プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年03月31日

15歳に「手紙」を届ける本屋、はじめます

2008年、NHKの合唱コンクールのために
書き下ろされたアンジェラ・アキの「手紙~拝啓 十五の君へ」

2年連続で
NHK紅白歌合戦にも出場し、
大きな反響を呼んだ。

中学生の悩む心、将来への不安を
見事に表現した1曲だった。

テレビやネットでは、
歌いながら涙を流す中学生の姿が
何度も流れた。

苦しい。
なんという違和感。

いまでも僕は、
この歌を聴いて、共感はするけど、
僕は何とも言えない無力感に襲われる。

「十五の僕には誰にも話せない悩みの種があるのです。」
という十五歳の自分に対して、
「自分とは何でどこへ向かうべきか問い続ければ見えてくる。」

って。
そんな道徳的なことを言って、
果たして15歳は救われるのだろうか?

「誰にも話せない」のはなぜなのか?

そもそも「誰にも」の「誰」が
親と友達、学校の先生しかいないのではないか?
だから15歳はネット上に救いを求めているのではないか?
そんな地域社会に誰がしたのか?

そう思うと、僕はなんとも言えず悲しくなる。

2002年1月、前年に会社を辞めてプータローだった27歳の僕は、
あるお母さんに中学校3年生の家庭教師を頼まれる。

彼は学校に行っていなかった。
高校受験をしたいので勉強したいのだという。

最初、ほとんど口を開かなかった彼が1か月ほどで
だんだんと笑顔になり、よく話をするようになった。

不思議だった。
もっと立派な大人が周りにいるだろう、と思った。

そのとき。
学校や家庭以外の第3の場所で第3の大人に
出会える場所が必要なのではないか、と強く思った。

しかし。
僕にはその方法がわからなかった。

9年後、2011年。
僕は本屋になった。
ツルハシブックス開業から4か月後。
地下古本コーナー「HAKKUTSU」が誕生。

ただ、地下があいていたのでドラクエのダンジョンのような
古本屋さんをつくろうと思っただけだった。

置かれている本はすべて寄贈された本。
なぜか、入場できるのは29歳までとした。

「なぜ、年齢制限をしようと思ったのですか?」
取材されたメディアにそれを聞かれた。

そういえば、10年ほど前に、
中学生がどうやったら地域の大人と出会えるのか?
という問いを立てていたことを思い出した。

学校だけが世界のすべてではないことを
いま見えている世界だけが世の中のすべてではないことを
メッセージを付けた本を通じて届ける。

その本は15歳に向けて書かれた「手紙」
のようなもの。

この秋、東京・練馬で
スタートに向けて動いている「暗やみ本屋 ハックツ」は
入場者をさらに絞り10代限定とする予定だ。

先日の3月14日のキックオフでは、
10代に贈りたい本として、1冊本を持参してもらったら、
非常にクオリティの高い、思いの詰まった本が集まった。



20代までとするのと違い、
新入社員のときに読んだビジネス書などは贈れなくなるからだ。

15歳に本を通じて「手紙」を届ける。
そんな本屋さんをつくろうと思います。

この秋、オープンに向けて
クラウドファウンディングをスタートします。
みなさまの参加・参画をお待ちしています。

https://readyfor.jp/projects/hakkutsu  

Posted by ニシダタクジ at 07:36Comments(0)思い