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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2019年01月08日

感じる本棚

2016年4月。
神奈川県茅ケ崎市の茅ヶ崎市美術館。
そのエントランスで、ひとつの展示が催されていた。

感じる本棚

感じる本棚

感じる本棚

「あなたが未来に託す思い展」

茅ヶ崎市の農園付コミュニティスペース「REVENDEL」を
運営する熊澤さんの企画だった。
2015年の12月に知り合い、ハックツのアイデアを話したところ、
ハックツをやろうとしていた熊沢さんと学芸員の藤川さんのコラボで展示が実現した。

「ハックツ」そのものがコミュニケーションのデザインになる。
そう思った。

感じる本棚

熊澤さんの言葉が胸に刺さった。

いろんな仕事の人をただ集めたわけじゃない。
この人は、という人に、声をかけた。

自分の蝋燭を燃やし続けている人。
次世代に何かを紡いでいる人。
そんな気になる10人をまずは思い浮かべた。

「今回、本当に僕からの意図が伝わった方は、
本当に大切な1冊しかない本(買えない)を手放してくれています。
しかし、そういった方に限って、僕が預かる際にお礼を言われました。

『自分の本当に大切にしていた気持ち、その時の情熱が蘇ってきた。いい機会をありがとう』
と。手放したようで、得ているのです。実は本を手放す側も貴重なワークを体験してるのです。」

「未来に託す想い」を、たった1冊の本にメッセージをつけて贈る。
57人の思い。
57冊の本。

「本の展示」を行う。ふつうは美術館ではなくて、図書館だろうと思う。
この茅ヶ崎では、図書館ではなく、美術館で「展示」するところが大きかった。
美術館は、観るところであり、感じるところだからだ。
図書館は、本を借りるところだから、展示だけでは機能を果たさない。

忘れられない風景がある。
せっかくだから、と常設展を見て、
出口からエントランスに戻った。

感じる本棚

まぶしかった。
光を放っていた。

もちろんそれは、エントランスの、
建築デザインが素晴らしかったから、
という理由もあるだろう。

でも、僕には、確かに光って見えた。
本棚が、1冊1冊の本たちが、躍動しているように思えた。
今回の「かえるライブラリー」の表現で言えば、
「本が歌を歌っているよう」だった。

熊澤さんも言っていた。
「本が集まったとき、段ボールに詰めていたのだけど、
そこからエネルギーが出まくっていて、夜寝るときに気になって
眠れなかった。早く美術館に持っていきたかった。」

茅ヶ崎市美術館での展示を受けて、

その後、
2017年には奈良県立図書情報館を舞台に奈良女子大の学生たちが実施。
2018年には茨城県の明秀学園日立高等学校でも実施された。
いずれも、商店街を歩き、「10代に贈りたい本」をヒアリングし、集めた。

本は読むもの。本棚は感じるもの。
茅ヶ崎のように、たくさんの思いが詰まった本を
本棚にならべることで、「感じる本棚」ができていく。

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Posted by ニシダタクジ at 07:10│Comments(0)かえるライブラリー
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