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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2016年11月08日

「やりたいことは何か?」ではなく「顧客は誰か?」

問いって大事だ。
どんな問いを立てるかで人生は決まる。

その最初の問いが、
あまりにも一元化しているのではないか。

「やりたいことは何か?」

多くの人が人生をここから入ってしまう。

それは、学校教育や家庭での、
「将来、何になりたいんだ?」という問いかけと
「13歳のハローワーク」や、
マスコミによる「ひとつのことをやり続けることがカッコイイ」
的な価値観によって、半ば脅迫のように機能している。

中学生のときにぼんやりと「おれ、なにやりたいんだろ?」と問いが始まり、
ひとまず先延ばしにして受験勉強頑張って、
大学生になって、もやもやしながら3年間をすごし、
いざ、就職活動になって、たまたまツルハシブックスに来て、

「やりたいことがわからないんです」

と悩みを打ち明ける。

それ、たぶん、問いが違うんです。
出発点が違うんです。

「13歳のハローワークの呪い」
http://hero.niiblo.jp/e482630.html
(2016.11.1 20代の宿題)

に紹介したように、

職業は、ごくシンプルに、人間社会の役割分担の結果として、
社会の必要を満たすためにそこにあるものだ。
ゴミを拾うのが大好きな人間がいるからゴミが生まれているのではない。
ゴミ愛好家のために廃品回収業という職業が考案されたわけでもない。

それなんだよね。
そんなことをぼんやりと考えながら昨夜、本屋さんで見つけた本。

「やりたいことは何か?」ではなく「顧客は誰か?」
「ドラッカー 時代を超える言葉ー洞察力を鍛える160の英知」(上田惇夫 ダイヤモンド社)

53番目。
いつも引用しているドラッカーの5つの質問。

1 われわれのミッションは何か
2 われわれの顧客は誰か
3 顧客にとっての価値は何か
4 われわれにとって成果は何か
5 われわれの計画は何か

ツルハシブックスサムライ合宿で確認している
5つの質問。

そして54番目
「事業を決めるのはあなたではない」

事業が何かを決めるのは顧客である。
社名や定款ではない。
顧客が満足する欲求が事業を決める。
事業の目的は顧客の創造である。

さらに57番目
「事業が何かを知る第一歩が、顧客は誰かを考えることである。
次に、顧客はどこにいるか、顧客はいかに買うか、
顧客はいかに到達するかを考えることである。」

ドラッカーは「経営の神様」と呼ばれたが、
先行きの不透明なこの時代においては、
誰もが「自らの人生を経営する」という気持ちを
持つ必要がある。

つまり、キャリア=仕事を考える上で、
ドラッカーの経営の視点というのは、
非常に有意義であると言えるだろう。

ここで冒頭の問いに戻る。

「やりたいことは何か?」
という問いは、事業を立案するうえで、
重要な問いではない。

事業を決定するのは顧客であるからだ。

ツルハシブックスにとって、顧客とは、
人生に悩む中学生高校生大学生だった。

それを「本屋のような劇場」を通して、
「きっかけ」を提供していくこと。
そんなことを目指していた。

2002年、27歳の時に、
不登校の中学3年生の家庭教師をして、
僕は「顧客」に出会った。

まったく話をしてくれなかった彼が、
だんだんと笑顔になり、話をするようになった。
中学生には、「地域の多様な大人」が
必要なのだと思った。

10年の時が過ぎ、
2011年にツルハシブックスが開業。
7月には地下古本コーナー「HAKKUTSU」が誕生。
地域の大人と中高生をつなぐ方法を手に入れた。

そして実際に中高生や悩める大学生・20代の若者が
集まってきた。

そして、その次の問いに進む。
「顧客にとっての価値は何か?」

そうして、気がついたことがある。
ツルハシブックスというか、僕自身の提供価値は、
「共に悩む」なのではないかと。

「共に悩む」という提供価値
http://hero.niiblo.jp/e475287.html
(2015.12.13 20代の宿題)

その場を提供するのに、
「本屋」という空間が最適なのではないかと感じた。
もちろん、結果論なのだけれども。

そして、偶然にも、「本の処方箋」というツールを手に入れた。

それによって、お客さんの心が開き、
悩みを話してくれることを知った。

そして、その「空間」が保てなくなったからこそ、
ツルハシブックスは閉店したのではないだろうか。

大学時代、誰もが
「自分の仕事探しの旅」に出る。

その出発点で問うべきは、
「やりたいことは何か?」ではなくて、
「顧客は誰か?」だ。

そして、その仮説としての顧客に対して、
サービス提供を行い、
「顧客にとっての価値」を考え続ける。

そうやって、自らの人生を経営し始めるのではないか。

僕が伝えたいのは、きっとそういうこと。

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Posted by ニシダタクジ at 07:53│Comments(0)言葉
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