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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2012年12月14日

モノを売るのは、こんなにも美しい

「モノを売るというのは、こんなにも美しいのだ」
商店主に誇りを与えてくれる講演だった。

「まちゼミ」の松井洋一郎さんに話を聴いた。
岡崎の商店街で化粧品屋さんを営む4代目。

商店街には大きな波が3回来た。
昭和40年代
大型スーパー、百貨店が商店街に中に出店した。

平成に入り、
郊外の大型ショッピングセンターが作られ、
行政施設も郊外へと移った。

そしていま。
高齢化と後継者の不足によって商店街存亡の危機を
迎えている。

松井さんは問いかける
「商店街、必要ですか?」
「商店街活性化ってなんですか?」
この思いの共有が必要なのだと言う。

松井さんは
・個店がきちんと売り上げる。2世帯暮らしていける利益があがること
・「この商店街があるから安心して暮らしていける。」という人が増えること
つまり、商店街に関わるすべての人が幸せになっていくことだと定義する。

22年前、岡崎に帰ってきた松井さんは
商店街のイベントをひたすら打ってきた。

たしかに人はたくさんきた。
しかし、翌日になれば元通り。
その繰り返しだった。

「まちゼミ」は
「来街者」を増やすのではなく、「来店者」を増やすことを目的とし、
「個店活性化なくして、商店街の活性化はない」
と活動している。

近江商人の三方よし「売り手よし買い手よし世間よし」の
売り手と買い手を逆転させて
「買い手よし売り手よし世間よし」

お客様の幸せ+個店の売り上げ=商店街活性化
という形の実現のために、まちゼミを開始した。

まちゼミは
・2名~10名の受講生(お客さん)に
・原則無料で(実費がかかるものは事前に告知)
・自分のお店で
やる講座の集合体のことだ。

・時間を守る
・対話+動作を入れる
・お客さん同士のコミュニケーションをはかるような席配置
などポイントもたくさんある。
これらはすべて全公開されている。

もっとも大切なところは
「お客様のためになる」ということ。
お客様が何を求めているか?
どんなことを知ると幸せになるかを
ひたすらに追及していくこと。

いま。
インターネット販売や通信販売といった無店舗販売の
市場は8兆4千億円に達するという。
百貨店の総売り上げ6兆円をすでにしのいでいる。

そんな中で商店の魅力とは何か?
価格?
品ぞろえ?
どうやったって大規模店にかなわない。

「人」の魅力。
これに尽きると松井さんは言う。
「うちのおかあちゃんにはかなわない」

まちゼミに参加した女性が松井さんのお店に
再び来店してこう言ったのだという。

おかあさん、ありがとう。
わたしいままで、ドラッグストアで
安い化粧品を使っていて、それでいいと思っていた。

このまえ、おかあさんの講座を聞いて、
お化粧をちょっと変えてみたら、
おとうさんがホメてくれた。
うれしかった。

本当にありがとう。
これからもよろしくね。

高木薬局は7年間で売り上げが倍になった。
まちゼミだけでなく、ニュースレターを発行するなど
コトづくりにつとめている。

竹内文房具店。58歳の女性店主。
「初めての人のための万年筆講座」を
7年ずっと同じタイトルで続けている。

「万年筆で文字を書くと思いが伝わる」
を合言葉に万年筆の魅力を伝えている。

7年前年間売上49本だった万年筆(平均単価1万8千円)
が昨年1年間で589本売れたのだという。
竹内さんは息子さんを跡取りとして迎え入れた。

あいち補聴器センター。
補聴器がどういうものか、お客さんの立場に立って
親切丁寧に伝えるゼミを開催した。
その2年後、受講生がやってきた。

「補聴器が必要になったら、あなたから購入したいと思っていた」

店主の天野さんは、いま、まちゼミを伝えるときにこう言っている
「将来のお客様づくりをいましないでどうする?」

「あなたから買いたい」
そんなふうに言われる商店。そして商店街。

松井さんは22年前に戻ってきて、
15年間、「活性化なんて無理だ」と思っていたという。
それが7年前に変わった。
かならず活性化できる、って確信した。

それから7年間、
松井さんの商店街では1軒のお店も閉店していない。

松井さん、熱いお話、本当にありがとうございました。

最後の具体的なエピソードのお話は、
「売り上げが上がった」という事実だけの話なのに、
魂が震えました。

モノを売ることはこんなにも美しいのだと
実感しました。

商店街という舞台にいま自分があることを
本当にありがたく思いました。

またお会いしたいです。
ありがとうございました。

モノを売るのは、こんなにも美しい


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Posted by ニシダタクジ at 06:32│Comments(0)日記
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