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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2017年09月21日

「本屋」という芸術



9月21日。
宮沢賢治さんの命日。
すでに84年が過ぎた。

いや、84年しか立っていない
と言えばいいのか。

「農民芸術概論綱要」
僕の人生を、価値観を、大きく揺るがせた1冊。
1926年に農民芸術概論を講義・執筆した。

僕がその文に出会ったのは、
たしか1996年の冬だったように思う。
筑波大学の橘先生に出会った。

僕は「感染」してしまった。
学びの最大の動機である「感染動機」。
まさに人は「感染」する。

僕も感染してしまった。
2か月に1度行われる
橘先生の公開ゼミ「つくば有機農業ゼミ」
に新潟から通っていた。

宮沢賢治や宮崎駿を取り上げ、
現役の農家さんたちを含めて議論した。
農業のやり方ではなく、
根っこの部分のあり方、存在を話し合っていた。

僕が昨日気づいたこと。
「就職」という概念を変えるということ。

僕が大学4年生のときに決断したのは、
「就職しない」ってことじゃなかったこと。

宮沢賢治が「農民芸術概論綱要」で言ったような、
芸術を生きる。ということ。
あのとき、僕は
「畑がなければ生きられない」と心底思った。

「農民芸術の総合」より

おお朋だちよ 一緒に正しい力を併せ
われらのすべての田園とわれらのすべての生活を
一つの居きな第四次元の芸術に創りあげようではないか・・・

そうそう。
それです。

農業と芸術。
これがキーワード。
そういう意味で僕は芸術家になりたい。「芸術家の時代」をつくりたい。
心底そう思ったんだ。
いや、芸術家の時代が来るんだと。

もし、人生が芸術であるとするならば。
就職とはいったいなんだろうか。

「就職」を「結婚」と同じく人生の一大イベントであるかのように
みんなが信じ込んでいるのは、そこにビジネスが動くからではないのか。
労働者を生み出すための方便ではないのか。

石の上にも3年。
継続は力なり。

いや、それは嘘じゃない。
たしかに会社に3年いれば、一人前になる。
その会社にとって、ね。

でも、その先に幸せはあるのかい?
って問いかけたくなる。

かつて。
終身雇用制度がしっかりとしていたころ。

石の上にも3年。
ガマンが大切。
というのもある程度意義があっただろう。

それができれば定年まで勤められて、
郊外に小さな家を買えて、ローンを返せて、
年金でのんびりした老後を過ごせる。
そういうことができた。
でもそれってフィクションだよね。もう。

「就職」という概念を変える時が来ているのではないか。

「就職」は少し大きな船に乗る、ということ。
行き先が似ていそうだから、そこに乗ってみるよっていうこと。
この人と一緒に船旅をしてみたいから、乗ってみるよっていうこと。
乗るからには何か、お手伝いできることはありますか、っていうこと。

そんな感じ。

「起業」も同じ、「バンドやろうぜ」って仲間を誘うときみたいに、
「小さな船、つくってみない?」
っていうこと。
小さな船は波を受けやすいし、天候不順に弱い。

でも、こいつらとだったら、
そういうのも楽しそうだなって
思えるから船に乗るんだよね。
だから、いつでも降りていい。

そんな感覚をつくっていくこと。
これが僕のやる本屋の使命なのかもしれない。

世界を広げる。
横ではなく、縦に。
世界は何重にも複層になっているから。
そんな風に世界の断面図の見方を提供する本屋になりたい。

もし、人生が壮大なキャンパスだとしたら、
本を読むのも、旅に出るのも、インターンも、就職も
期間の長さは異なるが、単なる一科目にすぎない。
そんな風に見えたほうが、人生楽しくなる気がする。

僕も、そんな船に乗りたい人たちと、
本屋という芸術を、一緒につくりたい。

宮沢賢治先生、あとは僕に任せてください。
できるかできないかわかんないけど、やってみますわ。  

Posted by ニシダタクジ at 06:46Comments(0)足跡