2023年05月30日
大人が苦しむ授業「地域学A」
地域学Aの顔合わせ
阿賀黎明探究パートナーズとの協働授業の初日
「定性チーム」と名付けられたチームには
2年生男子2名女子3名
昨年までは「福祉チーム」と呼ばれていたチーム
「大人が主導しすぎた」という昨年度の振り返りから、今年はゴールも内容も決めないで、題材だけを決めるという設計で授業を始めている。
「設計で」と書いたが、設計していない授業だ。
初日。
定性チーム。
自己紹介のあと、社会福祉協議会の谷垣さんが
今回のフィールドとなる七名地区「七福の恵」について概要説明。
来週の現地見学に向けての導入を行った。
・NPOが管理する温泉施設 七福温泉「七福荘」
・七つの地域があり、一地域 10世帯ほど
・高齢者のひとり世帯多い
・デマンドバスが走っている
・NPO=みんなの利益になることをやる
さて。
どうやって進めていこうか。
困っていることを考えて、その解決策を探ろうか。
自分たちの困っていることと合わせて、なにかできることがないか考えようか。
それとも、魅力を探して見つけて、それをPRしようか。
温泉施設の中にある物品販売をお手伝いしようか。
やってみた付箋ワークは、年4回、そこに足を運びたくなるには?
個人で付箋を書き、発表し、もういちど眺めてみて
やっぱりこれがいいという2,3枚を選んでもらう。
5人全員が挙げたのが「キャンプ」だった。
(アニメイベント、音楽フェス、朝カフェ・・・もありました)
しかし。
「キャンプ」と言っても、ひとりひとりのキャンプ像が違っていた。
・キレイな景色
・肉を食べたい(BBQ)
・焚き火したい
・花火したい
・家族と非日常の時間を過ごす
そんなのを出したところで振り返りの時間。
本番は、そこからだった。
授業終了後、大人チームの振り返りの時間。
なんといっても1学期に与えられた授業は今回と来週の現地見学の2回のみ。
それを元に9月にはなにかしらのアウトプットを出さないといけない。
当然、キャンプイベントを授業時間内にはできない。
そして、キャンプが地域にとってプラスなのか、意味があるのか?
そもそも、自分たちが伝えたいことってなんだっけ?
七名地区のみなさんが地域のことは地域でなんとかしようとこの温泉施設をベースに活動していること。過疎化・高齢化のど真ん中にも「暮らし」があるっていうこと。そんな福祉的な要素を伝えたい。
そんなときに「キャンプ」っていうアウトプットになるのか?という違和感。
最初に想定していたのは、高校生が町のイベントで七福の恵のPRのためのブースをつくり、物品を売ったりする、みたいなイベント。
でもさ、それって、根っこの部分の「支え合う暮らし」みたいなのとどうつながるんだろう?って。高校生が当事者性を持って、取り組めるのだろうかって。
リーダー谷垣さんが言った「高校生の自分事はこういうことなんですね」。
ここからどうやってアウトプットするのか?
高校生の学びにできるのか?
どんなことが伝わるのか?
そんなことをみんなで考え、悶々とする時間。
僕が関わった授業史上でもっとも苦しい時間だった。
僕たちは高校生に対して、「伝えよう」という意図を持って伝えても結果として「伝わらない」ことを何度も経験してきた。
だからまず高校生の声を聴いたのかもしれないし、まだチューニングをしている時間なのかもしれない。
谷垣さんが最後に言った。
・外のひとのために出来ること
・地域のために出来ること
・そのベースにある「暮らし」
それをワークシート化してみようかな。
「定性チーム」。
まさに、って思った。数値化できない価値そのものを探究するチームだ。
高校生と地域が一緒につくる価値ってなんだろう?
そんな問いの真っただ中に授業をつくる。
「ともにつくる」ってそういうことなのかもしれない。
ふりかえり中、僕はただただ苦しかった。ここからどうやって、プロジェクトをつくっていこう?って途方にくれながらも考え続けていた。
「ジェネレーター」ってそういうことなのかもしれない。
「学級の歴史学」に書いてあった「事前制御」され「自己抑制」を強制される学級・授業ではない何かの兆しが少し見えた。
高校生も大人もゴールが分からない授業。
ともに悩み、ともにやってみて、ともにつくる授業。
そんな第1歩。
地域学Aの初回は苦しくて楽しくてうれしい授業となりました。
阿賀黎明探究パートナーズとの協働授業の初日
「定性チーム」と名付けられたチームには
2年生男子2名女子3名
昨年までは「福祉チーム」と呼ばれていたチーム
「大人が主導しすぎた」という昨年度の振り返りから、今年はゴールも内容も決めないで、題材だけを決めるという設計で授業を始めている。
「設計で」と書いたが、設計していない授業だ。
初日。
定性チーム。
自己紹介のあと、社会福祉協議会の谷垣さんが
今回のフィールドとなる七名地区「七福の恵」について概要説明。
来週の現地見学に向けての導入を行った。
・NPOが管理する温泉施設 七福温泉「七福荘」
・七つの地域があり、一地域 10世帯ほど
・高齢者のひとり世帯多い
・デマンドバスが走っている
・NPO=みんなの利益になることをやる
さて。
どうやって進めていこうか。
困っていることを考えて、その解決策を探ろうか。
自分たちの困っていることと合わせて、なにかできることがないか考えようか。
それとも、魅力を探して見つけて、それをPRしようか。
温泉施設の中にある物品販売をお手伝いしようか。
やってみた付箋ワークは、年4回、そこに足を運びたくなるには?
個人で付箋を書き、発表し、もういちど眺めてみて
やっぱりこれがいいという2,3枚を選んでもらう。
5人全員が挙げたのが「キャンプ」だった。
(アニメイベント、音楽フェス、朝カフェ・・・もありました)
しかし。
「キャンプ」と言っても、ひとりひとりのキャンプ像が違っていた。
・キレイな景色
・肉を食べたい(BBQ)
・焚き火したい
・花火したい
・家族と非日常の時間を過ごす
そんなのを出したところで振り返りの時間。
本番は、そこからだった。
授業終了後、大人チームの振り返りの時間。
なんといっても1学期に与えられた授業は今回と来週の現地見学の2回のみ。
それを元に9月にはなにかしらのアウトプットを出さないといけない。
当然、キャンプイベントを授業時間内にはできない。
そして、キャンプが地域にとってプラスなのか、意味があるのか?
そもそも、自分たちが伝えたいことってなんだっけ?
七名地区のみなさんが地域のことは地域でなんとかしようとこの温泉施設をベースに活動していること。過疎化・高齢化のど真ん中にも「暮らし」があるっていうこと。そんな福祉的な要素を伝えたい。
そんなときに「キャンプ」っていうアウトプットになるのか?という違和感。
最初に想定していたのは、高校生が町のイベントで七福の恵のPRのためのブースをつくり、物品を売ったりする、みたいなイベント。
でもさ、それって、根っこの部分の「支え合う暮らし」みたいなのとどうつながるんだろう?って。高校生が当事者性を持って、取り組めるのだろうかって。
リーダー谷垣さんが言った「高校生の自分事はこういうことなんですね」。
ここからどうやってアウトプットするのか?
高校生の学びにできるのか?
どんなことが伝わるのか?
そんなことをみんなで考え、悶々とする時間。
僕が関わった授業史上でもっとも苦しい時間だった。
僕たちは高校生に対して、「伝えよう」という意図を持って伝えても結果として「伝わらない」ことを何度も経験してきた。
だからまず高校生の声を聴いたのかもしれないし、まだチューニングをしている時間なのかもしれない。
谷垣さんが最後に言った。
・外のひとのために出来ること
・地域のために出来ること
・そのベースにある「暮らし」
それをワークシート化してみようかな。
「定性チーム」。
まさに、って思った。数値化できない価値そのものを探究するチームだ。
高校生と地域が一緒につくる価値ってなんだろう?
そんな問いの真っただ中に授業をつくる。
「ともにつくる」ってそういうことなのかもしれない。
ふりかえり中、僕はただただ苦しかった。ここからどうやって、プロジェクトをつくっていこう?って途方にくれながらも考え続けていた。
「ジェネレーター」ってそういうことなのかもしれない。
「学級の歴史学」に書いてあった「事前制御」され「自己抑制」を強制される学級・授業ではない何かの兆しが少し見えた。
高校生も大人もゴールが分からない授業。
ともに悩み、ともにやってみて、ともにつくる授業。
そんな第1歩。
地域学Aの初回は苦しくて楽しくてうれしい授業となりました。
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