2014年11月16日
消費社会のサードステージ

「知的資本論」(増田宗昭 CCCメディアハウス)
ツタヤをFC運営する
CCCの経営者の本。
「場づくり」を考える人は、
ツタヤとはいったいなんだったのか?
を改めて問い直す必要があると感じた。
ツタヤ。
DVD、CDレンタル複合型の本屋さん。
急成長し、
いまや書籍の売上高はチェーン店総合で1位。
そのツタヤとはいったいなんだったのか。
それを読み解く必要があると思う。
なぜなら、人はそこに足を運んだからだ。
街の小さな書店よりも、
ツタヤに魅力を感じ、そこに足を運び、
本を買ったからだ。
ここで、本書の中に
興味深い視点が登場する。
消費社会のステージの話。
これをツタヤが重視している顧客価値という観点から見る。
~~~ここから一部引用
本書によると
消費社会の最初の段階
「ファーストステージ」としては
モノが不足している時代。
ここではモノそのものが価値を持つ。
つまり、モノでありさえすれば売れる。
戦後から高度成長期までがこれにあたるだろう。
しかしインフラが整備され、
生産力が伸びれば、
やがてはモノがあふれる時代がやってくる。
そこはモノであれば何でも売れるという牧歌的な時代ではない。
価値の軸はモノそのものから
それを選ぶための場、すなわちプラットフォームへと移行する。
この「セカンドステージ」においては
だから顧客にとってより有効なプラットフォームを
提供できたものがより大きな顧客価値を創出した者となる。
思えばツタヤもまた一つのプラットフォームだったはずだ。
そして現在の消費社会は、さらに進んでいる。
今度はプラットフォームがあふれている時代。
ネット上にも無数のプラットフォームが存在し、
人々は時間にも場所にも縛られることなく消費活動を展開している。
単なるプラットフォームの提供だけでは
顧客価値の増大には寄与しなくなってしまった。
ではこの「サードステージ」において
顧客価値を生み出すものはなんだろう?
増田さんはそれを「提案力」だと言う。
だからこそ「デザイン」なのだと言う。
デザインとは可視化するということ。
つまり、デザインと提案は同義語なのだ。
~~~ここまで引用
だから、デザインを「付加価値」だと言っているようでは
ダメだ、と。
いいですね、ツタヤの思想から学ぶべきものはたくさんあります。
明日に続きます。
Posted by ニシダタクジ at 06:28│Comments(0)
│本
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