2014年06月26日
「役割を果たす」と「役を演じる」
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サムライ合宿でした。
24日午前7時@スターバックスコーヒー 新潟松崎店から始まって
25日午前9時半@モスバーガー中条店までの26時間半。
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最後は県立大学の前で集合写真。
「気がついたら私も本屋という舞台の共演者になっていました。」
これはこの冬に考えたコピーなんだけど、
そのときは、よく分からなかったけど、
いつのまにか、本当にそんな感じがしてきたなあと。
ツルハシブックスは
劇場のような本屋であり、本屋のような劇場なんだと。
共演者になれる本屋なんだと。
物語が始まる本屋なんだと。
そんな3つのキャッチフレーズが
しっくりとくる、そんな対話の場でした。
店員はその日の店員役を演じ切る。
それがサムライなんだと思いました。
その場に来た若者にとっては、
「店員」と「お客」というタテの関係性ではない
「共演者」としてのヨコのコミュニケーションがあるから、
その場はとても居心地がよい空間になります。
「なんで、居心地がいいんだろう?」
とふと思った時に、
その「場」をつくっている人たちは、
店員なのか、お客なのか、よく分からない人たちだと不思議に思います。
いや、そんな風に思う間もなく、
フラットなコミュニケーションに巻き込まれ、
文字通り
「気がついたら共演者になっていました」ということが起こります。
5年ほど前につくった、
ヒーローズファームの理念は
「ひとりひとりが役割を果たす喜びを感じられる地域社会を実現する」
でした。
CSR(企業の社会的責任)などが叫ばれ、
「貢献社会」の到来を予感させていた当初、
僕自身も、「他者に貢献できること」が
自らの喜びであると感じていました。
今もそれはそんなには変わらないのだけど、
ツルハシブックスをスタートして、
大学生高校生中学生や20代の人たちと接していると
承認欲求の強さを感じざるを得ません。
山竹伸二の「認められたいの正体」(講談社現代新書)を読むと、
ありのままの自分を受け入れてもらう「親和的承認」を
得られる機会がすごく少なくなっているのだと実感させられます。
家庭の少人数化、地域共同体の融解、商店街などのコミュニティの解体
などが原因となっていると思われます。
だから若者は「承認されようとして」
ボランティア活動やインターンシップに参加します。
あるいは、サークルや部活動で
一生懸命役割を果たそうとします。
「一般的承認」や「集団的承認」
を目指すことで、自らの承認欲求を満たそうとします。
それ自体は悪いことではないと思います。
しかし、承認欲求には限りがありません。
承認され続けなければならないのです。
そこにだけフォーカスしていくことは、すごく苦しい人生なのではないか、と思います。
役割を果たしていく、という
「貢献社会」の危うさはそこにあると思います。
ツルハシブックスが目指したいなと思ったのは、
「共演社会」です。
たとえば、市民劇団には、上下関係はほぼありません。
みんながフラットに役を演じている、そんな場です。
ひとりひとりが承認欲求を超えて、
その場で与えられた役を演じている。
あるいは、大道具小道具を準備している。
その瞬間を燃焼して、
いい芝居をしようと思っている。
そんな期間限定の劇団を作りたいのかもしれないと思いました。
「役割を果たす」から「役を演じる」へ。
「貢献社会」から「共演社会」へ。
ツルハシブックスは、「共演社会」への扉を開けます。
劇団「ツルハシブックス」、まもなく始動!
Posted by ニシダタクジ at 06:24│Comments(0)
│日記
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