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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2023年05月06日

「ともにつくる」「場」のつくりかた



Rural Readingさんで購入した3冊をぐるぐる読み。
タイムリーな本たちでした。高校生の地域系部活動文脈を考える上で、ヒントに富んだ3冊となりました。

旋回する人類学(松村圭一郎 講談社)
わたしのコミュニティスペースのつくりかた(土肥潤也・若林拓哉 ユウブックス)
本気で遊ぶまちの部活(ゆたり編集室 ゆたり文庫)

まずは「旋回する人類学」から問いを。

~~~
私たちはいったいどんな世界をつくりだそうとし、現実にどう世界を変えてきてしまったのか。それは、人類学という一学問に限らず、いまの時代を生きるすべての人にとって切実な問いである。

人類学の一筋縄ではいかない旋回の軌跡をたどりなおす過程は、その問いへの向きあい方がいくつもありうることを確認していく作業でもある。

多様な差異にあふれたこの世界で、ともに生きていくとはどういうことなのか。人間とはどんな存在なのか。秩序ある調和のとれた世界がいかに可能なのか。

本書であらためて人類学の歴史をひもとくのは、いま私たちが「答え」を必要としている課題へのさまざまな「問い方」の可能性を学ぶためである。
~~~
なるほど。「問い方の可能性」ね。なかなかモヤモヤするキーワードです。

次に「本気で遊ぶ まちの部活」へ。
こちらは群馬県前橋市で起こった「前橋〇〇部」の詳細が書いてある1冊。
前橋〇〇部についてはこちらから。(greenzさんのサイト)
https://greenz.jp/2019/06/18/maebashi_oobu/

facebookを活用したいわゆる「大人の部活動」
「アクションの敷居を下げる」っていう点において、
中高生の地域活動の参考になります。

■ミッション
1 前橋の新しいコミュニケーションの構築
2 誰もがアクションを起こせる土壌づくり
3 前橋の圧倒的な興隆
■そのために
1 「〇〇部」と敷居の低い言葉で誰でも発足し、参加できるものにする。
2 前橋を「自分事」と捉える
3 日常をイベントに変える
■ターゲット
「活動家」や「アーティスト」など、特殊技術をもった人をメインに考えるのではなく、あくまでも前橋で生活をする「普通の人」
~~~
これ、いいですね。
とくに、そのためにの3 日常をイベントに変える。
これ、阿賀町でもできそうなことがたくさんあります。

住民の当たり前の日常は、観光客や高校生にとってはとても新鮮なイベントの場になります。
僕も麒麟山に登って雲海をたまに見ていますけど、雲海がそんなに簡単に見れるなんて最初は衝撃でした。

そして最後にみんなの図書館「さんかく」の土肥さんの1冊。
これも「場」について激しく考えさせられる本。
~~~
コミュニティスペースづくりには、多様な人の参画が欠かせないと考えています。たくさんの人の手が加わることによって、多彩で豊かな場がつくられていくことを実感しています。そのためには、関わる時間や責任にグラデーションをもたせて、参加の裾野を広くすることも重要な要素です。

場を育てていくのは、その場に関わるさまざまな人の小さな思いの集まりだと私は考えています。ある意味で場づくりへの参加は自己実現とも言い換えられます。

つまり、その場を通じて自分の思いをカタチにする、誰かの思いをカタチにすることを支援するのがコミュニティスペースをつくる意義なのではないかと考えています。

さまざまな人の思いがカタチになる場所であるから、多様な人が集まる魅力が生まれます。目の前の人や場に来てくれる人の思いをどうやったらカタチにできるか?の視点で考えることが、場づくりの基本スタンスとして重要です。

普段出会わない異質なものと出会える場がまちにあることは、まちづくりにとって必要な要素です。

自由に過ごしてよい、何をしてもよいという空間は、逆に中高生にとって居心地が悪いということです。

その場所にいる言い訳をつくってあげること。
~~~
いやー、そうそう!ってなりましたね。
多様なベクトルを持った人を受け入れ、そのベクトルを確認すること。さらに目的をズラすっていうこと。そこに余白が生まれ、創造性が入る余地が生まれるということ。

そんな「場」をともにつくっていくこと。
そこから出発しないとな、と。

「高校生の支援をする」のではなくて、「ともにつくる」こと。
「高校生のまなび」と「参画するまちづくり」の真ん中に「場」をつくっていくこと。

そんなことを考えていたタイミングで、コミュニティ構想専攻の大学生の卒論相談の機会が。
タイムリーなので、この話をしつつ、もう一度「場」について考えてみる。

「場」の魅力は、「予測不可能性」と「一回性」にあると僕も思う。
http://hero.niiblo.jp/e480545.html
放浪書房が売っているもの。(16.7.5)

ではそんな「場」をいかにつくるのか?
または、高校生×地域で何ができるだろうか?
みたいな問い。
そしてそれは若者のアイデンティティの問題に直結しているのではないか、とか。

ひとまず昨日の時点での卒論テーマは、
「20代が参加・参画し、自己を表現できる地方の場のデザインの研究」
になりました。

ふりかえりトークで面白かったのは、
僕の現在の仮説である「自分たち」=Responsibility仮説について。

以下、ツイート
個性とは、Responsibilityである、という仮説。Responsibilityには広さと深さがあって、どこまでを「自分たち」として捉えるか、ということ。自分たちを「広げる」「深める」しながら、見つけていく過程のことを「学び」と呼ぶのかもな。その深さのひとつに「継いでいく」があるのかもしれない。

Responsibilityの異なる人たち同士が出会い、交じり合うと「余白」が生まれ、そこに構築される新しいものを「創造」と呼ぶ、とか

カフェの場としての魅力のひとつは「異なる目的を持つ人が同じ空間を分け合っている」ことだと思うのだけど、通常はそれらは交わらないのだよね。「予測不可能性」や「一回性」を生む場をつくるためには、交わる仕組み、仕掛けが必要なんだ。

ヨコ軸の自分の「好き」とか「誰かのために」とかいうのと、タテ軸の「継いでいく」みたいなものがクロスするところに「予測不可能性」と「一回性」を高めた「場」をつくっていくこと。それはそれでアイデンティティ構築の方法のひとつだと思う。
~~~以上ツイート

自分たち=圏のようなものっていうのに対して、圏だと「広がり」だけだから、「深まり」っていうベクトルもあるのでは?っていう問いから生まれた発想でした。

まさに!って思った。

人間はいくつものレイヤー(層)の集合体で、そのうちのいくつかを組み合わせて「場」で「自分」を演じる。
http://hero.niiblo.jp/e483303.html (自分を多層化して生きる16.12.20)

「広がり」と「深まり」っていう2軸の中に「自分たち」をつくっていく。
それが「自分らしさ」の構築方法なのではないか。

そして、「ともにつくる」とは、その2軸を意識しながら、場をつくり、場がつくっていくもの、であるかもしれない。  

Posted by ニシダタクジ at 08:15Comments(0)学び日記