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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2023年10月06日

「アフェクト」を制するものが

「アフェクト」を制するものが
『行動経済学が最強の学問である』(相良奈美香 SBクリエイティブ)

読み進めています。
今回は第3章「感情」について

感情といえば「喜怒哀楽」ですけども、行動経済学ではそれを「ディスクリートエモーション」といって区別していて、それよりも淡い感情を「アフェクト」と呼んでいます。

私たちは日々、無数の判断にさらされますが、それらをすべて熟考していたら、とてもでありませんが対応できません。しかし、この淡い感情を感じることによって、アフェクトを「認知の近道」の目安として使い、瞬時に行動に移すことができるのです。

そして重要なのは「アフェクトは(ネット上でも)伝染する」ということ。
たしかに、SNS上でのネガティブな投稿見てるとつらくなってきますもんね。

今日はポジティブ・アフェクトのうちのいくつかを紹介します。

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【拡張・形成理論】
ポジティブな感情は将来的に幸せになる上昇スパイラルの引き金となる=拡張・形成理論:ノースカロライナ大学の心理学者バーバラ・フレデリクソンの論文。

基本的に、ポジティブな感情は視野や思考の幅を広め、ストレスによる身体と心の不調を整えてくれます。そればかりか、打たれ強くなり、レジリエンス(精神的な回復力)も身についていきます。能力・活力・意欲が高まり、人脈や活動の範囲が広がります。

・楽しかった家族旅行の写真を仕事場のデスクに飾る
・使いやすい上質なペンで契約書にサインする
・いいイメージを思い浮かべるなどしていい気分になり、クリエイティビティを上げる
・ストレスの多い会議後、あたたかい飲み物を飲んでホッとする。
いずれもすぐにできる「ポジティブ・アフェクト」の活用法です。

「部下が成果を出せるかは上司の責任」
「楽しんでやれる仕事でなければ、上手くなれない」

総合的に見て「楽しい仕事」と思えなければ、成果は上がりません。だからこそ、部下のアフェクトに注意を払い、選択を任せたり、権限を与えたり、やりたいと思うことはやらせたりするようにしています。なぜなら「上司に信用されている。任せてもらっている」と感じた部下は、ポジティブ・アフェクトが高まり、自己肯定感も上がるからです。そうすると注意力、思考力が高まり、コミットメントが強くなり、何より一番うれしいことに成長します。

仕事の質が上がれば業績も自然に上がります。ポジティブ・アフェクトを積極的に取り入れることは、仕事の一部、いや、重要な仕事そのものです。

【心理的所有感】
実際は所有していなくても「自分のものだ」と思うと行動が変わってくる、「心理的所有感」もポジティブ・アフェクトと重要な関わりがあります。例えば、従業員はオーナーでも大株主でもないので、会社の所有者ではありません。それでも「ここは自分がいるべき会社だ、これは自分がやりたい仕事だ」という心理的な所有感を持つと、仕事へのポジティブ・アフェクトが高まり、熱心に働くことがわかっています。

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なるほど。
世の中の「上司」と呼ばれている人たちは必読ですね。
もしかしたら「ハウスマスター」と寮生の関係もそうかも。

この本はこのあと「ネガティブ・アフェクト」に言及されていくわけですが、今日は高校生にも使えそうなやつを2つ紹介します。

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【認知的再評価】
自分が抱いている漠然とした感情に目を向け、理解し、再評価し、もっと役立てるというもの。
たとえば2分間のスピーチの前に声を出してつぶやく。
グループ1 「私はワクワクしている」
グループ2 「私は平常心で落ち着いている」
結果、グループ1が圧倒的にいいスピーチができたといいます。
不安や緊張というネガティブな感情は簡単に消えるものではなく、抑え込もうとすると逆効果になります。それゆえにネガティブ・アフェクトを認識し、その上で「やる気」などのポジティブ・アフェクトに変換したのがグループ1になります。

仕事や運動、勉強を始めるときに目標を立てたけど、「嫌だなあ、無理そうだ」とネガティブ・アフェクトが湧いてきたときには、「あえて目標を立てず、すぐにやめるつもりで」始めることをおすすめします。ネガティブ・アフェクトが入り込む間もなく、とりあえず始めることによって、小さな成果が出ます。そうすると、自分の中にポジティブ・アフェクトが生まれます。「始めた」というだけで成果ですし、たった5分の努力でも小さな達成感が出てきます。またいったん始めると現状維持効果が働いて、継続できます。
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いいですね。これ。高校生の授業や勉強にも使えます。
「行動経済学」マーケティングにも高校生の勉強にも使えるなんて、いい研究だなあと。

「アフェクトを制するものが、受験を制す」とかいう言葉も出てきそうなくらいです。
というか、上司-部下の関係もそうですけど、ビジネスも制す、のかもしれませんね。

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Posted by ニシダタクジ at 06:44│Comments(0)日記学び
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