2016年07月07日
クリエイティブであること

「物欲なき世界」(菅付雅信 平凡社)
アメリカ西海岸オレゴン州の都市・ポートランドが熱い、らしい。
いまさらか、みたいなツッコミを受けるかもしれない。
人口は60万程度。
しかし
2013年度全米で最も住みたい都市ランキングで
1位を獲得。
市内には「ブルーボトルコーヒー」のような
サードウェーブコーヒーが60軒、
クラフトビールの醸造所やワイナリーが
ひしめくオシャレなまちだ。
ポートランドに住人に言わせれば、
「ブルーボトル?いまさらか?
ポートランドは10年も前からコーヒーだって「クラフト」だよ。
いわゆる「小商い」が盛んで、
独立志向が強いのだという。
面白かったのはココ。
~~~以下引用
気をつけないといけないのは、
クリエイティヴに携わる人にとって、
この街が最適ではないということだよ。
自然豊かな都市で、
インディペンデントな文化もあるし、
たくさん若者やクリエイターがやってくる。
けれどクリエイティヴにとって
大切なことは、現状に満足せず
常に変化し続けて、競争に負けないようにすること。
例えば、
ニューヨークには、世界中から優秀なクリエイターが
集まっている。
自分より優秀な人間に勝つために
リラックスはしていられない。
全クリエイターがそう考えているから、
他の人より、少しでも良いものを作ろうとし、
結果的に最高のクリエイティヴがニューヨークで生まれる。
その反面、
自然豊かなポートランドの美しさは、
競争に打ち勝つエッジを際立たせはしない。
ポートランドは快適すぎるんだね。
だからバランスを取ることが大事だと思う。
今いる場所に依存しないためにも、
旅をすることはすごく大事。
自分の知らない世界を見て謙虚になれるからね。
クリエイティヴであるには、
常に動いていないといけないんだ。
(ワイデン+ケネディのクリエイティヴディレクターを長年務めたジョン・ジェイ氏の言葉)
~~~以上引用
なるほどね。
クリエイターってそういうことなんだろうな、って。
ここでいう「競争」っていうのは、
世間の評価ではなくて、
職人的な、「いいもの、つくったな」
というか、いい作品、できたな、みたいなものなのだろうな。
クリエイティヴであること。
旅をすること。
謙虚であること。
ここ1年の葛藤が文字化されたような
1冊ですね。
まだまだ読み進めます。
Posted by ニシダタクジ at 08:14│Comments(0)
│本
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