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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2010年03月30日

自分を持つ、ということ

岩崎哲也さん

大学をこの春に卒業し、社会人となる。

高校時代、目立ちたがり屋だったという彼は
口だけの男だったと自分で振り返る。
目標はあるけど、努力はしない。
そんな生活だった。

勉強する意味が分からずに受験を失敗し、浪人。
どこにも所属できない状況に、自分が口だけの人間だと実感。

1浪後に再受験するも、第1志望だった経済学部には進めず、
悔しい思いをする。

そんな想いをバネに、
大学入ってから、勉強を始める。
「勉強ができたほうがエライ」
そんな価値観が染み付いていた。

努力の末、日商簿記2級、FP技能士2級を取得。
「勉強もやればできる」と自信がついてきた。

そんな岩崎くんの人生を変えた出会いが待っていたのは、
2008年7月に開催された「第1回社長に挑戦セヨ!!」(星野悟実行委員長)だった。

新潟大学法学部の3人が同じ参加者としてそこにいた。
3人は国際協力などについて取り組む
サークルのメンバーだった。

まぶしかった。
輝いていた。
「人間の密度が濃い」って思った。

それは、世の中に対する自分の意見を持っていたから。
そして、その中で没頭できる分野を持っていたから。

岩崎くんが入ったチームの企画は、最優秀賞となる。
振り返りで、瞳から熱いものがこみ上げてくる。

自分は間違っていた。
勉強できて、資格持ってるなんて、たいしたことじゃない。

世の中の価値観に合わせるのではなく、
自分の意見を持っているということ。
机上の勉強だけではなく、社会を知ることが大切で、
勉強だけに偏ると、人間的に奥が深くならない。

個性を持つということは、
世の中で「自分」を主張していくということ。

俺も、現場を見て感性を磨きたい。

そう思い、岩崎くんは「起業家留学」に飛び込む。
(株)総合フードサービスの地産地消事業立ち上げプロジェクトで
農家営業を経験する。

そこで出会った農家、渡辺農園の渡辺さんに惚れこんでいく。
「人と同じことをやっていてもダメだ」が口癖で、
黄色いニンジンなど、新しいことに次々とチャレンジする渡辺さん。

野菜の取引先として、話を聞く中で、
どんどん引き込まれていく自分がいた。

岩崎くんは渡辺さんを人生の師匠だと言う。
個性を出す、ということを学ばせてもらった。

起業家留学修了後、岩崎くんは
渡辺農園でアルバイトを始めた。

種まきから収穫まで経験してみたい、
作るだけじゃなく、経営を学びたい、
とのことだった。

「営業を学びたい」
営業なら何でもよかったという岩崎くんは
徐々に農業の魅力に気づいていった。

この春、岩崎くんは、県内の金融業界に就職する。

そこでは、農家の支援ができるような仕組みづくりに
取り組んでいきたいと夢を語る。

「人との出会いが人生を変える。」
岩崎くんがあの夏に流した涙がいま、
大きな夢となって、
新潟の未来を創る原動力となっていく。

「自分を持つ。」
「個性を出す。」

たくさんの人、社会との関わりの中で
岩崎くんは自分をつかんでいったのだ。

  

Posted by ニシダタクジ at 06:41Comments(0)