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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2013年05月09日

「ロールモデル」モデルから「フォアザチーム」モデルへ

目標となるような大人が少ない。
と嘆く大学生や前向きな大人たちがいる。

新成人の尊敬する人ランキングで
親や学校の先生が上位に来るのは、
それ以外の大人を知らないからだ、というような意見も多い。

だから、
中学生・高校生・大学生は
「働くこと」に希望が持てないのだと。

みんなつまらなそうに、あるいはつらそうに働いているから
「大人になんかなりたくない」って思うのだと。

その打開策として、
「ロールモデル」モデル、と呼べる手法がとられることが多い。

つまり、ロールモデル(目標とする大人の姿)
を若いうちからシャワーのように浴びせていくことが
必要なんだ、という考え方だ。

それによって、
大人になることが楽しそうだったり
働くことに希望が持てるのではないか。
という仮説だ。

僕も実はその論者だった。
たくさんの大人に接することで、
ロールモデルを発見し、夢や目標を持ち、
前向きに生きていける、という方程式。

理論上は正しいような気がするのだけど、
ここで、デューク大学のキャシー・デビッドソンさんの言葉が飛び込んでくる。

「2011年度にアメリカに入学した小学生の65%は、
大学卒業時には今は存在していない職に就くだろう」

つまり、いま、目標を決めても、
16年後には社会の方が変わっちゃっているかもね。
ということだ。

たしかに、
僕が小学校のときは
「ドコモのおねえさん」という仕事はなかったけど、
大学卒業時には憧れの職業として認識されていたはずだ。

そうすると、
「ロールモデル」モデルそのものに疑問符が付く。

「職業の内容ではなくて、生き方のロールモデルを見つけるんだよ。」

たしかにそれもそうかもしれない。
こんなふうになりたいというのは生きる姿勢だったりする。

でももし、キャシー先生のいっていることが現実になるとしたら、
やはり、「ロールモデル」モデルは機能しなくなるのではないか。

だとすると、
そうじゃないモデルを見つけなければ、
前向きに生きられなくなってしまう。

僕は、「フォアザチーム」モデルではないかと思う。

これは自己効力感(自分は何かができるという感覚、いわゆる自信)
の形成方法として、チームの力(あるいは場のチカラ)を借りる方法である。

来週、大学生と社会人が集まって、
新潟の地域課題にチャレンジするワークショップを開催するが、
このとき、大学生は当然知識も経験もない。
でも、場に貢献することはできる。

その場を構成するメンバーひとりひとりが
それぞれの立場で、場に貢献するために、
発言し、真剣に考え、議論をすることで
新しいイノベーションが起こるのだという仮説だ。

このときに個人の大学生に起こる心理的な効果は、
「ひとりではできないけど、チームではできる。」
という感覚だ。

いわば、チーム効力感だ。

そして、その経験が積み重なっていくと、
チームのことが好きになり、
自分も何か貢献したいと思うようになる。

結果、自分が成長したいと思い、
自ら学んだり、挑戦したりするようになる。

その結果、目標を持って、前向きに生きるようになる。
そして、自己効力感も徐々に高まっていく。

という仮説、
これが「フォアザチーム」モデルだ。

先行きの見えない時代。
「ロールモデル」モデルだけではない、
新たな自己効力感形成モデルを、
若者は、社会は必要としているのではないだろうか。

「おそらく現段階で俺は河田に負ける。でも湘北は負けんぞ~」
(赤木剛憲 スラムダンク)

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Posted by ニシダタクジ at 06:53│Comments(0)日記
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