2023年10月25日
「アート」と「コネクティング・ドット」
『ビジネスの限界はアートで超えろ』(増村岳史 ディスカバートゥエンティワン)
こういう本、うっかり買いがちですね。(笑)
参考:
【初心者向け】デザイン思考・アート思考の概要と必要性
https://note.com/zelda1/n/n94ccaf6d20f3
この中に図が出てくるんですけど、これ、めっちゃ明確でいいなと
「アート」「デザイン」「サイエンス」「テクノロジー」を「課題解決」」-「問題提起・価値の創造」という軸と、「ロジック」-「感性」という軸で4象限に分けます。
テクノロジー:ロジックで課題解決を図ります
サイエンス:ロジックで問題提起・新たな価値の創造をします
デザイン:感性で課題解決を図ります
アート:感性で問題提起を行い新たな価値の創造をします
そして、この4象限は相互に関連し合っていると著者は説明します。
ここでもうひとつ「表層的な思考」と「深層的な思考」の話。
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表層的な思考とは、短期的な課題や目標を完遂するためのものです。具体的例としては
・KPIを達成するために日々の仕事でPDCAを回す
・来週末に実施するバーベキューの食材リストを考える
・天気予報によると明日は大雨なのでレインコートとレインブーツを用意する など
深層的な思考とは、長期的な目標達成やビジョンを実現するためのものです。具体的例としては
・2023年問題に対してどのような対策をとったらよいのか?
・2030にすべての車が電気自動車化した際の自動車関連産業はどうしたらよいのか?
・人生100年時代に30年後の自身の人生設計をする
日々の仕事や生活では「表層的な思考」でさまざまなことをこなしていますが、長期的なビジョンを育むための「深層的な思考」を持っていないと路頭に迷ってしまいますし、人として生きていくことの価値を見出せなくなってしまいます。
テクノロジーやデザインは課題解決のために必ず実現・実行するためのものですので、どちらかというと「表層的な思考」に依存しています。一方、サイエンスやアートは世の中に問題提起をし、新たな価値を創造するものであるため、「深層的な思考」により多く依存しています。
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これって、「サイエンス」「アート」を「哲学」に言い換えても言えると思いますね。またはこの数日の文脈で言えば、「遊び」ということになるでしょうか。「〇〇のために」とか「課題解決」とかって、非常に表層的な思考だし、価値を志向しちゃうなあと思います。
「サイエンス」「アート」というようないわゆるすぐに役に立たない「教養」みたいなものが、あとになって効いてくるのではないか、スティーブジョブズがマッキントッシュのカリグラフィーを生んだエピソードを元に説明します。
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「深層的な思考」はいわば地層のようなものです。さまざまな経験や学習が血となり肉となり自己のアイデンティティが確立されるように、「深層的思考」が顕在化するまでには大きな個人差があります。しかしながら、必ずどこかで、何らかの形で「深層的な思考」が生きてくるのです。
スティーブジョブズには、「深層的な思考」であるアートを学んだ経験が、すなわち、頭の中の深い地層の中にある引き出しにしまってあった「カリグラフィーを描いた経験」が10年の時を経て突如、具体的なアイデアとしてよみがえってきたのです。
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「コネクティング・ドット」のドット(点)は、まさに深層的な思考で頭の中にある深い地層に眠っていたものがいつかつながる時が来て、そこから新たなものが生まれてくるのだなあと。
「コネクティング・ドット」への新たな説明を手に入れました。♪(レベルアップの音)
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