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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2022年02月03日

意識を成果からプロセスに移していく

意識を成果からプロセスに移していく
「みんなのアンラーニング論 組織に縛られずに働く、生きる、学ぶ」(長岡健 翔泳社)

のつづきメモ。今日は第3章。
「場」や「ワークショップ」についても考えていく。

この本の主題である「アンラーニング」について。

「アンラーニングとは、不適切となった既存の習慣/知識/価値基準jなどを棄て、新たに、妥当性が高く、有用なものに入れ換えること」と定義されている。

よく言われる「アップデートする」ためには、「アンラーニング」が必要、あるいは同時に起こっているように思う。では、そのプロセスとは?が第3章のお題だ。

そして、この本では、アンラーニングが結果で、越境がプロセスだと説明される。

「越境とは、これまで興味のなかったテーマ、直接的な利害関係の薄い人物、自分とは異なる価値観などにあえて触れていく体験を通じて、自分自身を揺さぶりながら、自分にとって当たり前な考え方やモノの見方を見つめ直し、自分の進むべき方向や目指したい未来像を探索すること」

強く意識しているのは、結果よりもプロセスということ。「新しい考え方や見方を身につけた」「未来像が描けた」という成果(結果)よりも、そこに至る思索のプロセスを大事にする自分自身を育んでいく。それが私の考える越境です。
~~~

越境は漢方薬でワークショップが治療にあたる、と長岡さんは説明を続けます。

中野民生さんの定義によればワークショップとは
「先生や講師から一方的に話を聞くのではなく、参加者が主体的に議論に参加したり、言葉だけでなくからだやこころを使って体験したり、相互に刺激しあい学びあう、グループによる学びと創造の方法」とされます。

この文章の違和感は目指すべき成果(=到達点)が書かれていないことにあると説明します。

つまり、ワークショップという活動は、リベラルアーツや越境と同様、大切なことは学んでいくプロセスにあるという学習観に立脚しているということです。

この後、本書では、
TWDW(Tokyo Work Design Week)
https://twdw.jp/
の横石さんとの対談となる。

ここでビビっときたのが
「進行形」であること。

~~~ここから引用

横石:普段はあまり知ることができない人の話に触れて、その場の空気ごと五感で吸収しながら、自分自身の発見を楽しめたらいい。今はインターネットでいくらでも情報は取れますが、本当に面白い本質のところは後付けの言葉からは得られないと僕はおもっていたんです。

長岡:「過去形」になっていない本質を見せることが重要。その感覚を横石さんは最初からもっていたんですね。とても共感します。生身の人の体験や思いは、本やウェブに載った途端に「情報」としてデコレートされてしまうのだけど、本当の面白さはライブにある。ライブの面白さとは、常に確定せずに「進行形」であること。

(中略)

横石:働き方について語るときや書くとき、つい短く分かりやすい言葉に短縮してまとめがちですが、そこからこぼれ落ちてしまうものがたくさんある。どんな表情で、どう語るのかを含めて、その人の働き方を丸ごと体で感じられるのがライブセッションならではの良さだと思います。

~~~

このあともキーワードがたくさん。

・自己紹介スライドすら要らないイベントに僕はしたい。過去の実績の話はほどほどにしていただいて、「今ここで感じていること」を表現してほしい。
・働き方を頭で考えすぎるとよくないと思っているんです。もっと体で考えたほうがいい。
・台本をつくらない代わりに、マインドマップはつくるんです。
・僕の場合、計画を立てないから、失敗は起きないんです。

~~~

そして2人目のコクヨワークスタイルの山下さんとの対談からは、組織(会社)が決めてくれる時代の終わりと、プロセスそのものをひとりひとりがデザインしていく時代の到来を説明している。

~~~
組織や学校がお膳立てした環境を当たり前に受け入れ、与えられた環境に自分を適応させようとするのではなく、自分の方から環境に働きかけ、自分にふさわしい活動環境を自分自身でつくっていく。自分の活動を構成している要素を何ひとつとしてアンタッチャブルな与件とみなすことなく、自分の中の主体性をどこまでも突き詰めていく行動原理が、行動を組織に縛られず、判断を組織に依存しない「心の自由さ」につながっていくと私は考えています。

だから、主体性発揮のきっかけとなる「場づくり」がアンラーニングにとって重要な意味をもつということです。もちろん私たちの意識を成果からプロセスに移していくことが場づくりでも肝心なのは言うまでもありません。
~~~

昨日の3つのキーワード。
・ビッグアイデア・クラウドというゆるい関係
・公と私のあいだにある共(common)のマインド
・試行錯誤を楽しむための直感と好奇心
横石さんの言葉のように、大切なのは過剰な作り込みから脱却して参加者の主体性を信じ、対話のプロセスを委ねることのようです。

「意識を成果からプロセスに移していくこと」

たぶんこれだよね。
「成果」から「プロセス」へのシフト。

実はそれこそが、「成果」を上げていくのではないかということ。
それは「ビジネス」においても、「学習」においても、同じなのではないか。
そして、ひとりひとりがプロセスに参加し、プロセスを自分自身で、周りと協働しながらつくっていくこと。

それは、「趣味」においても「観光」においても、同じだろうなと。

今回、一番衝撃だったのは横石さんの一言。
「僕の場合、計画を立てないから、失敗は起きないんです。」

うわー!

僕は小学校5年生でスクールウォーズを見て以来、
「失敗をしない方法がひとつだけある。それは何もしないことだ。でもそれは死んでいるのと同じこと。人間生きていれば必ず失敗をする。人間には失敗する権利がある。」
っていうのを持っていたのだけど。

「計画を立てない」っていうの方法があるのか!とアンラーニングされました。
「成果」にフォーカスするから、「失敗」が生まれるのだ。

「成果」から「プロセス」へのシフト。
これ、とても大切なキーワードになっていきそうです。

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Posted by ニシダタクジ at 07:57│Comments(0)日記学び
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