2023年07月07日
身体的思考

「コンセプトのつくり方」(山田壮夫 朝日新聞出版)
コンセプトって大切ですよね。高校の探究の授業でもコンセプトづくりって大事だなと。
それをどのやってかみ砕いで、実践的に伝えられるかっていうのがテーマでもあります。
この本のキーワードは「身体性の復権」。
まさに、そんなタイムリーなときに来てくれる本たちです。感謝。
一箱古本市@風舟の「きょうはなんにち書店」で買いました。
次回は7月23日(日)。まだ出店受け付けております。
https://kazafune.fun/news/300/
ということで、この本。
~~~以下メモ
イノベーション:
「ひとの行動・習慣・価値観にもう元に戻れないような変化をもたらすモノ・コト」
そもそも「正解」とは、「いまの常識」に従っているだけのこと。いまの常識で一番トクをするのは業界トップなのに、二位の企業も10位も100位もトップと同じ「正しい」戦いをしていたら、いつまでたっても大きな成果など上がるはずもありません。
タテ(マネジメント軸):ビジョンで論理的に管理する
ビジョン‐課題‐コンセプト‐具体策(現実)
ヨコ(コミュニケーション軸):ターゲットの気持ちを動かす
ターゲット‐(課題‐コンセプト)-商品・サービス
参考:SECIモデル
https://www.dodadsj.com/content/230427_seci-model/
「ぐるぐる思考」
1 感じる
2 散らかす
3 発見!
4 磨く
その前に古いサーチライト(常識)を確認する。
1 感じる⇒資料集め:自分のからだの中に「こびとの世界」をつくる
タテ:時代・社会-(課題・解決)-広く競合の商品・サービス
ヨコ:生活者-(課題・解決)-自社の商品・サービス
(課題・解決)に関する資料:一般的資料
それ以外に関する資料:特殊資料
⇒これらをとにかく集める
2 散らかす
4つの軸でこびとをいったりきたりさせる
3 発見!
身体的に取り組んできたコミュニケーション軸が「課題‐コンセプト」でしっかり結びつき、脳みそ(マネジメント軸)でチェックしてもビジョンときちんと符号するものこそが本物のコンセプトです。
課題はコンセプトの発見と同時に確定される
コンセプトはメタファーをつかうと感覚的に分かる。空飛ぶバス、とか。
4 磨くモード
「理解の谷」「習慣の谷」「根気の谷」を越えていく。
~~~
僕がワークショップで目指しているのも、きっとそういう感じの「発見」の瞬間なのだろうと。
・意見に対して拍手をするよりも観察・傾聴してあらたな意見をかぶせたいのは人間はいまこの瞬間に変わり得るからだろう。
・出した付箋をすぐに整理してほしくないのは、脳で考える⇒心で感じるにシフトさせたいからだろう。
もっと身体的に、もっと心で、感じてほしい。
そこから新しい発見と変容を生みたいからだろう。
コロナ禍のオンライン会議やオンラインでのインタビューで、身体性がないからこそ、脳だけで取り出せることができることが分かった。
同時に、ベクトル感のないオンラインイベント(オンライン飲み会とか)が難しいことが分かった。
本屋というのが身体的な場であることもよくわかった。
授業づくりのコンセプトにしてきた「発見と変容」(⇔達成と成長)と「場のチカラ」(個人のチカラ」の解像度が増した。
もっと真剣に「つくる」にフォーカスすること。
ワークショップの瞬間瞬間が、人生における大きな変容である可能性があるのだ。
5日、只見高校「総合的な探究の時間」でアドリブで口から出た言葉。
「世界の変え方が2通りある。ひとつは発明家になること。iPhoneを発明すれば世界は変えられる。もうひとつは、プロジェクトをやること。世界の見え方が変わる。POPづくりのプロジェクトをやれば、これまで素通りしていた道の駅のお土産ものコーナーのPOPを見るようになる。それって世界変わってませんか?」
って。
あ、「政治家になる。っていうのも入れて3つにしておこうかな。」
要するに、環境を変えるか、認知を変えるかっていう話なんですけどね。
「認知を変える」:世界の見え方を変え、身体的に思考し、創造に向かい、発見と変容を繰り返す。
たぶん、僕の手法はそういう感じ。