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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2013年02月21日

越境せよ

越境せよ

僕たちの前途(古市憲寿 講談社)
これ、おもしろい。
まだ第3章なんだけど、読み進めていくたびに
気づきがありまくる1冊。

第三章 俳優はなぜ映画を撮ったのか。

芸能界という閉塞感。

芸能界にもはや「芸能」はない。
と著者は言う。

もともと「芸能」というのは、
旅の一座が流れ流れて、演じるものだった。

それを明治以降、
権威のある「文化」として、位置づけようとした。
つまり、芸と人が分離したとも言えるだろう。

こうして、
芸能は経済の原理に大きく浸食されてくる。

映画からラジオ。
そしてテレビの登場によって、
その流れは決定的になった。

芸能プロダクションの登場。
それによって、プロデュースされる俳優や女優。

視聴率という大目標に向かってひた走る
ことを宿命づけられたテレビによって、
日本の芸能は大きく変わった。

著者の言葉を借りれば
「テレビと芸能が手を結んだ戦後という時代は日本芸能界のクライマックスと言っていい。」(本文より)

こうした中で
俳優、小橋賢児は、閉塞感を感じ、芸能界を飛び出し、
旅に出て、映画を撮る。

芸能とは本来、異人による、呪術的で周縁的なものであった。
ところがテレビが世の中のど真ん中に鎮座しているいま、
芸能プロダクションはふつうの会社になってしまい、
芸能界に「芸能」はない。

この章を著者はこう締めくくる。

~~~ここから引用

そんな小橋の生き方は、この社会を支配する二つの閉塞感の
出口を示しているように思う。

一つは「本当の自分」がどこかにあるはずだと考え、
現在の生活にリアリティを感じられないという問題。

その閉塞感を克服しようと思ったら、いくつかのコミュニティを越境してみるのがいい。
その過程で既存の社会とぶつかり合いながら立ち現われるのが、
社会的に意味を持つ「本当の自分」だからだ。

「本当の自分」は、ネパールの奥地やアメリカ西海岸には落ちていない。
「自分」というのは、他者との関わり合いの中で、その都度生まれるものなのだ。

そして芸能界が抱えている「閉塞感」もつまるところ、同じ問題にたどり着く。
非日常性こそが本来的な意味だった芸能という世界は制度化され、
「中の人」でいる限りそんなに面白いこともできない。
制度化された「芸能界」に閉じこもっている限り、「芸能」にはたどり着けない。
「芸能界」の外側に出たほうができる「芸能」も多い。

その意味で小橋賢児という生き方は、最先端でありながら最後尾の
芸能スタイルなのかもしれない。

~~~ここまで引用

なるほど~。
うなる。

この本読んでると、社会学者ってどんだけ勉強してんだって
シビれるわ。

まあ、でも。
大学生や20代向けの人にとってのポイントはここだ。


その閉塞感を克服しようと思ったら、いくつかのコミュニティを越境してみるのがいい。
その過程で既存の社会とぶつかり合いながら立ち現われるのが、
社会的に意味を持つ「本当の自分」だからだ。

「本当の自分」は、ネパールの奥地やアメリカ西海岸には落ちていない。
「自分」というのは、他者との関わり合いの中で、その都度生まれるものなのだ。


ここです。
コミュニティを越境する。
そのプロセスの中でその都度生まれる
「本当の自分」を大切にしていく。

そうやって、ひとは本当の自分にちょっとずつ近づいていくのだ。

いい本を、気づきをありがとう。

出版最高。

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Posted by ニシダタクジ at 06:20│Comments(0)
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