2024年05月06日
継承すべきなにものかを持っている人だけが
『すべての仕事はクリエイティブ・ディレクションである』(古川裕也 宣伝会議)
読み終わりました。
強くおススメしたい1冊です。
読後にグッとくるものがあります。
まず「新しさ」について
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そのアイデアは対象物を事前事後でより良い状態に変化させるのか?
新しさとは、時間的・歴史的概念である。過去との相関性のなかで、「歴史的コンテキスト」という視座からのみ、新しさは生み出すことができる。そして、認識することができる。
今までの歴史の流れをこのように変えた。今までの歴史になかったこういう要素を加えた。今までの歴史にこういう視点を持ち込んだ。今までの歴史を逆流させた。今みでの歴史になかった方法を発明した。などなど。
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そうそう。「新しさ」をアウトプットしたいなら、まず過去を徹底して学び、振り返らなければならない。何がやられていて、何がやられていないのか。そのために歴史を学ぶのだな、と。「探究活動」こそ、過去を、過去から学ばないといけないよなあと。
単体では課題は解決しない。だからこそ課題なのだ。何かをデザインするしかない。地域はアイデア、つまり「ひらめき」と「直感」を必要としている。そのためにはまずは歴史を学ぶこと。もう一つは場でそれを起こすこと。
そして、「不確実性」について
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人は何もわからなければ、死にものぐるいで答えを見付け出そうとする。けれど、いったんわかってしまうと、経験から想像し、一から考え直すことはありません。私たちには不確実性が必要です。
不確かであればこそ、どのようにすべきか、掘り下げて自問するようになります。クリエイティブな会社であり続けるために必要なのはカオスだと思います。カオスは秩序が成し得ないことをもたらします。
秩序が決して求めないことを要求する。秩序が隠そうとすることを暴露する。カオスこそが、本当に成長を促してくれて、意味のあるモノづくりを求めてくる唯一のものです。カオスこそが、クリエイティビティを育むのです。
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右脳から入って、左脳に落として、購買させるのが広告だとすると。キーワードや画像・動画という右脳から入って、左脳というか方向感・目指すもの・ビジョンを示して、プラスアルファで身体性に訴える、っていうのがこれからの方法なのかもなあ。
さらに、「祭り」とはなにか?
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祭りとはなにか?
・本来は地域を限定しているもの(コミュニティの内部のためにやるもの)
・「祝祭性」と「参加性」
・参加者全員の陶酔感・一体感
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これをいかにつくれるか?
がコミュニティ形成のカギかもしれない。
さらにメモ
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「主語」の力である。それがすべてなのだ。残酷だけど、これがブランドの本質であり、ブランディングとは、主語の力を強くする運動に他ならない。
ヒトは、今まで、学生や職業というコミュニティに一義的に強く属していた。けれど、これからは、自分の望むコミュニティに、好きなだけ参加することができる。複数のtribeに。
何を継承し何を破壊し何を新たなに付け加えるか。掛け算の左側をグッチの歴史と置いたとき、今この時、何を右側に置くと、いちばんチャーミングで、人が新しいと感じる衝突・対立が生まれるか?
起業する若者のビジネス・デザイン
1 課題解決のアイデア
2 テクノロジーを信じる
3 起業ありき
課題⇒アイデア⇒エクゼキューションというプロセスに乗っているわけではない
たとえば、これは世界を変えるはずだ!という「テクノロジー」を信じてスタート。
アイデアが課題に先行するのだ。課題があって、それに対してアイデアが存在するのではない。
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「アイデアが課題に先行する。」まさに、いま高校の授業で僕が探究しているところ。
「場」から生まれる「直感」が課題に先行する探究っていうのがあり得るのではないか。
第6章「世界にはアイデアが足りない」はこんな一節から始まる。
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「広告業界は、これからどうなっていくんでしょう?」
愚問である。なぜか。その問いからは何も生まれないからだ。むしろ、こういう視座を持つべきだと思う。
「広告の仕事で獲得した能力を使って、今までやったことのないどんなことができるだろう」
⇒広告の仕事で様々な能力を持ってしまった人たちが、これからは、広告以外のフィールドでいい仕事をしていくだろう
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こんな愚問を投げかけていないだろうか。
AIでどうなっちゃうのでしょう?とか、
分校になったらどうしましょう?とか
農業従事者の高齢化でどうなっちゃんでしょう?とか
投げかけているヒマはないのです。
これまでに獲得した能力を使って、新たな領域へと行くのです。
種目は非連続だけど、能力・技術は連続。そんな場所へ。
ラストに、「教育」についての本質的な一言を。
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教育とはサクセッション=継承のことに他ならない。だとすると、継承すべきなにものかを持っている人だけが、若い人たちを教えて意味があることになる。
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教育に携わっていると思っている全ての人に問いかける一言。
あなたが持っている「継承すべきなにものか」とは何ですか?
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