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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2012年07月25日

「プライド」と「循環」、そして「共に生きる」

長野・小布施町のくりのみ園を訪問。
http://www4.ocn.ne.jp/~kurinomi/
理事長の島津さんにお話を伺う。

くりのみ園は障害福祉サービス事業所の
就労継続支援A型およびB型のいわゆる福祉作業所となっていて、
なおかつ小布施町認定の認定農業者となっている。

くりのみ園(小布施町大字都住1238‐2)
・自然有精卵養鶏3800羽
・無農薬野菜栽培50種類 250a
・無農薬米 25a
・農産加工 卵油、奈良漬、味噌漬け

NATURAL GARDEN くりのみ(長野市大字富竹1671‐1)
・無農薬野菜栽培 240a
・無農薬米 270a
・農産物直売所
・農産加工 プリン、カステラ、シフォンケーキ、ジャム・豆菓子
というかなりの規模の農業者となっている。

「田園福祉」(地域福祉と自然農業の連携)というコンセプトで取り組む、
福祉と農業の融合は、
これからの地域社会のあり方を示していると強く感じた。

島津さんにお話を聞いていると、
シビれる言葉と想いにあふれていた。

キーワードは
「プライド」と「共に生きる」、そして「循環」だ。

大切にしているのは、「プライド」
誰もが「認められたい」「やればできる」
と思っている。

その彼らの気持ちをベースにする。
彼らの立場にたって仕事を構築する。
それが農業だった。

「どうして自然養鶏を?」
と尋ねた僕に、島津さんは力強く語った。
生きていくということは食べていくということ、
農業こそ、すべての原点だ。

聞くと、昔の福祉作業所は、
昭和50年代まではみんなニワトリを飼っていたのだという。

それは、卵は儲かるから、とかではなくて、
生活の循環の中に自然と養鶏が組み込まれていたのだという。

野菜を作って、食べる。
野菜のかすをニワトリが食べる。
ニワトリの卵を食べる。
鶏糞を肥料として畑に返す。
そんな循環の中に当たり前のように、養鶏があった。

循環型農業。
その環の中にいることは、
利用者も、職員も
きっとすごく安心するんだろうと思った。

設立から15年が過ぎて、
学校給食センターや病院、
栗のお菓子で有名な竹風堂など、取引先も増えた。

島津さんは言う。
福祉が地域の中に組み込まれてこそ、
福祉の基本理念である「共に生きる」が実現する。
彼らの働く場、輝く場を地域に作っていくことだと。

くりのみ園は
シフォンケーキやプリンなどをつくり、
生産・加工・販売のいわゆる6次産業化に取り組んでいる。

この販売が、
利用者に与える効果は大きいと島津さんは言っていた。

「売れた!!!」
この瞬間、この感動。
このときに彼らは社会との接点を持つ。

お客さんはお金を払ってくれて、
しかも、ありがとうと言ってくれる。

認められた瞬間、
「プライド」が形成された瞬間だ。
それを体感すれば、もう休まないのだと島津さん。

やりたいから、やる。
認められたい、認められるには誰かの役に立つことをするということだ。

言わば、
プライドの発現による、アイデンティティの構築。

これって、障がいを持つ人だけじゃなくって、
世の中の人全てに当てはまるのではないか。

くりのみ園は、
それを15年前から取り組んでいるフロントランナーだ。
「地域」と「農業」、「福祉」を循環させ、プライドが構築され、
本当の意味での「共に生きる」を実現する活動。

島津さんが最後に語ってくれた。
「農業再興は日本を再興することだ。それを障がい者が作るんです。」

「はたらく」ということ
「生きる」ということ

「豊かさ」とは何か?
「幸せ」とは何か?

たくさんの問いがあふれているくりのみ園でした。

島津さん、お忙しいなか、あたたかく対応して頂きありがとうございました。

「プライド」と「循環」、そして「共に生きる」

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Posted by ニシダタクジ at 08:32│Comments(0)日記
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