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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2014年10月17日

マッチングモデルと固定的知能観

「大きくなったら何になりたいんだ?」
「将来の夢はなんだ?」
と子どもや学生に聞いたことがあるだろうか?

マッチングモデルと固定的知能観
「一歩踏み出せば昨日と違う自分になれる!」(ライアン・バビノー、ジョン・クランボルツ 日本文芸社)

ふたたびこの本。

「仕事上での成功は、あらかじめ将来の職業を選びそれにひたすら打ち込むことにかかっている。」

という「キャリアマッチングモデル」
は日本でも多くの人が採用するところである。

イチローや石川遼、本田圭祐の
小学校のときの卒業論文を取り上げ、
「ひとつのことを熱心にやったら彼らは成功した」
というのは、決して間違ってはいないだろう。

しかし。
そのとき、事例はわずかに1つだ。
統計的な根拠は非常に弱い。

にもかかわらず、
このような「マッチングモデル」が採用され続けるのはなぜだろう?

この本によると、
それは1900年代はじめのフランク・パーソンズの研究にまでさかのぼる。
パーソンズは職業指導の父と呼ばれる人物で
人にはカギとなる才能、興味、性格があり、それらの特性は
特定のキャリアに結び付けることができると提唱しています。

この本の著者たちは、
これを以下の3つの理由で
「キャリアマッチングモデル」が合わなくなっていると言います。

~~~ここから一部引用

1つ目は、
マッチングモデルは、人は多面的で興味は絶えず変化することを
考慮に入れていないことです。
いま、刺激的でおもしろそうに思えることもひょっとすると
1年後には、もっと言えば明日にはもうそう思えなくなっているかもしれない。
それなのに、ひとりの人を変わらない特徴で定義できるというのは非常に馬鹿げています。

2つ目は、
職業が特定の性格タイプや興味と結びつくものと想定していることです。
論理的・内向的で数学が得意ならエンジニアに、
優しくて面倒見が良くて動物好きなら獣医に向いていると言えるでしょう。
しかし、論理的な獣医や優しくて動物好きな数学者になりたいと思ったら、
その職業につけないのでしょうか。

3つ目は、
社会は絶えず変化している事実を見落としていることです。
グーグル、アップル、アマゾン、フェイスブックなど、
世界でもっとも勢いのある企業を見れば、
数えきれない人が10年前には存在すらしなかった企業で
働いていることに気づくでしょう。

まだ名もない職業があなたに向いていると知らせてくれる、
カウンセラーや本や検査はどこにもありません。

これから歩んでいく人生の中で、
現時点では想像すらできないようなたくさんのチャンスに出会うはずなのです。

~~~ここまで一部引用

このマッチングモデルと、
中学・高校で培われる「自分の能力には限界がある」という固定的知能観が
キャリア教育・指導・支援の前提になっているとすると、

キャリアを選択するというのは、
なんと苦しいものなのだろうと思う。

自分は変化し続けているし社会も変化し続けている。

そして、
「経験すればするほど、自分は成長できる。」
という成長的知能観。

その前提に立ち、
マッチングモデルから脱却し、
「試作版」として生きる決意をすることこそ、

高校・大学時代にやるべきことなのではないか。

そのために、「地域」というフィールドは、
非常に魅力的な場所になる。

マッチングモデルと固定的知能観を超えて、
キャリアデザインとキャリアドリフトを組み合わせ、
成長的知能観を取り戻していくような
地域社会でのプログラムをつくること、が自分自身がいまやるべきことなのかもしれない。

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Posted by ニシダタクジ at 05:46│Comments(0)日記
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