2022年06月07日
「なってみる」という学び方
「クリエイティブ・ラーニング~創造社会の学びと教育」(井庭崇 編著 慶応義塾大学出版会)
ひとり「クリエイティブ・ラーニング」ゼミ。
今回は第2章「自ら学ぶ学級をつくる」(岩瀬直樹×井庭崇)より。
~~~以下メモ
・教室の空間リノベに参加
・協同的な学びの実施
「自己主導学習」=学びのコントローラーを自分で持つ
「このクラスに自分が関わると何かが変わるぞ」⇒「協同して学ぶ」の体験・体感
「作家の時間」:子どもたちが1人ずつ作家ノートをもって、作家になりきって、自分の書きたいテーマで作品を書く
「みなさん一人ひとりは作家です」
「自分が書きたいことを書きたいように書きたいだけ、自分のペースで書いてください。」
「作家ですから」
書いたものを作品にして出版し、読者に読んでもらうという学び方、つまり本物になることを通して学ぶ、ということなんですね。作家になるために練習するのではなく、作家としてスタートするのです。
「自分の作品には読者がいたんだ」ということを体験すると書き手のモチベーションが変わるんですね。
そのうちに読書をしていても「この表現は上手いね」と言い始めるんです。作家の目で本を読むようになっていく。
つまり、「なってみる」という学び方です。書いている途中でたくさんの人のフィードバックを受けた方が、作品がより良くなるという体験をするのです。下書き段階は、ダイヤモンドでいえば原石みたいなものです。たくさんのフィードバックや自身の修正を経てどんどん磨かれていく。他者の存在が自分と作品を成長させてくれる。その体験の積み重ねが、協同で学んでいこう、プロの作品から学んでいこうという意識に変わっていく、そういう学び方です。
このことを僕は「ワークショップの学び」と呼んでいます。
~~~
いやあ、これすごいな。
「なってみる」という学び方。
僕の3つのテーマは、
チーム観「Destined people~導かれし者たち」
成長観「Fake it till you make it~できるまでフリをしろ」
対話観「Shall we dance?~一緒に踊らないか?」
なのだけど、まさにその2つ目のとこだなあと。
「なってみる」学び。たとえば、「デザイナー」っていう名刺をつくれば、デザインの仕事が来て、いつのまにか本物のデザイナーになっていた、みたいな。
そしてなにより「作家の時間」がすごいところは、他者からのフィードバックがいい作品をつくっていくんだ、と実感できること。何よりもそこに相互の「承認」があるというところなのかもしれない。
プロジェクトも同じだなあと。何度も中間発表して、フィードバックをもらって、いいプロジェクトにしていく体感。それが大切なのだろうなと。
「下書き段階ですけど」「試作品なんですけど」って言いながら見せて、フィードバックをもらうこと。
何よりもまず、作家になりきること、アーティストとして取り組むこと。
ジュニエコとかでも「仮想の会社をつくり、社長(店長)の役を決めること。
そういうのが大事なんだろうな。広い意味での演劇ワークショップ。
肩書決めて、名刺作って、みたいなことをしてもいいのかもしれません。
まずは作家になってみる、デザイナーに、芸術家になってみる。
つくるものはすべて「作品」としてとらえる。
そういうフィクションの力が必要なのだろうな。
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