2023年10月06日
「アプリシエイト」し合える場をつくる
『冒険の書 AI時代のアンラーニング』(孫泰蔵 日経BP)
さっき書いたばかりなのですけど、読み進めていたら、どうしてもメモしたくなっちゃったので書きます。
P186 デール・カーネギーの言葉
Give honest,sincere appreciation.
「誠実に、心を込めて、相手の良さを認める」
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彼はこの「アプリシエーション」というキーワードを繰り返し使っています。これは「ある人や物をきちんと理解する」という意味ですが、そこには相手の良いところを理解してほめるというあたたかいまなざしがあります。
動詞の「アプリシエイト appreciate」には「鑑賞する」と「感謝する」という、2つの意味があると書かれています。この言葉は、2つの意味の間に切っても切り離せない密接な関係があることを教えてくれます。
「アプリシエーション」とは、なにかにふれて、わきあがった感情とその感情が生まれるプロセスすべてを指し示す言葉であり、ただそれが「ある(在る)」ということがいかに「ありがたい(在り難い)」ことかという点に意識を向けた態度だと言えるでしょう。
僕は、このアプリシエーションこそが学びを楽しく豊かにするものになるのではないか、そして結果的に学ぶ人にとって最大の励みになるのではないかと思うのです。
人は誰しも、アプリシエイトされるとうれしくなって、ますますがんばろうという気持ちになります。そしてアプリシエイトした人も、相手を「在り難い」存在だと感じ、ますます親愛と感謝の気持ちを持つようになるでしょう。もし自分がそのような気持ちで相手に接することができれば、きっと相手も自分をアプリシエイトしてくれるはずです。
良い「つくり手」は良い「つかい手」であり、良い「わかり手」であることが多いのは偶然ではありません。多様な存在である人間がお互いに尊敬しあい、高めあい、愛情によって支え合うことによって、私たちの創造はどんどん素晴らしいものになっていくのです。
僕が新しい学びの場をつくるなら、アプリシエーションにあふれた場にしたいと思います。評価という冷たいメスで切り刻み、子どもたちに弱点を意識させて自信を失わせるかわりに、アプリシエーションという尊敬と愛情と感謝を注ぎ、ただみんなの持つ可能性を開花させてあげたい。
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いいですね。
そしてこの章のラストはこう締めくくられる。
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ひとつの基準で結果を評価するかわりに、発想そのものや創造のプロセス全体を愛でるアプリシエーションがあればいい。その姿勢は、成果に対する尊敬はもちろん、それを行った人への愛情と感謝を生む。
アプリシエーションが励みとなって生まれた新たな挑戦がさらなるアプリシエーションを生む。そして、その先に多様な良さを認め合う社会が生まれる。
学びの場は、評価をして自信を失わせる場ではなくお互いが多様なアプリシエーションによって、勇気づけられる場であればいいと僕は心から思った。
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いいですね。
「ともにつくる」の土台には、「アプリシエーション」を位置づけたいなと思いました。
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