゼロから絵を描くように、
なすべきことを創造することは、
まったく不得手だけれど、
言い逃れとか言いくるめとかはうまい。
恐ろしいほどうまい。

~~~ここまで一部引用

なるほど。
この後に、武道的観点から、バッサリと切ります。

☆☆☆ここから引用

相手が次に打ってくる一手に最適対応すべく、
全神経を集中すること、それを武道では「居着き」と言います。

物理的には足の裏が地面に張りついて身動きならない
状態ですが、居着くとは構造的に「負ける」ことです。

居着いた相手は活殺自在である、そう言われます。
端的に言えば、武道はどちらが相手を「居着かせる」ことが
できるかを競っている。

ですから、武道的観点から言うと、
「問題に正解しなければならない」という
発想をする人は構造的に敗者であるということになります。

★★★ここまで引用

うわ~。
これは、あれですね。

スラムダンクの流川と沢北の勝負ですね。

「お前はまだその才能を活かしきれてねえ」
の後にパスを出す流川。

パスもある、と思った瞬間に
沢北のディフェンスが「居着き」の
状態にあって、

「ひとつ忘れてるぜ」

でスリーポイントが決まる、みたいな。

思い出しちゃった。

後手に回らず、そもそも、と考えること。
目的はなんだっけ?
って問い直すこと。

そこからしか、始まらんのですね、きっと。  

Posted by ニシダタクジ at 08:20Comments(0)

2017年07月03日

「おむすび」が結ぶもの

7月2日(日)
「むすんでひらいて」@武蔵新城。

物語のある
お米、海苔、塩
をつかって、おむすびを
みんなでむすんで食べるイベント。

かなちゃんとさくらちゃんの企画。
高校生以下は参加無料。

高校生3人が参加してくれました。

まずは海苔の食べ比べから。
宮城県・東松島から有明海までの
最高級の海苔を食べ比べました。



その後、商店街でおかずや
おにぎりの具を買いものして、
炊き立てのごはんを「むすんで」食べます。

そんなことをしていたら中学生がやってきて
飛び入り。

中学生1名
高校生3名
大学生1名
(全員女性)

10代社会人1名
20代社会人1名
(2名とも男性)

が参加するイベントになりました。
感想としては、楽しかった、の一言。

おむすびの具を買いに行くとき、
武蔵新城のまちで行ったことがなかった
韓国料理屋さんを発見しました。

店主さんのとびっきりの笑顔がよかった。
あれを高校生と共有できたのが
よかったです。

スーパーで買うより、
個人のお店で買うほうが
「体験を共有」できるような気がした。

そして帰ってきてから、
海苔を選んで、おむすびを結ぶ
好きな具材やおかずと一緒に食べる。

ただ、それだけ。
ただ、それだけのイベントで
参加者みんながとっても仲良くなった
気がしました。

手を動かす。
味を感じる。

「おむすび」をむすんで食べる。
それだけで、何かが生まれるような気がする。
次は高校生が企画するおむすび会ができるかもしれません。  

Posted by ニシダタクジ at 08:14Comments(0)イベント

2017年07月02日

「居場所」と「生まれる場」を繰り返す

こめつぶ本屋営業のあと、
knsの主催イベントでした。

金曜日はメビック扇町で
堂野さんの場づくりの話。

これも面白かった。

ビジネスプランじゃないんだと。
関係性の質なんだと。

関係性の質⇒思考の質⇒行動の質⇒結果の質

この順番でいかないと。

結果を求めるあまり、
関係性が悪化して、思考の質が低下してるんじゃないの、
っていうこと。

大切なのは、誰とやるか?
その関係性なのだと。
昨日はKNSの「コミュニティスポット」
話題提供者として事例紹介した。
最後の主催者領家さんのコメントがよかった。

校門前で怪しいものを売っているおじさん。
そんなおじさんっていいなあと思った。

どうなってメシ食っているんだ、みたいなおじさんが
たくさん増えていくといいなあと思った。

昨日のハイライトは
やっぱり「居場所」不要論のところでしょうか。

本屋は静的な「居場所」になってはいけない。
動的な「何かが生まれる場」であることが大切だ。

いや、「居場所」と「生まれる場」が
そのときどきで入れ替わるような、
構成メンバーと新しく来たメンバーによって、

「一期一会」の瞬間がつくられるような、
そんな本屋さんをつくりたいと思った。

そしてそんな本屋さんこそが、
コミュニティ難民のための本屋さんに
なるのかもしれない。

それが一番面白かったところかな。

チューニングする⇒ふりかえりをする

それを繰り返して、場とチームはだんだんとできていく。  

Posted by ニシダタクジ at 08:43Comments(0)イベント