2022年08月18日
「場」と「今」と「誇り」

大学生向け
企業取材インターン「ひきだし」の事前研修の日でした。
2020年度から完全オンラインになって3年目。
最初の年は、オンラインでの取材インターンは無理だと思い、中止しようと思っていた。
(合宿形式で得られるものが大きかったから)
が、オンラインだからこそできるっていうのがあるんじゃないか、
それを見てみたいという仮説でやってみたら、
ZOOMのブレイクアウトルームやチャット機能を駆使すると、
研修や取材の質が変化することが分かった。
特にインタビュー時のチャット機能の活用は、
インタビューを聞いている人が思ったことを書き込めるので
脳みそはフル回転するのだけど、話をどんどん展開させていくことが可能になる。
過去2年は、それを「オンラインの向こう側」と呼んだ。
3年目、オンラインが当たり前になったのと同時に、オフラインで行うインターンも増えてきた。
学生募集も、昨年に比べたら希望者が少なかった。
事前研修のキーワードは
・場のチカラ
・魔法をかける編集
・小さな誇りと物語
だった。
上の2つは、にいがたイナカレッジのプログラムでも言っているのだけど。
「場のチカラ」:成果を出すのは個人の力ではなく場のチカラなので、場のチカラを高めること
「魔法をかける編集」:いま、このメンバーでしか書けない記事を書くこと(感じたことを文字にすること)
そして3つ目。
取材先の人の小さな誇りを見つけ、再物語化すること。
歌われざる英雄(アンサング・ヒーロー)の発掘・発信。
今朝、振り返って思うのは、この3つは、僕自身の最大のテーマである
若者の自分らしさ(アイデンティティ)問題に対するアプローチなのではないか、と。
明治時代に、「自分」というフィクションを手に入れ、それを原動力に我が国は経済発展してきた。
ところがその経済発展という目的を失ったと同時に「自分」をも失ってしまった。
だから、
「場」にフォーカスすること
「今」にフォーカスすること
「誇り」にフォーカスすること
そこから生まれる「何か」にフォーカスすること。
「自分」にフォーカスしないこと。
たぶんそういうことだ。
「誇り」というのは、「継いでいく」べき物語のことなのではないか、って思った。
「継いでいく」と「創っていく」
そこに「誇り」が生まれ、物語が始まっていくのだろう。
それをクロスさせる「場」
今を感じられる「場」
創造のベースとなる「場」
を、僕はいろんな場所に(オンライン上も含めて)創りたいのかもしれない。