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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2017年12月22日

もし、このプロジェクトが「アートプロジェクト」だとしたら

昨日は、
武蔵新城で川崎市とコラボした
ブックフェアのミーティング。

「多様性」「つながる」「メッセージ」をテーマに、
「次世代に残したい本」の展示を行い、
ガラスにはキットパスで絵を描く。

オープン時間の相談で、
展示のお客は誰か?
という話になった。

そうそう。
それそれ、めちゃ大事。
「お客はだれか?」っていう問い。

今回の企画のポイントは、
単なる図書館や書店の「おススメ本」を並べる絵本展示でななくて、
「次世代に届けたい本を1冊選ぶとすればなんですか?」
という問いを投げかけていること。
その「問い」部分が大切なのだなと、あらためて。

あと、自分自身で一番ビックリしたのは、
「僕はさ、アーティストだからさ」って照れることなく、
普通に話し始めていたこと。
ああ、おれ、アーティストなんだって(笑)

落選しちゃったけど、
ポーランドのアーティストインレジデンスに
応募するときに、「現代美術家」風にプロフィールを
書いてみたのだけど、

まきどき村とかツルハシブックスとか、
やっぱアートかもしれないって。

そこで思い出したのは、
2015年10月の北澤潤さんとの出会い。
http://hero.niiblo.jp/e473298.html
(「当たり前を揺るがすこと」2015.10.3)

デザインの役割は、課題を解決すること
アートの役割は、問いを投げかけること

ああ、それなら僕もアーティストだ。
と思って、「現代美術家」の名刺をつくった。

この道20年。
1999年4月に「まきどき村」を始めてから
僕は現代アートをつくっていたことになる。

まきどき村は、
僕の中の問題意識が結晶した畑アート。

「豊かさとは何か?」
という大学1年生以来の問いに
みんなで畑をやるというアウトプットを出した「作品」だ。
問いが詰まっている。

さて、武蔵新城ではどんな場、作品を
つくっていくのか?
っていう自分たち自身への問い。

そんな問いを持ちながら、毎朝の電車読書。

もし、このプロジェクトが「アートプロジェクト」だとしたら
「ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件」(楠木健 東洋経済新報社)

まだまだ序盤なのだけど、
「なぜ、ストーリーか」っていうのが熱かったので、
こちらにメモする。

~~~以下本文より一部引用メモ(省略・改変あり)

ある登山隊がピレネー山脈で雪崩に遭遇し、
隊員は一時的に意識を失い、意識が戻った時には
背負っていた基本的な装備を失っていました。

ポケットの中にもほとんど何もないどころか、
コンパスも失っていました。
もう生きて帰れない、どうやって山を下るんだ、と絶望します。

そんなとき、ある隊員のポケットから1枚の地図が出てきました。
これを見ているうちにどんどん元気が湧いてきて、

尾根がこうなっているなら、このあたりにいて、
太陽の位置からこう行けば下山できるのではないか、
と地図の上に道をつけていきました。

つまりストーリーを組み立て、
それを共有したわけです。

登山隊は、地図の上につけた道筋を信じて、
奇跡的に下山に成功しました。

この話にはオチがあります。

救助隊を組織した人々は
登山隊と連絡も取れず生還は絶望的だと思っていました。

そこに登山隊が生きて帰ってきたのです。
びっくりして尋ねました。
「あの状況で、いったいどうやって戻ってこられたのですか?」

リーダーは一枚の地図を取り出して答えました。
「この地図のおかげで助かりました。」

救助隊は笑って言いました。
「こんなときによくそんな冗談を言う余裕がありますね。
これはアルプスの地図じゃないですか・・・」

驚いた登山隊のリーダーが自分たちが道筋を
つけた地図を改めてよく見ると、
それは実はピレネーではなくアルプスの地図だったというのです。

~~~ここまでメモ

この衝撃のエピソードから
楠木さんは次のように言います。

▽▽▽ここから本文より引用

これがこの話の一番重要なポイントで、
ストーリーとしての競争戦略の一つの本質を
物語っているのではないかと私は思います。

つまり、戦略ストーリーというのは
きわめて主体的な意志を問うものだということです。

言い換えれば、戦略ストーリーは、
前提条件を正確に入力すれば、
自動的に正解が出てくるというような
環境決定的なものではないということです。

(中略)

未来はしょせん不確実だけれども、
われわれはこの道筋で進んでいこうという明確な意志、
これが戦略ストーリーです。ストーリーを語るということは、
「こうしよう」という意志の表明にほかなりません。
「こうなるだろう」という将来予測ではないのです。

意志表明としてのストーリーが組織の人々に共有されている
ということは、戦略の実行にとって、決定的に重要な意味を持っています。
なぜならば、ビジネスは総力戦だからです。

自分が確かにストーリーの登場人物の一人で
あることがわかれば、その気になります。
こうしてビジネスは総力戦になるのです。

△△△ここまで本文より引用

ストーリーとは「意志の表明」である。
いやあ、そうですよね。
感覚的にはその通りだなあと。

そして、そのストーリーを共有するから
チームメンバーのモチベーションが上がり、
プロジェクトやビジネスが前に進むのだろうなと思った。

昨日のミーティングで言えば、
まるラジの朗読やキットパスでの絵を描くこと
をひとつのストーリー
(昨日は、4月のリニューアルオープン後に
定期的に同様のことを開催する、など)

に作り上げていくことで、
みんなが前に進んでいくのだろうと思った。

もし、このプロジェクトがアートプロジェクトだとしたら
僕たちが来場者や関係者に
投げかける「問い」とはいったいなんだろうか?

そんな問いが生まれた
ミーティングでした。

ありがとうございました。

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Posted by ニシダタクジ at 08:05│Comments(0)日記
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