2014年09月28日
なぜ、買っているのか?

「A41枚アンケートで利益を5倍にする方法」(岡本達彦 ダイヤモンド社)
これ。
5年前の本だけど、まだまだ売れ続けているみたいです。
この本の教訓のもっとも重要なのは、
「なぜ、買わないのか?」ではなくて、
「なぜ、買っているのか?」を考えるということ。
これは特に大学生が絡むような
商店街のプロジェクトでよくありがちなのだが、
「若者が来ないので、なんとかして若者を呼びたい。」
(しかもこれは、あまり本気じゃなかったりする)
というもの。
「何か若者を呼べるような企画やイベント、空き店舗の活用法を考えて、発表」
みたいなプロジェクトが多すぎる。
これは、完全に問いが間違ってしまっていると思う。
そんな問いを立てたところで、
発想の源泉は、
「若者が行く場所」みたいな出発点しかないので、
・カフェをつくったらいい
・アパレルや雑貨の店があったらいい
・飲み会などができる場所もほしい
・娯楽がほしい
などというアイデアが出てくるだろう。
しかし。
仮にカフェやアパレル、雑貨を取り扱う店ができたとして、
若者たちはそこに集うのだろうか?
イオン新潟南を凌ぐ集客効果はあるだろうか?
まあ、凌ぐのは無理にしても、
そこそこの集客は見込めるのだろうか?
そしてそれは商店街の他の店にとってもメリットがあるのだろうか?
そうではなくて、
問いを変えるべきだと思う。
「なぜ若者は来ないのか?」ではなく、
「なぜ、いま買い物をしに来ている人は商店街で買い続けているのか?」という問いを
立てなければならない。
そこで、冒頭の本の登場だ。
岡本式のA41枚アンケートで、聞いていくところはここだ。
1 「商品を買う前に、どんなことで悩んでいましたか?」(欲求発生)
2 「何で、この商品を知りましたか?」(情報収集)
3 「(商品名)を知って、すぐに購入しましたか?もし購入しなかったとしたら、どんなことが不安になりましたか?(購入不安)
4 「いろいろな商品がある中で何が決め手となってこの商品を購入しましたか(購入条件)
5 「実際に使ってみていかがですか?」(購入評価)
これをA4アンケート1枚で聞いていく。
すると、お客さんの心の動きと自社の強みがわかるというものだ。
これは商品に関する質問だが、
アレンジをして、商店街の商店にすることもできるし、
もちろん書店でも可能だ。
お客さんはなぜ、買っているのか?
商店街で買う人はなぜ、買っているのだろうか?
そんな問いを立てて、聞いていけば、
・なじみの店だから
・信頼しているから
・世間話ができるから
・配達してくれるから
などなど、大手のお店はやってくれない商品の強みやサービスが明らかになるだろう。
そこでもういちど、
顧客(候補者)を見る。
若者を商店街に呼びたいとしたら、
若者の中で、
「なじみの店」や「世間話ができる」
というニーズがある人はいないだろうか?
もし、いるとしたら、
その層にはどうやってアプローチしたらいいのだろうか?
たとえば、
3月にやったような店主が講師になって、講座を行う
「うちのまち なじみのお店 ものがたり」
などのイベントをやって学生を集めたらいいんじゃないか?
というようなアイデアが出る。
それのほうがずっと建設的だし、
大学生にとっては社会に出た時の
潜在的ニーズの想像というスキルにつながるのではないか?
問うべきは、
なぜ、買わないのか?ではなく、
なぜ、買っているのか?だ。
Posted by ニシダタクジ at 07:25│Comments(0)
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