2017年10月25日
本屋の妖精
いい本屋には、妖精が宿る。
そう思っている。
ぶらっと入った本屋さんの本棚を見ていると、
目に飛び込んでくる本がある。
それはきっと、妖精の仕業だ。
「魔法をかける編集」(藤本智士 インプレス)
で藤本さんが「魔法をかける」ことについて書いているけれど。
http://hero.niiblo.jp/e485488.html (2017.8.1)
本棚にも「魔法をかける」ことができる。
きっと、意識はしていなくても、
往来堂の笈入さんとか
スタンダードブックストアの中川さんとか
ブックスキューブリックの大井さんとか
普通にやっているのだろうな。
そういう意味では、
本屋さんは、魔法使いであり、妖精使いでもある。
僕は、子どものころの読書量が少なかったこともあり、
(新聞はよく読んでいたのだけど)
児童書の傑作とかほとんど読んだことがない。
だから、今でも、現実離れしたファンタジー小説は
まったく頭で想像できないので読めない。
(「桐島、部活やめるってよ」とか「夜のピクニック」とか
「限界集落株式会社」みたいな、現代を舞台にした小説なら読める)
でも、そんな僕でも
15冊くらいの棚をつくることはできる。
そして、そこに、「魔法をかける」余白が生まれる。
いや、「魔法をかける」から、余白が生まれるのかな。
そして、本屋のお客は、
「魔法にかかったように」本を買ってしまう。
その空間には、妖精がふわふわ飛んでいて、
いろいろとささやいてくる。
そして、つい、買ってしまうのだ。
僕は自分で新刊書店をやっているので、
自分の店で買おうと思えば、1週間ほどで
仕入れることができるのに、
その本屋で今買いたい、と思ってしまうのだ。
本屋で本棚を見ていて、
「この本欲しいな」と思った時に、
ひとまずamazonを検索しているようでは、
まだその人は魔法にかかっていない。
レジに持っていった後で、
あれ、サイフに現金、入ってたかな。
いま本買って大丈夫かな。
って心配に思うくらいじゃないと、
魔法にはかかっていないだろう。
好きな本屋で本を買うって、
そういう体験なんじゃないかって思う。
ファンタジックに言えば、
妖精との対話によって、魔法にかかった結果、
本を買ってしまうこと。
そんな本屋でありたいと思う。
あと、あなたの悩みに本を処方する
「本の処方箋」の企画。
あれもネーミング考えたいなと。
処方箋っていうのが
そもそも症状を改善するような感じがするので。
なんていうか。
あれって、セッションなんですよ。
悩みを話してくれる人がいて、それを聞きながら、
その悩みに合うような本を1冊選ぶなら、
正直、ネット上でもできると思うんだよね。
そういうニーズもあるだろうし、
それはわかりやすいからね。
でも、藤本さんが言うような
「魔法をかける」っていうのは、
その瞬間、その空間で、その人だけが、できることなんだよね。
そういう意味では、
同じ人が同じ悩みを語っても、
思い浮かぶ本って違うんだよね。
僕の場合は大体3冊くらいを選ぶんだけど、
http://hero.niiblo.jp/e485771.html
(「ターゲットとお客のあいだ」2017.9.6)
1冊目が直球で答える本
2冊目が変化球で答える本
そして3冊目は、
その話を聞いていて、思う浮かぶ1冊。
この本は、話とまったく関係のない1冊であることが多い。
でも、思い浮かんじゃう1冊。
これを選んでいるのは、誰なのか。
「本の妖精」の仕業だと思う。
その日、その場所、その瞬間に
居合わせたふたり、あるいはその周りに
いる人たちが呼び寄せた本の妖精。
それはもちろん、
「魔法をかけられた」本棚に潜んでいるのだけど、
それが顔を出すんじゃないかな、と。
いい本屋さんには、
魔法をかけられた棚と棚のあいだを、
本の妖精がふわふわただよっている。
だから「本の処方箋」じゃなくて、
「本の妖精使い」なんです、本当は。
まあ、おっさんが言うとちょっと恥ずかしいね。
そう思っている。
ぶらっと入った本屋さんの本棚を見ていると、
目に飛び込んでくる本がある。
それはきっと、妖精の仕業だ。
「魔法をかける編集」(藤本智士 インプレス)
で藤本さんが「魔法をかける」ことについて書いているけれど。
http://hero.niiblo.jp/e485488.html (2017.8.1)
本棚にも「魔法をかける」ことができる。
きっと、意識はしていなくても、
往来堂の笈入さんとか
スタンダードブックストアの中川さんとか
ブックスキューブリックの大井さんとか
普通にやっているのだろうな。
そういう意味では、
本屋さんは、魔法使いであり、妖精使いでもある。
僕は、子どものころの読書量が少なかったこともあり、
(新聞はよく読んでいたのだけど)
児童書の傑作とかほとんど読んだことがない。
だから、今でも、現実離れしたファンタジー小説は
まったく頭で想像できないので読めない。
(「桐島、部活やめるってよ」とか「夜のピクニック」とか
「限界集落株式会社」みたいな、現代を舞台にした小説なら読める)
でも、そんな僕でも
15冊くらいの棚をつくることはできる。
そして、そこに、「魔法をかける」余白が生まれる。
いや、「魔法をかける」から、余白が生まれるのかな。
そして、本屋のお客は、
「魔法にかかったように」本を買ってしまう。
その空間には、妖精がふわふわ飛んでいて、
いろいろとささやいてくる。
そして、つい、買ってしまうのだ。
僕は自分で新刊書店をやっているので、
自分の店で買おうと思えば、1週間ほどで
仕入れることができるのに、
その本屋で今買いたい、と思ってしまうのだ。
本屋で本棚を見ていて、
「この本欲しいな」と思った時に、
ひとまずamazonを検索しているようでは、
まだその人は魔法にかかっていない。
レジに持っていった後で、
あれ、サイフに現金、入ってたかな。
いま本買って大丈夫かな。
って心配に思うくらいじゃないと、
魔法にはかかっていないだろう。
好きな本屋で本を買うって、
そういう体験なんじゃないかって思う。
ファンタジックに言えば、
妖精との対話によって、魔法にかかった結果、
本を買ってしまうこと。
そんな本屋でありたいと思う。
あと、あなたの悩みに本を処方する
「本の処方箋」の企画。
あれもネーミング考えたいなと。
処方箋っていうのが
そもそも症状を改善するような感じがするので。
なんていうか。
あれって、セッションなんですよ。
悩みを話してくれる人がいて、それを聞きながら、
その悩みに合うような本を1冊選ぶなら、
正直、ネット上でもできると思うんだよね。
そういうニーズもあるだろうし、
それはわかりやすいからね。
でも、藤本さんが言うような
「魔法をかける」っていうのは、
その瞬間、その空間で、その人だけが、できることなんだよね。
そういう意味では、
同じ人が同じ悩みを語っても、
思い浮かぶ本って違うんだよね。
僕の場合は大体3冊くらいを選ぶんだけど、
http://hero.niiblo.jp/e485771.html
(「ターゲットとお客のあいだ」2017.9.6)
1冊目が直球で答える本
2冊目が変化球で答える本
そして3冊目は、
その話を聞いていて、思う浮かぶ1冊。
この本は、話とまったく関係のない1冊であることが多い。
でも、思い浮かんじゃう1冊。
これを選んでいるのは、誰なのか。
「本の妖精」の仕業だと思う。
その日、その場所、その瞬間に
居合わせたふたり、あるいはその周りに
いる人たちが呼び寄せた本の妖精。
それはもちろん、
「魔法をかけられた」本棚に潜んでいるのだけど、
それが顔を出すんじゃないかな、と。
いい本屋さんには、
魔法をかけられた棚と棚のあいだを、
本の妖精がふわふわただよっている。
だから「本の処方箋」じゃなくて、
「本の妖精使い」なんです、本当は。
まあ、おっさんが言うとちょっと恥ずかしいね。
Posted by ニシダタクジ at 08:08│Comments(0)
│本
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